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SUPER GT RACE REPORT

2010年 SUPER GT 第4戦 SEPANG <予選>

2010年6月19日(土) Qualify 予選
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/リチャード・ライアン
公式予選総合結果7位(1分58秒096)
天候:晴れ|コース状況:ドライ

2010年 SUPER GT 第4戦 SEPANG <予選> ゴールデンウィークの富士ラウンドから、約1カ月半のインターバルをおいて迎えた第4戦の舞台は、日本を離れた南国・マレーシア。F1マレーシアGPの開催地としても知られるセパン・インターナショナル・サーキットでの一戦は、マシンとドライバーにとってはシリーズの中でも屈指の、酷暑という難コンディション下での戦いとなる。このため、チームでは他のレクサス勢同様コクピット内の冷却対策などを施してレースウィークに臨むこととなった。

 昨年は雨に見舞われた公式練習ながら、今年は曇天ではあったものの雤の心配も無くドライコンディション。土曜午前10時からの公式練習は、まずは立川が#38 ZENT CERUMO SC430のステアリングを握ることに。しかし、今回もコンディションの状況を見ながら、セッション開始から約20分待ってからのコースインとなった。

 コースインした立川は、2分04秒台からゆっくりと周回を開始。コースとマシンのフィーリングを確認しつつ、2分01秒台のラップを数周続ける#38 ZENT CERUMO SC430は、ポジション的にはまだ11~12番手前後に留まるが、周回を重ねた午前10時33分に一気にタイムアップ。立川は1分59秒665をマークして3番手と好位置に浮上する。

 その後、ピットイン&アウトを行ってセットアップとタイヤの評価を行った立川は、午前11時に1分59秒556へとタイムを縮め3番手に再びつけると、午前11時すぎにライアンにバトンタッチ。ステアリングを託されたライアンもピットイン&アウトを行いながらフィーリングをチェック。セッション終盤には再び立川がコースに入りマシンの状況を確認する。結局#38 ZENT CERUMO SC430はこのセッションを3番手で終え、まずまずのスタートを切る。50kgというハンディウエイトを搭載している今回は、それなりに苦戦する可能性を覚悟していた高木監督以下、チームスタッフだったが、3番手という結果に勇気付けられることとなった。

 ピットウォークを終えた午後2時15分から始まった予選1回目。今大会は、ノックアウト制ではなくスーパーラップ方式を採用していることから、このセッションではふたりのドライバーの基準タイムクリアと、スーパーラップへの進出権を得られるトップ8に食い込むことが必須条件となる。

2010年 SUPER GT 第4戦 SEPANG <予選> セッション前半のGT300との混走時間帯。まず#38 ZENT CERUMO SC430のコクピットには立川が座り、セッション開始と同時にコースイン、序盤ながら2分00秒047をマークしタイミングモニターのトップに躍り出る。その後すぐにピットに戻った立川は、ピットでライアンに交代、#38 ZENT CERUMO SC430は今度はライアンの手によって午後2時26分にコースへ。

 ライアンは手早く2分02秒060をマークして基準タイムをクリアすると、再び#38 ZENT CERUMO SC430のステアリングを立川に委ねる。マシンを引き継いだ立川は、残る混走時間帯を使ってラスト10分間のGT500占有時間帯に向けたセットアップの調整や確認作業を行い、結局#38 ZENT CERUMO SC430は混走時間帯を6番手で終える。

 GT300の占有時間を挟み、迎えたGT500の占有時間帯。この10分間のセッションで#38 ZENT CERUMO SC430を駆る立川は、スーパーラップ進出を目指し残り7分でゆっくりとコースイン。前のマシンとの間合いを計りつつ、タイヤを温めていく。セッションが残り4分を切り、ライバル陣営のマシンが1分58秒台に入れて来る中で、立川はまだ2分04秒971というスローペース。ポジション的にも徐々に下がり、一瞬の緊迫感がピットに訪れるが、チェッカーを前にしたラップで立川は1分58秒387をマークし4番手に浮上すると、さらにファイナルラップで1分58秒204へとタイムアップ。最終的には5番手とひとつポジションダウンしたものの、見事立川は#38 ZENT CERUMO SC430をスーパーラップへと導くこととなった。

 やや日が翳り始めたとはいえ、まだ気温35℃、路面温度46℃というコンディションで始まった午後4時20分からのスーパーラップ。GT300に続いて行われたGT500のアタックでは、2番目にコースイン、アタックに入ったライバルマシンが駆動系のトラブルでストップしたため、いったんコースインしていた立川も仕方なくピットへ。

 仕切り直しとなったアタック。コンクリートウォールで高木監督、ライアンらがモニターで見守る中、立川はここで1分58秒096をたたき出すも、ポジションはこの時点で3番手。残念ながらポジションを下げてしまう。赤旗中断があったこともあり、やや気温、路温が下がり始めたために「少しタイヤを温め切れなかったか……」と、やや悔しげな表情を見せた立川だったが、チームは明日の酷暑の決勝レースを鑑み、このスーパーラップに向け、持っている中でもっとも耐久性に優れた硬めのタイヤを選んでいたこともあり、実はこの予選結果は織り込み済みのものであった。状況を理解しているスタッフたちには、落胆の表情は無く、むしろ“これなら明日は行ける……!”という手応えのような雰囲気が感じられる。

 最終的に、7番手から明日の決勝レースを戦うこととなった#38 ZENT CERUMO SC430だが、その備えは万全。怒涛の追い上げを期してスタッフはサーキットを後にすることとなった。

ドライバー/立川祐路
「まずまずの一日でしたね。選んでいるタイヤの条件などを考えれば、ポジション的に下がったとはいえスーパーラップのアタックも悪く無かったと思います。気温も下がっていましたし、硬めのタイヤだったので温まりがちょっと厳しかったかな、というのはありますが、それでもこのタイヤは明日の決勝での武器になってくれるはず。7番手からならば、充分追い上げも可能だと思います。かなりポジティブな状況での7番手なので、明日が楽しみですね!」

ドライバー/リチャード・ライアン
「ここに来る前にはウエイトのことが頭にあって、もっと苦戦するかと思っていたんだけれど、朝の公式練習で3番手になったりして、思いのほか状況は悪くないと思い直したよ。それ以降のセッションも、まずまずのポジションで推移したし、1コーナーでの跳ねがちょっと気になるけれど、基本的にマシンは安定していると思う。決勝に向けてはハードタイヤをチョイスしていることだし、明日はとにかく良いレースをしたい。コンディションがちょっと読めないけれど、なんとかうまく対応してポイントを稼ぐことができれば良いね」

監督/高木虎之介
「走り始めから重量を積んでいる割には3番手になったりして、思ったよりは状況は良かったですね。スーパーラップではちょっと順位が下がってしまいましたが、決勝を考えて硬めのタイヤを選んでいたので、ポジション的には予想の範囲内でした。今回のように重い状況でも上位とあまり差が無いタイムで走って結果が残せれば、データという面でも今後につながって行くでしょうから、なんとか明日は粘り強いレースが出来ればと思います。いろいろな意味で、明日は重要な戦いになるかもしれませんね」