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SUPER GT RACE REPORT

2011年 SUPER GT 第4戦 SUGO <決勝>

2011年7月31日(日) Final決勝レース
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/平手晃平
決勝総合結果 11位
<決勝> 天候:曇り|コース状況:ドライ

 2011年 SUPER GT 第4戦 SUGO <決勝> 前日の予選ではスーパーラップに進出も、2戦連続となる9番手というグリッド獲得にとどまった#38 ZENT CERUMO SC430。雨量が微妙に変化する一日となり、トリッキーな路面状況の中、セットアップやタイヤに頭を悩ませたLEXUS TEAM ZENT CERUMOだが、一夜明けた日曜の菅生もまた、未明から小雨の降る不安定な空もようとなっており、予選同様に戦略面など難しい決勝が想定される。

 午前9時10分、決勝をにらんで最後の調整のセッションとなるフリー走行が始まった。ウエットタイヤを装着した#38 ZENT CERUMO SC430は平手がステアリングを握ってコースインすることとなったが、なんとコースイン直後にコース上にオイルが漏れたために、3〜4コーナーにかけてコースアウトするマシンが続出。いきなり開始3分にしてセッションは赤旗中断となってしまう。

 平手は満足に周回することも無くピットに帰還することとなったが、オイル処理のためにセッション開始は午前9時40分。終了時間も延長され、午前10時20分までの40分間のセッションとなった。

 再開後、コースインした平手は1分34秒245、1分31秒608、1分31秒553と順調にタイムアップ。この時点で2番手につけると平手はいったんピットイン。

 再びコースに戻った平手は、雨が上がりどんどんコンディションが良化していく中で1分30秒517にまでタイムアップしていくが、この時点でポジションは5番手。上位は既に1分27秒台に達しており、まだまだ#38 ZENT CERUMO SC430もパフォーマンス向上が必要な状況だ。

 セッションの折り返しとなる午前10時にピットインした平手は、ここで立川にバトンタッチ。午前10時02分にピットを離れた立川は、ゆっくりとタイヤを温めペースを上げて行くと、残り10分となったところで1分29秒824をマークし6番手に浮上。さらに残り5分を切ったところで1分29秒249へとタイムアップするものの、ライバル勢も続々タイムを上げ始め、#38 ZENT CERUMO SC430のポジションは10番手あたり。

 その後もタイヤ評価とセットアップ作業を行いつつ周回を続けた#38 ZENT CERUMO SC430だったが、それ以上のタイム更新はならず、結局このセッションは14番手。コンディションが変化する中でのタイムのため評価が難しいところだが、まだまだ決勝に向けてやるべきことが残されていると、チームスタッフは気を引き締められることとなった。

 サポートレースで大きなアクシデントが相次いだものの、午前11時50分すぎからのピットウォークを行った後、LEXUS TEAM ZENT CERUMOはいよいよ68周の決勝レースを迎えた。午後零時55分には8分間のウォームアップ走行が始まったが、ここで#38 ZENT CERUMO SC430はスタートドライバーを務める平手がコースイン。分厚い雲がたれ込める菅生上空ながら、雨は上がっており、路面は完全なドライに転じている。

 スタート進行では被災地の子供たちが「がんばろう!日本」のフラッグを掲げ、グリッドを盛り上げる中、平手はスタートの時を待ちながら時折笑顔を見せるなどリラックスした表情。チームスタッフたちも入念な準備を整え、スタートに備える。

  そしてフォーメイションラップが午後2時にスタート。1周の後、いよいよ決勝が始まった。イン側の9番グリッドから鋭く加速した平手は、まずはポジションキープの9番手でオープニングラップを終える。しかし、やや後半勝負にセットアップを振っていたこともあり、2周目の1〜2コーナーでは#12 カルソニック IMPUL GT-Rの先行を許して10番手に後退する。

 しかし、先行したライバル勢のペースがにぶり始めると、平手は8周目に9位にポジションアップ。さらに11周目にはいったん先行を許した#12 カルソニック IMPUL GT-Rを4コーナー立ち上がりでオーバーテイク。さらに翌周にはストレートで並びかけた#35 D'STATION KeePer SC430を1コーナーで捕らえ、7番手に浮上を果たす。

 躍進を続ける平手は、#100 RAYBRIG HSV-010のピットインによって24周目には6番手に。しかし、前を行く#17 KEIHIN HSV-010とのギャップを詰めつつあったところで、早めにピット作業を行ったマシンが#38 ZENT CERUMO SC430の前に入ってしまい、一気に後続とのギャップを縮められてしまう。

 こうした状況の中、3位にまで躍進した#38 ZENT CERUMO SC430にチームの予定していたピットイン時期が近づくが、ピットインを目前に控えた35周目の1コーナーで、かなりタイヤの消耗の進んでいた平手は僅かにオーバーラン。アウトにはらんだところを背後にいた#19 WedsSport ADVAN SC430に突かれ、7番手に後退する。しかし、その直後の2コーナーにアプローチした#38 ZENT CERUMO SC430のインに、さらに後続の#6 ENEOS SUSTINA SC430が飛び込んで来たため、2台は接触。追突される形で平手はたまらずスピンを喫してしまう。

 スピンターンでレースに復帰し、ピットに飛び込んで来た#38 ZENT CERUMO SC430は、ここで立川の手に委ねられることに。

 2011年 SUPER GT 第4戦 SUGO <決勝>手持ちの中ではやや硬めのタイヤを装着した#38 ZENT CERUMO SC430だが、立川はピットアウト後に10番手にまで後退も、そこからじりじりとペースを上げて前を追い始める。43周目には#12 カルソニック IMPUL GT-RがGT300マシンと接触、後退したために9番手に浮上するなど、さらなる上位進出の期待がかかった。ところが、なんとここで#38 ZENT CERUMO SC430にドライブスルーペナルティーが科せられてしまう。平手がピットロードに飛び込んで来た際、僅かに制限速度をオーバーしてしまっていたのだった。

 46周終了時に、やむなくピットロードに入り、ペナルティーを消化した立川は、再びピットアウトしていくものの、この時点で#38 ZENT CERUMO SC430は12番手にまでドロップしてしまう。

 それでも最後まで諦めずに周回を続けた立川は、64周目に#23 MOTUL AUTECH GT-Rを捕らえて11番手にポジションを上げるも、挽回はそこまで。悔しい11位でのチェッカーを受けた立川は、無念の表情で#38 ZENT CERUMO SC430を降りることになってしまった。

 次戦は長丁場の鈴鹿500km。なんとしてもこのシリーズきっての難戦を攻略し、是が非でも上位入賞を飾って今回の挽回を期待したい。

2011年 SUPER GT 第4戦 SUGO <決勝>ドライバー/立川 祐路
「後半スティントで僕が乗った状況でクルマの調子も良かったですから、きっと上位を伺える戦いが出来たと思うだけに残念というか……。今季はここまで自滅してしまうレースが多いように感じていますし、こういう状況はきちんと仕切り直さないといけないでしょう。このようなレースをしていては、激戦のGT500で勝つことはできないと思います。次は500kmと長い鈴鹿になりますが、クルマの状態は良いですし、セットアップも徐々に進んで来て、今週末もフィーリングとしては今季一番だったと感じていますので、次の鈴鹿に僕自身期待しています」

2011年 SUPER GT 第4戦 SUGO <決勝>ドライバー/平手 晃平
「最初12号車などに抜かれはしましたが、セットアップの関係上、序盤の4〜5周は様子見だと考えていたので、抜かれても無理せず着いて行けばチャンスはあると思っていました。履いていたタイヤも今回初めて使うもので、未知数な部分もあったのですが、前のマシンたちが先にタイヤを消耗させていったので、抜かれた分きっちり抜き返して行けました。ただ、スティントの後半でピットアウトして来たマシンが前に入って抑えられたことで、後続とのマージンを失ってしまって……。結果として追突されてしまった後、ピットロードの速度違反を犯したことは自分のミスですし、あれをきっかけにレース全体の流れが狂ってしまい残念です。次の鈴鹿では、今回のミスを取り返せるくらいしっかりと自分の仕事をやりたいと思います」

監督/高木虎之介
「序盤は良いレースが出来ていたと思います。クルマ的にも周囲がタイヤの消耗に苦しむ中で、自分たちはセットアップなどを工夫し、うまく持たせることが出来、良いペースで走れていたのですが、接触やペナルティーがあったので……。今季は少しそういうことが多いように思いますし、結果的に自分たちの責任ですから、その点はドライバーにも直してもらって、そこを乗り越えて行くしかないでしょう。クルマも良くなって来ていますし、ピットなどのチーム戦略とドライバーの踏ん張りが噛み合えば、ちゃんと上位に行けるはず。今季はセパンくらいしかすべてが噛み合ったレースが出来ていないので、そのあたりを課題として次の鈴鹿に臨みたいですね」