1. HOME > 
  2. SUPER GT > 
  3. 2012年第7戦

SUPER GT RACE REPORT

2012年 SUPER GT 第7戦 AUTOPOLIS <決勝>

2012年9月30日(日) Final決勝レース
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/平手晃平
決勝総合結果 7位
<決勝> 天候:雨〜曇り|コース状況:ウェット〜セミウェット

2012年 SUPER GT 第7戦 AUTOPOLIS <決勝> 今大会からハンディキャップウエイトが50kgに半減され、やや身軽になった#38 ZENT CERUMO SC430。前日の雨の予選では新たなウエットセットアップの方向性を試したことが奏功したか、見事ノックアウト予選でQ3に進出し2列目4番グリッドを獲得してみせた。これまで苦戦していたウエットでの好パフォーマンスに加え、チャンピオンシップ上の最大のライバルである、ポイントリーダーの#1 S Road REITO MOLA GT-Rが予選10番手と、#38 ZENT CERUMO SC430よりも後方からのスタートとなったことにより、土曜のLEXUS TEAM ZENT CERUMOのスタッフたちは前戦富士で逆転されたタイトル争いでの再逆転に向けて大きな手応えと可能性を感じることとなった。

 台風17号が九州の南海上を四国方向へと移動する中、決勝の行われる日曜朝のオートポリスもすっきりとした天候というわけにはいかず、細かい霧雨が吹き付ける中、立川、平手の両ドライバーも強風の中傘を差しながらのパドック入り。霧の中でサポート開催のヴィッツレースが終わると、いよいよ30分間のフリー走行がWET宣言の出される中、午前9時20分からスタートした。

 ホームストレートから3コーナーのあたりまで霧が立ちこめ、視界が悪い中気温16℃、路面温度17℃でセッションが始まったが、平手がステアリングを握った#38 ZENT CERUMO SC430は、開始と同時にコースイン。計測1周目を1分58秒898とすると、さらに翌周には1分56秒942をマークする。ところが、ここで3コーナーでGT300車両がコースアウトをしてしまい、セッションは僅か8分ほどで赤旗に。

 さらに霧による視界不良が改善しないことから、主催者はこの中断の再開を見合わせることとなったが、状況はかわらぬまま約20分が経過。結局このままフリー走行は終了とし、午前11時から改めて30分間のフリー走行が設けられることが発表されたが、この後霧は濃くなる一方で状況が改善しないまま午前11時となり、最終的にフリー走行自体がキャンセルとなってしまった。

 しかし、お昼頃には霧も晴れ始め、決勝レースは予定通り午後2時にスタートを迎えることとなったが、相変わらず肌寒く雨がぱらつくような状況とあって路面はウエット。このため、レースはセーフティーカー先導でのスタートに変更された。

 #38 ZENT CERUMO SC430のスタートドライバーを務めるのは平手。平手は溝の浅いインターミディエイトを履き、セーフティーカー先導のもと、65周の決勝レースを4番グリッドからスタートして行った。

 セーフティーカーがピットに入り、2周目から本格的なレースがスタート。平手はポジションキープの4番手で事実上のオープニングラップを終えると、前を行く#24 D’station ADVAN GT-Rを追走していく。

 1分49秒台から48秒台へとペースを上げつつ、3番手の#24 D’station ADVAN GT-Rにプレッシャーをかけて行く平手は、コンマ数秒差のテール・トゥ・ノーズの攻防を続けるが、12周目に4コーナーでGT300車両がクラッシュ。このため再びセーフティーカーが導入されることに。

 17周目にレースはリスタート。この頃から雨がやや強まるなどコンディションは不安定になるが、溝の深いウエットタイヤを履いている前の#24 D’station ADVAN GT-R、#19 WedsSport ADVAN SC430といったヨコハマ勢はペースが良く、逆に平手は周回遅れにも行く手を阻まれるなど、徐々にペース的に苦しい状況に追い込まれてしまう。

2012年 SUPER GT 第7戦 AUTOPOLIS <決勝> それでも4番手をキープし続けた平手は、28周目に#23 MOTUL AUTECH GT-Rがピットインしたことで3番手に浮上。しかし、後方から驚異的なペースで追い上げて来た#32 EPSON HSV-010に屈し、30周目には再び4番手に。

 こうした状況から、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは65周レースの折り返しとなる33周目に平手をピットに呼び寄せる。素早く給油とタイヤ交換を終えたスタッフは、無事ミスのない作業で立川をコースに送り出す。

 8番手でコースに復帰した#38 ZENT CERUMO SC430だったが、ひとつ誤算だったのは24周目と早い段階で先にピット作業を終えていた#1 S Road REITO MOLA GT-Rがこの間に先行してしまったこと。5番手#39 DENSO KOBELCO SC430と競り合いながら6番手を行く#1 S Road REITO MOLA GT-Rに詰め寄るため、8番手の立川は前の#100 RAYBRIG HSV-010を攻略すべくプッシュしていく。

 37周目、#1 S Road REITO MOLA GT-Rと競り合っていた#39 DENSO KOBELCO SC430がピットインしてしまったため、7番手に浮上した立川は雨が強まる中、コンマ数秒差で前を行く#100 RAYBRIG HSV-010にプレッシャーをかけて行くと、41周目の第2ヘアピン立ち上がり加速でこれを捕え、#1 S Road REITO MOLA GT-Rに次ぐ6番手につける。

 しかし、この時点で既に#1 S Road REITO MOLA GT-Rとは20秒近いギャップが開いてしまっていたことに加え、レース終盤に向け徐々に立川のタイヤの消耗が進み、ペースが思うように上げられない状況になってしまう。なんとしても#1 S Road REITO MOLA GT-Rを捕え、自力で逆転タイトルの可能性を引き寄せたい#38 ZENT CERUMO SC430だったが、#1 S Road REITO MOLA GT-Rのペースは非常に速く、必死のドライブを見せる立川の奮闘も届かない。

 一時は5番手まで追い上げた立川だったが、結局#38 ZENT CERUMO SC430はファイナルラップに力尽き、#39 DENSO KOBELCO SC430と#23 MOTUL AUTECH GT-Rに相次いで先行されることとなり、7位でフィニッシュ。#1 S Road REITO MOLA GT-Rがファイナルラップに逆転優勝を飾ったため、#38 ZENT CERUMO SC430の最終戦での逆転タイトルの可能性は潰えてしまった。

 最後まで逆転でのタイトル獲得を信じて疑わなかったLEXUS TEAM ZENT CERUMOにとっては悔やみ切れない一戦となってしまったが、この悔しさをバネに、最終戦のもてぎでは来季のタイトル奪還に向けた礎となるレースでシーズンを締めくくってもらいたい。


2012年 SUPER GT 第7戦 AUTOPOLIS <決勝>ドライバー/立川 祐路
「チーム一丸となって、みんなが精一杯頑張ったのですが……。誰がミスをしたということもありませんでしたし、本当にチーム全員が全力で戦い、自分たちの持てる力を出し切ることが出来たとは思いますが、残念ですが、今日は1号車には対抗出来る状況にはなりませんでした。39号車がピットに入り、自力で100号車をパスしたことで、ひとつ前のポジションに1号車がいるという状況になりましたが、その時点で大きなギャップがついてしまっていましたし、それを縮める術がありませんでした。とても悔しい結果ですが、最終戦のもてぎでは来季のタイトル獲得のために繋がるような良いレースをし、優勝してシーズンを終えたいと思います」


2012年 SUPER GT 第7戦 AUTOPOLIS <決勝>ドライバー/平手 晃平

「スタートから前を行く23号車と2台のヨコハマ勢を追う展開となったのですが、序盤はペースの遅かったヨコハマ勢が、タイヤが温まって来たのか途中からペースが良くなってからは引き離されてしまって。途中でペースの落ちた23号車に比べれば自分の方がペースが良かったようには思いますし、できればもう少しピットインを引き延ばして立川さんに繋げたかったという気持ちもありましたが、GT300の周回遅れに引っ掛かることもありましたし、最後はちょっとキツかったですね。その時点ではHSV勢が1号車を抑えてくれていたので、単独になった1号車がどれくらいのペースで来るのかが読めなかった部分はありましたが、悔しいレースになってしまいました。チャンピオンはもう無くなってしまいましたが、とにかく最終戦は勝って気持ち良く終わりたいですね」

監督/高木虎之介
「苦しいレースになってしまいましたが、チームの採った作戦的には良かったんじゃないかと思います。ただ、終盤のあと2〜3周というところでタイヤが厳しくなってしまったという部分があったので、結果としては平手の最初のスティントでもう2〜3周引っ張っておきたかったですね。後半スティントは状況的に厳しいだろうなということは予想出来ていたので……。しかし、それでもほとんどのマシンが後半苦しんだ状況を考えれば、あそこまで良く頑張ったほうだと思います。ドライバーは最後まで良く頑張ってくれたと思います。残念ながらタイトル獲得はなりませんでしたが、ウエイトハンデがゼロになる最終戦では是が非でも今季2勝目を飾りたいですね」