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SUPER GT RACE REPORT

2011年 SUPER GT 第3戦 SEPANG <予選>

2011年6月18日(土) Qualify 予選
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/平手晃平
公式予選総合結果9位(1分57秒873)
< 公式予選 > 天候:晴れ|コース状況:ドライ

2011年 SUPER GT 第3戦 SEPANG <予選> 前戦岡山では決勝中に接触によるドライブスルーペナルティーを受けたこともあり、8位に留まった#38 ZENT CERUMO SC430。シリーズ争いを考えると、そろそろ表彰台フィニッシュが期待されるところだが、第3戦の舞台は南国マレーシアのセパン。いつもながらのGT500の激戦に、ドライバーとマシン双方を痛めつける暑さという難敵との戦いも加味され、通常以上に過酷なレースウィークとなるシリーズ唯一の海外開催イベントだ。

 走行開始となるのは土曜朝の公式練習となるが、前回のアクシデントの関係でモラルハザードの累積ポイントが溜まってしまった平手が、公式練習の最初1時間ドライブできないこともあって、公式練習の序盤を担当したのはいつものように立川。セッション開始からしばらくはピットで待機も、午前10時20分には#38 ZENT CERUMO SC430はコースイン。ゆっくりとコースコンディションとマシンのフィーリングを確かめながら周回を重ねた立川は、まずは2分00秒239にまでタイムを刻むとピットイン。セットアップに修正を加えると、平手、高木監督、村田エンジニアがサインガードから見守る中、再びピットアウト。ここでは2分00秒229と僅かにタイムアップ。その後も細かくピットイン&アウトを繰り返しつつ、セッティングに修正を加えて行く立川だったが、タイム的にはなかなか更新できない状況が続く。今ひとつ、バランスの優れない#38 ZENT CERUMO SC430は、唯一2分を切れぬまま、15番手という不本意なポジションのままセッション終盤を迎えてしまう。

 しかし、徐々にフィーリングの向上を掴んでいた立川は、午前11時36分、1分59秒425へとタイムアップ。この段階で#38 ZENT CERUMO SC430は、11番手にポジションを上げる。

 その直後、立川からステアリングを引き継いだ平手も、残り5分となった段階からコースイン。3周ほどしか出来なかったものの、#38 ZENT CERUMO SC430のフィーリングをチェックし、そのままチェッカーを受けることに。結局、#38 ZENT CERUMO SC430はこの最初のセッションを12番手で終えることとなった。

 ピットウォークを終えたLEXUS TEAM ZENT CERUMOは、午前の公式練習での問題を解決すべく、セットアップを変更し、いよいよ午後2時15分からの予選1回目に臨んだ。50分間のこのセッションは、最初の30分間はGT300との混走時間帯で、終盤の10分間にGT500の占有時間帯が設けられている。そのため混走時間帯には、まずは両ドライバーの基準タイムクリアを果たすため、まずは平手がステアリングを握ってコースイン。平手は2分02秒台から計測を始めると、開始8分ほどで2分00秒162をマーク、その時点でタイミングモニターの4番手につけるとピットへ。

 平手が基準タイムをクリアしたことで、ここからは立川がコクピットへ。午後2時30分、ピットアウトした立川は、いきなり1分59秒341を叩き出し、3番手に躍り出ると、ピットイン&アウトを行い、さらにセットアップを調整。混走時間帯の終了間際には、いったん6〜7番手あたりまでポジションを下げるも、1分58秒055へとタイムアップ。再び3番手に返り咲くと、GT300の占有時間帯にあたる10分間のインターバルを挟み、GT500の占有時間帯を待つこととなった。

 スーパーラップに進出するためには、このセッションでトップ10に入らなければならない。しかし、1周約2分かかるこのサーキットでは、コンディションの良い状況をピンポイントで狙えば、10分間の短いセッションではほぼ1アタックのみしか許されない。このため、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは、午後2時55分からセッションは始まっているものの、ギリギリまで立川を待機させることに。

 満を持して、立川がピットを離れたのは残り7分となった段階。コースに出た#38 ZENT CERUMO SC430は、ゆっくりとタイヤを温めると、まずは2分02秒680として、この時点ではまだ3番手に。しかし、ライバル勢のタイムアップが始まると、じりじりとポジションを下げる#38 ZENT CERUMO SC430。すでにコントロールタワーにはチェッカーが提示され、残るはファイナルラップとなった立川は、ここで渾身のアタック。しかし、アンダーステア傾向があったことから惜しくもタイムは1分58秒117と、混走時間帯でのベストラップを更新するには至らず。それでもなんとかレクサス勢トップの7番手に踏みとどまった#38 ZENT CERUMO SC430は、見事スーパーラップへの進出を果たすこととなった。

 GT300のスーパーラップが終わった午後5時12分、GT500のスーパーラップが始まった。予選1回目を7番手で終えた#38 ZENT CERUMO SC430は、立川の手によって3番目のアタッカーとしてピットを離れる。#35 D'STATION KeePer SC430、#39 DENSO SARD SC430と、2台のレクサス勢に次いでアタックに入った立川は、直前に#39 DENSO SARD SC430がマークした1分57秒239をターゲットに、気温32度、路面温度43度のコンディションで渾身のアタックを見せる。

 サインガードで高木監督、平手らが見守る中、立川のセクター1はコンマ2秒のプラス表示。セクター2を通過した時点でも、同じくコンマ2秒のプラス表示に、平手が思わず「もうちょっとだ……!」と漏らす様子がモニターに映し出される。#38 ZENT CERUMO SC430にムチを入れた立川は、結局1分57秒873でフィニッシュラインを通過。完全にはアンダーステア傾向が解消し切れていなかったこともあり、#38 ZENT CERUMO SC430はこの段階で惜しくもトップに出ることは叶わず2番手に。

 しかし続々とライバル勢がタイムアップをしてしまったため、10台がアタックを終えた段階で、#38 ZENT CERUMO SC430は9番手に。残念ながらスーパーラップでの上位進出はならなかったが、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは、翌日の決勝を9番グリッドからスタートすることとなった。天候が崩れる可能性も浮上しているものの、同様の予報があったこの日も雤は降らず、どのようなコンディションでの戦いとなるかは現時点では予測不能。いずれにしても厳しい戦いが予想される#38 ZENT CERUMO SC430だが、なんとしても上位フィニッシュを期待したい。

2011年 SUPER GT 第3戦 SEPANG <予選>ドライバー/立川 祐路
「午前の状態があまり良くなかったのですが、そこから予選に向けてクルマのセットを変えたことが良い方向に行きましたね。それで予選1回目を走り出してみたら、バランスがそこそこ良くなっていました。しかし、予選1回目の占有時間帯では、混走時間帯で履いたものとは異なるタイヤで出たところ、少しバランスが変わってアンダーステアになってしまってタイムが更新出来ませんでした。スーパーラップでも、そのアンダーが消えていなくて……。ただ、上位陣のタイムがかなり速くて差が大きいので、明日の決勝に向けては、作戦を含め、もっと何かが必要なように思います。とはいえ、しっかりポイントを稼いでおかなければなりませんし、作戦面などもこれからきっちり組み立てて、着実にレースを戦えば自ずと上位でフィニッシュ出来ると信じています」

ドライバー/平手 晃平
2011年 SUPER GT 第3戦 SEPANG <予選> 「公式練習で僕が最後に代わった時点では、クルマはかなり状況が改善されていましたし、予選1回目でもさらに良くなっていて、すぐに4番手くらいに行けたので、これなら予選もまずまず行けるだろうと思いました。ただ、今年のレクサス勢はなかなかセットアップで難しいというか、ややセンシティブな部分が出ているように思いますし、それがこのセパンでもレクサス勢を苦しめているように感じています。現時点では、予選上位のマシンのタイムはちょっと見えないですし、今後のシリーズ争いを考えると、そういった部分を改善していく必要があると思います。明日の決勝は9番手からのスタートですが、なんとかしっかりとレースをしていい結果を残したいですね」

監督/高木虎之介
「午前の走り出しは非常に状態が悪く、原因も掴めないような状況で苦戦しましたが、予選に向けた大幅なセットアップ変更が凄く上手く行き、いきなり速くなって、良い意味で、あれっ!? って感じでしたね。おそらく午前の段階ではクルマのバランスが、上手く取れていなかったのでしょう。結果としてスーパーラップにも行けましたし、レクサス勢の中では上位に行けたので、その点ではチームとドライバーが頑張ったと思いますが、周囲のマシンとのタイム差があるので……。なんとか明日の決勝でも頑張ってもらうしかないですね」