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SUPER GT RACE REPORT

2012年 SUPER GT 第4戦 SUGO <決勝>

2012年7月29日(日) Final決勝レース
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/平手晃平
決勝総合結果 5位
<決勝> 天候:晴れ|コース状況:ドライ

2012年 SUPER GT 第4戦 SUGO <決勝> 76kgものウエイトハンデを積みながらもスーパーラップに進出し、7番グリッドを得た土曜の#38 ZENT CERUMO SC430。LEXUS TEAM ZENT CERUMOとしてはポイントリーダーの座を堅持し、シリーズ争いを優位に進めるためにもさらなる上位フィニッシュを狙いたいところだが、この日の菅生もまずまずの好天に恵まれ、またも朝から気温が上昇する暑いコンディションに。

 厳しい決勝での攻防が想定される中、午前9時05分からのフリー走行は、決勝を想定したセットアップを煮詰める最後のチャンスとなるだけに、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは高いモチベーションを持ってこの45分間のセッションに臨んだ。

 まずは立川がステアリングを握ってコースインした#38 ZENT CERUMO SC430は、早々に連続周回に入り午前9時12分には1分17秒502をマークし2番手につける。そこからピットイン&アウトを行いセットアップを進めた立川に代わり、午前9時22分には平手がコースイン。こちらもタイヤとマシンのフィーリングを確認しつつ、午前9時30分には1分17秒879にタイムアップするが、ここで馬の背コーナーでコースアウトした車両があり、セッションは赤旗中断に。

 この時点で7番手につけていた#38 ZENT CERUMO SC430は、残り18分での再開後にはニュータイヤを投入する陣営が出る中、決勝に向けたセットアップに集中。平手から最後は立川に再び交代しフィーリングをチェック。最終的に9番手でこのセッションを終えることとなった。

 決勝レースを前にピットウォークが行われていた正午ごろに突然スコールのように降り始めた雨に、いったんウエットコンディションとなった菅生だったが、雨はほどなくして止み、高い路面温度のせいか瞬く間に再びドライへ。決勝前の8分間のウォームアップにはレインタイヤを履いてコースインするマシンもあったが、スタート進行の間には路面は完全に乾き、全車ドライタイヤでの決勝スタートとなった。

2012年 SUPER GT 第4戦 SUGO <決勝> #38 ZENT CERUMO SC430のスタートドライバーを努めるのは平手。照り付ける日差しの中、イン側4列目の7番グリッドのパラソルの下で、じっと平手はスタートの時を待つ。

 いよいよ午後2時、フォーメイションラップがスタート。平手も隊列に加わり、1周の後ついに81周の攻防の火ぶたが切って落とされた。

 まずまずの加速を見せた平手だったが、さらに加速に上回った#17 KEIHIN HSV-010に1コーナーで先行を許してしまうものの、トップグループで接触があり一気に2台がリタイアとなっており、オープニングラップを終えた#38 ZENT CERUMO SC430は6番手とひとつポジションを上げることに。コンマ数秒差で前を行くKEIHIN HSV-010を追う平手は、周回遅れの出始めた6周目に#17 KEIHIN HSV-010を捕え5番手に浮上。さらに前を行く4番手の#1 S Road REITO MOLA GT-Rの間合いを詰める#38 ZENT CERUMO SC430だったが、その背後には同じく6周目に#17 KEIHIN HSV-010をかわした#39 DENSO KOBELCO SC430が。

 7周目にはコントロールラインでは#39 DENSO KOBELCO SC430が#38 ZENT CERUMO SC430に先んじるが、2コーナーでこれを封じて5番手を奪い返した平手は、その後#39 DENSO KOBELCO SC430を引き離しつつ、猛プッシュ。12周目には自己ベストとなる1分17秒608をたたき出すなど、4番手の#1 S Road REITO MOLA GT-Rを追いつめて行く。

 しかし、一時はコンマ数秒差にまで詰め寄ったものの、#1 S Road REITO MOLA GT-Rは21周目に#35 KeePer Kraft SC430と#36 PETRONAS TOM’S SC430をかわして2番手に。このため平手のターゲットは31周目に4番手に後退した#35 KeePer Kraft SC430に。この35号車を33周目のストレートでかわした#38 ZENT CERUMO SC430は、ついに4番手に浮上を果たす。

 4番手となった#38 ZENT CERUMO SC430だが、その頃から上位陣はルーティンピットのタイミングとなり、37周目にトップの#6 ENEOS SUSTINA SC430がピットインし3番手に浮上した#38 ZENT CERUMO SC430も、翌38周目にはピットへ飛び込む。

2012年 SUPER GT 第4戦 SUGO <決勝> ここで平手から立川に交代、タイヤ交換と給油を素早く終えて#38 ZENT CERUMO SC430をコースに戻そうとしたピットクルーだったが、タイヤ交換に手間取った上に、フロントウインドウに貼られたフィルムをはがし切る前に立川をピットアウトさせてしまうという痛恨のミスを犯してしまう。

 このピットで約7秒ほどタイムをロスした#38 ZENT CERUMO SC430は、再び#1 S Road REITO MOLA GT-Rに次ぐ4番手でコースに復帰。しかし、#38 ZENT CERUMO SC430のフロントウインドウには剥がれかけたフィルムが残り、コクピットの立川は通常のような視界を得られないまま難しいドライビングを強いられる。

 そんな状態ながら、45周目には1分17秒837のベストタイムをマークした立川だったが、運の悪いことに周回遅れに詰まった隙を突かれ、50周目の1コーナーで背後の#39 DENSO KOBELCO SC430の後塵を拝することに。

 それでも諦めず#39 DENSO KOBELCO SC430を追いかけた立川だったが、時にはテール・トゥ・ノーズになりながらもウエイトが響いたか決め手を欠き、惜しくも再逆転はならず。結局5番手のまま81周を走り切ってチェッカーを受けた#38 ZENT CERUMO SC430だったが、ランキング2位とのポイント差を3から6に拡大、ポイントリーダーのまま次戦に臨むこととなった。

 次戦はシリーズ最長の攻防となる鈴鹿1000km。ライバル達との攻防はもちろん、真夏の酷暑との戦いという側面を持つ難戦だが、再びトップハンデをはね除けての#38 ZENT CERUMO SC430の今回同様の好レースが待たれる。


2012年 SUPER GT 第4戦 SUGO <決勝>ドライバー/立川 祐路
「真ん中から左側の視界が少し悪かったのですが、走れないほどの状態ではなかったのでなんとかなりました。ウエイトなどを考えれば、ペース的にはそれほど悪くはなかったのではという気持ちはありますが、ピットでの遅れもありましたし、周回遅れに詰まったところでストレートの速い39号車に抜かれてしまったのが残念でした。その後もなんとか抜き返そうとプッシュして、何度かチャンスはあったのですが、やはりウエイトのせいか最終コーナーでのスピードが今ひとつで勝負出来ませんでした。とはいえ5位ということで、ポイントで競っているライバルよりも前でフィニッシュ出来たことは良かったと思います。今週はもっと苦戦するかと思っていたので、事前に5位という目標を立てたのですが、実際にはさらに上を狙える状態でした。次は1000kmで長いですが、周りのマシンも段々重くなって来て、今回よりも僕らとのウエイト差も詰まるはずなので、鈴鹿でももう一度上位に食い込んで、早く上限のウエイトハンデ100kgにしたいですね」


2012年 SUPER GT 第4戦 SUGO <決勝>ドライバー/平手 晃平

「スタートは結構混戦でしたので、間合いをとって落ち着いて行こうと考えていたのですが、1コーナーで17号車に行かれてしまって。ただ、ウォームアップでも軽いライバル勢よりも速さの点で手応えがあったので、しっかり走って行けばポジションを上げて行けると思っていましたし、実際に周回遅れをうまく使いながらどんどん挽回し、最終的に4番手まで上がれたので、自分のスティントに関してはまずまずだったと思います。しかし、後ろの39号車とのギャップも広げてピットに入ったのに、作業ミスがあって……。あれがなければ、もっと前のポジションに立川さんがピットアウト出来ていて、39号車に抜かれることもなかったんじゃないかと思うと悔しいです。4位でフィニッシュ出来ていれば、ランキング2位とのポイント差もさらに2ポイント拡大出来ていたわけですし。しかし、これほど重いクルマでここまで戦えたことで、次の鈴鹿にも期待を持って臨めるんじゃないかと思います」

監督/高木虎之介
「今日のドライバーとクルマのパフォーマンスを考えれば、たぶん3位にまでは行けたように思います。しかし、残念ながらタイヤ交換に手間取ったことと、ウインドのフィルムをはがし忘れたことで7秒くらいロスしてしまったことが痛かったです。ウエイトが重かったことで、GT300を抜くことも難しかったでしょうし、ストレートの伸びも悪かったのは確かですが、7秒あれば1号車の前に行けていた可能性もあったでしょう。5位と言う結果は上出来とも言えますが、その上出来の中でもピット作業ミスは大きな反省点。年間を通じておかしてはならないミスです。そのあたりを次戦はしっかりとやれば、周囲が重くなることもありますし、次の鈴鹿もトップハンデながらも良い戦いが出来るはずだと思いますね」