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SUPER GT RACE REPORT

2015年 SUPER GT 第3戦 THAILAND <決勝>

2015年6月21日(日) Final決勝レース
ZENT CERUMO RC F#38 立川祐路/石浦 宏明
決勝総合結果 DNF
<決勝> 天候:晴れ|コース状況:ドライ

2015年 SUPER GT 第3戦 THAILAND <決勝> 前日の公式予選では、見事に立川が自身の持つ最多記録を更新、20回目のポールポジションを獲得した#38 ZENT CERUMO RC F。前戦富士ではノーポイントに終わっているだけに、最前列からのスタートとなるこの日の決勝では是が非でも表彰台、さらには勝利を掴みたいところ。LEXUS TEAM ZENT CERUMOは、高いモチベーションとともに決勝日の朝を迎えた。

 前日よりはやや雲が増えた日曜の午前9時50分。気温32℃、路面温度38℃というコンディションで、30分間のフリー走行が始まった。もちろん、路面はドライコンディションだ。

 このセッション開始と同時に、#38 ZENT CERUMO RC Fを駆ってコースインしたのは立川。決勝に向けてセットアップなどのメニューをこなすべく、#38 ZENT CERUMO RC Fは早々に連続周回に入る。

 3周目に30秒台を切り、1分29秒802を刻んだ立川は7周目、午前10時01分には1分27秒422にタイムを上げこの時点で7番手に。時折トラフィックに悩まされながらも、立川はそのまま午前10時10分まで連続で周回し13周を刻んでピットに向かう。

 実戦さながらのドライバー交代とピット作業を終え、今度は石浦がピットアウト。石浦は計測1周目に1分26秒959の好タイムをマークすると、立川同様に午前10時20分のチェッカー提示までしっかりと周回を重ね、結局#38 ZENT CERUMO RC Fはこのセッションを7番手で終えることとなった。

 午後の決勝に向け、このセッションでまずまずの手応えを得たLEXUS TEAM ZENT CERUMOは、続いて午前10時30分から行われたサーキットサファリの時間帯に、さらに確認作業を行うべく立川がピットを離れる。ところが、コースイン直後の2コーナーへと向かうストレート区間で#38 ZENT CERUMO RC Fは駆動系トラブルに見舞われてしまい、立川はやむなくアウト側コースサイドにマシンを止めることに。

 残念ながらこのサーキットサファリの時間帯にはまったく走行出来なくなった#38 ZENT CERUMO RC Fだったが、もしこのトラブルが決勝で発生していれば、レースを失わざるを得ない状況だっただけに、早めにトラブルが起こってくれたことをポジティブに捕らえ、ピットに帰還した立川も笑顔を見せるなど、引き続きチームはリラックスした雰囲気のまま、いよいよ午後の決勝レースを迎えた。

2015年 SUPER GT 第3戦 THAILAND <決勝> メカニックの努力により無事トラブルを解消、決勝を前に行われた午後1時50分からの8分間のウォームアップには立川のドライブで元気にコースインした#38 ZENT CERUMO RC F。さらに午後2時10分には、GT300のポールシッターに続いて、GT500のポールシッターとしてダミーグリッドへ最後に向かっていった。

 そしていよいよ午後3時に決勝のフォーメーションラップがスタート。ポールポジションから隊列のトップに立って、立川の駆る#38 ZENT CERUMO RC Fが動き出す。1周の後、66周の決勝レースが始まった。

 ポールポジションの立川は、鋭く加速を決めると難なく1コーナーを制してトップをキープ。2番手には同じレクサス勢の#36 PETRONAS TOM’S RC Fがつけ、その背後には#46 S Road MOLA GT-Rが続く。オープニングラップをトップで終えた立川は、後続とのギャップを築くべくプッシュ。4周目には#46 S Road MOLA GT-Rが2番手に浮上するも、4周目に1分27秒255、5周目に1分27秒173とペースを上げた#38 ZENT CERUMO RC Fは、早々に2秒以上のマージンを稼ぎだす。この頃には早くもGT300の周回遅れが立川の行く手に現れるが、それでも#46 S Road MOLA GT-Rとのギャップを拡大した#38 ZENT CERUMO RC Fは、10周目にはリードを5秒2とする。

 ところが、16周目にインフィールドで周回遅れに詰まった#38 ZENT CERUMO RC Fは、一気に3秒近くロス。このため、#46 S Road MOLA GT-Rは一気に立川の背後に迫ってくることに。ストレートの速い#46 S Road MOLA GT-Rに対し、立川は21周目に1分27秒102の自己ベストをマークするなどペースを上げるが、#46 S Road MOLA GT-Rとの攻防は、テール・トゥ・ノーズの厳しいものとなって行く。

 25周目には2コーナーでいったん#46 S Road MOLA GT-Rに先行されるも、クロスラインで再逆転した立川だったが、最終コーナー手前の区間で周回遅れに詰まったところを#46 S Road MOLA GT-Rに突かれ、ついに首位の座を明け渡す立川。しかし、29周目には逆に#46 S Road MOLA GT-Rが8〜9コーナーで周回遅れに詰まったところを立川が突いて再逆転するなど、3位以下を置き去りに見応えある首位攻防戦が展開される。

 34周目に再び2コーナーで#46 S Road MOLA GT-Rにかわされた立川だったが、その翌周の35周目にLEXUS TEAM ZENT CERUMOは立川をピットに呼び寄せ、後半スティントでの逆転を石浦に託すこととなった。

 コースに復帰した石浦だったが、#46 S Road MOLA GT-Rとの間にタイヤ無交換作戦を採った#36 PETRONAS TOM’S RC Fが入ってしまうも、ペースに勝る石浦は39周目の8コーナーで#36 PETRONAS TOM’S RC Fを捕らえ、#46 S Road MOLA GT-Rを追う2番手に浮上を果たす。

 しかし、さあこれからというところで#38 ZENT CERUMO RC Fを不運が襲う。43周目の2コーナーでブレーキに異常を感じた石浦は、その後のいくつかのコーナーをだましだまし走行していたが、強くブレーキングする8コーナーで完全にブレーキが抜けてしまう。

 咄嗟の判断でスピンさせてアクシデントを避けた石浦だったが、なんとかピットに帰還を果たしたものの、残念ながら#38 ZENT CERUMO RC Fはそのままガレージへ。結局戦列復帰は果たせず、そのまま無念のリタイアとなってしまった。

 良い流れで優勝を争える手応えがあっただけに悔しいトラブルではあったが、昨年苦戦を強いられたこのタイで改めて#38 ZENT CERUMO RC Fの速さを再確認できたことを糧に、#38 ZENT CERUMO RC Fには次戦富士での凱歌を期待したい。

ドライバー/立川 祐路
 「周回遅れの出現が展開に影響したのは事実ですが、それがGTですから。ずっと争っていた46号車の本山選手も同じように周回遅れに行く手を阻まれたりして、そこを僕が突いて再逆転したりもあったので、そのあたりはイーブンだったと思います。GT-Rにストレート区間で負けていたので苦しかったのは確かですが、決勝でのクルマもタイヤも良かったですし、さすが本山選手というか、お互い頭を使った楽しいバトルが続けられました。2番手に後退はしましたが、同じ位置を走っていれば後半スティントで石浦が再逆転してくれるはずと読んでいたのですが、予想外のトラブルが起きてしまって……。勝てる可能性のあったレースを落としてしまったのは非常に悔しいですが、この想いを次の富士にぶつけたいと思います」

ドライバー/石浦 宏明
「あの周の2コーナーでブレーキペダルが突然奥に入ったので、ピットに無線で状況を伝えつつ、なんとか走り続けようとしたのですが、8コーナーで完全に抜けてしまって……。正面からバリアに突っ込んでしまうと思ったので、やむなくスピンさせてマシンを止めました。タイヤ無交換作戦で先行された36号車を早めに抜くことができましたし、チェッカーまでに46号車に追いつける自信があっただけに残念ですが、次の富士で必ずリベンジ出来るよう頑張ります」

監督/高木虎之介
「これまでブレーキのトラブルはありませんでしたし、暑いセパンのテストでも問題はなかったので、なぜ今回トラブルが起きてしまったのか……。昨日の予選、そして今日の決勝前半を見る限り、勝てそうな流れが来ていたと思うのですが、それを活かせなかったのは残念です。しかし、トラブルが起きてしまったものは仕方ありませんから、チームとしてそこをしっかりと対策してもらうしかないでしょう。今回ストレートスピードが遅いという懸念材料がありましたが、富士ではそのあたりを改善出来るよう一丸となって頑張らないと。前戦と今回、既に2戦を落としているので次の富士では勝つしかないですね」