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SUPER GT RACE REPORT

2012年 SUPER GT 第6戦 FUJI <決勝>

2012年9月9日(日) Final決勝レース
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/平手晃平
決勝総合結果 8位
<決勝> 天候:晴れ|コース状況:ドライ

2012年 SUPER GT 第6戦 FUJI <決勝> 土曜に行われたノックアウト方式の公式予選では惜しくもQ3進出はならず、Q2敗退となってしまった#38 ZENT CERUMO SC430。だが、9番手スタートながらも高木虎之介監督以下チームスタッフ、そして立川、平手のドライバーコンビの表情は決して暗くはない。94kgというトップハンデを背負っていること、チャンピオンシップを争う上位陣の多くが予選下位に沈んでいることを考えれば、自分達の力をしっかりと決勝で発揮出来さえすれば、必ずや好結果が手に入るとの自信がそうさせるのだ。

 だが、それだけにLEXUS TEAM ZENT CERUMOにとって決勝でのミスは絶対に許されない。各チームスタッフは高いモチベーションと緊張感を胸に、まずまずの晴天に恵まれた決勝日の清々しい朝を迎えた。

 午前9時から30分間設けられたフリー走行は、短い時間ながらも午後の決勝に向けたセットアップを確認する重要なセッション。LEXUS TEAM ZENT CERUMOは、まずは立川がステアリングを握ってセッション開始と同時にピットを飛び出して行く。

 GT500勢の中では真っ先にコントロールラインを通過し計測ラップに入った#38 ZENT CERUMO SC430。立川は1周目を1分38秒616で終えると、2周目1分36秒041、3周目1分35秒082と徐々にタイムアップ。ポジション的にも目まぐるしく変動するトップ争いに絡むパフォーマンスを見せる#38 ZENT CERUMO SC430は、午前9時07分にピットイン。ここで立川から平手にステアリングが託される。

 午前9時09分、ピットを離れた平手も連続周回に入り、1分38秒187からスタートし、1分36秒527、1分37秒040と混み合うコース上でGT300マシンをかき分けながらラップを刻んで行く。残り10分を切ってからはコース上の黄旗区間もなくなり#38 ZENT CERUMO SC430はペースアップ。平手も1分35秒台を連続して刻むなど安定したペースを披露すると、1分35秒657にまでタイムを伸ばしてそのままチェッカーを受けることに。

 最終的にこのフリー走行を8番手で終えた#38 ZENT CERUMO SC430だが、決勝を想定したロングランでもまずまずのパフォーマンスを発揮。この後行われたサーキットサファリでも立川が周回を重ねて1分35秒台の好タイムをマークし5番手につけており、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは決勝に向けて大きな手応えを得ることとなった。

 真夏を思わせる日差しの下、66周の決勝は午後2時にフォーメイションがスタートした。#38 ZENT CERUMO SC430のスタートドライバーは平手。気温29℃、路面温度45℃という暑さの中、8分間のウォームアップで決勝に向けた最終確認を終えた平手は、追い上げのレースを期してイン側9番グリッドから隊列に加わって行く。

 1周の後、レースはスタート。平手が駆る#38 ZENT CERUMO SC430も鋭い加速を見せて1コーナーへ飛び込んで行くが、ここでの混戦の中で平手を上回る好スタートを決めていた#100 RAYBRIG HSV-010に先行されてしまい、#17 KEIHIN HSV-010をかわすも平手は9番手とポジションアップはならず。しかし、2周目に1分36秒610、3周目に1分36秒382と周回ごとにペースを上げて行く平手は、4周目には1分35秒998の自己ベストをたたき出しながら8番手の#23 MOTUL AUTECH GT-Rに詰め寄って行く。

 8周目にGT300と接触した#35 KeePer Kraft SC430が後退、8番手に浮上した#38 ZENT CERUMO SC430は、このアクシデントのあおりを食ってペースの落ちた#36 PETRONAS TOM’S SC430を1コーナーで捕え、7番手に浮上。9周目には#23 MOTUL AUTECH GT-Rに抜かれた#100 RAYBRIG HSV-010が目前のライバルとなる。

2012年 SUPER GT 第6戦 FUJI <決勝> ところが、94kgというウエイトがボディブローのように#38 ZENT CERUMO SC430を苦しめる。ウエイトの影響で立ち上がり加速の伸びない#38 ZENT CERUMO SC430は、接近戦では思うようにペースを上げられず、なかなか#100 RAYBRIG HSV-010を攻略出来ない。そうするうちに、14周目には背後に迫って来た#36 PETRONAS TOM’S SC430にプリウスコーナーでかわされ9番手にドロップ。#100 RAYBRIG HSV-010を追っての苦しい攻防が続く。

 23周目、#100 RAYBRIG HSV-010が先にピットに入り、目前の開けた平手はペースアップするが、この段階で前の#35 KeePer Kraft SC430とは大きなギャップが開いている状況。それでも、タイヤマネージメントをうまくこなした平手は、次々にピットに入るライバル勢を後目にレースの折り返しとなる33周目まで最初のスティントを引っ張り、2番手まで浮上を果たして立川にバトンを繋ぐ。

 ステアリングを引き継いだ立川は、再び8番手でレースに復帰すると、37周目には#23 MOTUL AUTECH GT-Rのペナルティーストップの間に7番手に浮上。さらに上位入賞を視野に入れ、38周目には1分35秒753のベストラップをたたき出しながら前の#35 KeePer Kraft SC430とのギャップを詰め始める。

 しかし、一時は1秒ほどの差にまで詰め寄った立川だったが、前の#35 KeePer Kraft SC430も踏ん張りペースアップ。2台のギャップはこう着状態となり、周回が進むにつれ立川もウエイトの重さから来る悪影響からか、徐々にペースが鈍って来てしまう。

 それでもなんとか7番手を堅持していた#38 ZENT CERUMO SC430だったが、背後からハイペースで迫って来た#39 DENSO KOBELCO SC430の攻勢を受けることとなり、61周目まで7番手をキープし続けた立川も最後は抵抗し切れず、62周目の最終セクターで#39 DENSO KOBELCO SC430の後塵を拝することに。

2012年 SUPER GT 第6戦 FUJI <決勝> 残り5周を切って8番手に後退した#38 ZENT CERUMO SC430は、結局そのまま8位でフィニッシュ。苦しみながらも3ポイントを追加、合計獲得ポイントが50となったLEXUS TEAM ZENT CERUMOだが、2位に入った#1 S Road REITO MOLA GT-Rが58にポイントを伸ばしたため、残念ながら残り2戦となったところでランキング首位の座を明け渡すこととなってしまった。

 次戦はオートポリス。今回の富士では予想以上に決勝で苦しんでしまった#38 ZENT CERUMO SC430だが、オートポリスではウエイトが半減しての攻防となるだけに今回とは状況が異なるはず。ポイントリーダーの座を奪い返して最終戦を迎えるべく、次戦での好レースが期待される。


2012年 SUPER GT 第6戦 FUJI <決勝>ドライバー/立川 祐路
「クルマも悪くはなかったと思いますし、ウエイトを積みながらも自分なりにベストは尽くせた。チームのみんなもミス無く頑張ったと思うのですが、残念ながらそれ以上に#1 S Road REITO MOLA GT-Rや#39 DENSO KOBELCO SC430など、タイトルを争っているライバル達が速かった、ということだと思います。それほど状況は悪くはないのですが、やはりウエイトが重くなって来てからは特に決勝で苦戦していますし、結果もこのあたりのポジションということが多いように思います。ポイントでも逆転され、8ポイント差となってしまいましたが、次のオートポリスではウエイトが半減します。先日のテストでもウエイトを半減した状態で走ってみたのですが、かなりクルマの動きも変わってかなり楽になるので、次は上位を狙えると思います。また再逆転を目指して頑張るだけです」


2012年 SUPER GT 第6戦 FUJI <決勝>ドライバー/平手 晃平

「スタート直後の1コーナーはかなり混戦となっていたのでとりあえず自分のスペースを確保する形で行きましたが、そこで#100 RAYBRIG HSV-010に抜かれてしまって。その後はずっと#35 KeePer Kraft SC430や#100 RAYBRIG HSV-010との攻防が続きましたが、GT300の周回遅れをかわしながらのバトルはかなりリスキーでした。#100 RAYBRIG HSV-010もかなりタイヤが厳しそうだったのですが、どうしてもこちらは最終コーナーの立ち上がりが遅く、抜けませんでした。結果的に#100 RAYBRIG HSV-010がいなくなってからは良いペースで走れただけに、スタートで#100 RAYBRIG HSV-010に先行されてしまったのが尾を引く形となってしまったようで悔やまれます。しかし自分の仕事はしっかり出来たと思いますし、なんとかクルマの軽くなるオートポリスと最終戦で#1 S Road REITO MOLA GT-Rを逆転したいと思います」

監督/高木虎之介
「ちょっと厳しい戦いになってしまいましたが、仕方が無かったと思います。最終コーナーからの加速も悪いし、ストレートの伸びも良くなかったですから……。予選など、ニュータイヤでの一発はなんとかなっていたのですが、やはり中古タイヤで走る決勝ではウエイトが影響して、もう見た目にウチのクルマが遅いのが分かるほどでした。ドライバーにとってはストレスの堪る状況で苦しかったと思いますし、その状況の中でどれだけ上に食い込めるか、という戦いでしたが、8位ということで残念ながらポイントリーダーの座も奪われてしまいました。オートポリスでのテストも悪くなかったようですし、軽くなったクルマでなんとかポイント差を詰めて最終戦に臨めるように持って行きたいですね」