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SUPER GT RACE REPORT

2016年 SUPER GT 第1戦 OKAYAMA <決勝>

2016年4月10日(日) Final決勝レース
ZENT CERUMO RC F#38 立川祐路/石浦 宏明
決勝結果 6位
<決勝> 天候:曇り|コース状況:ドライ

 岡山国際サーキットで「なぜか」決まらぬフィーリングに悩まされた公式予選から一夜明け、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは決勝での巻き返しを期して4月10日(日)の決勝日に乗り込んだ。この日の岡山の天候は曇天。昨日はまるで初夏のような暑さとなったが、それほど気温は上がらない朝となった。

 チームは午前9時から行われた30分間のフリー走行で、82周と長丁場の決勝に向け、ガソリンを積んだ状態でのZENT CERUMO RC Fのチェックを行った。石浦宏明がステアリングを握りコースインし、9時11分にはNo.8 NSX CONCEPT-GTのスピンにより、また21分にはGT300クラスのNO.5 86MCのクラッシュにより赤旗が提示されるが、着々とメニューをこなしていく。

2016年 SUPER GT 第1戦 OKAYAMA <決勝>  石浦は4周目には1分24秒744、さらに24秒428とタイムを刻んでいき、9周目には1分22秒039というベストタイムをマークし、タイミングモニターのトップにZENT CERUMO RC Fの名を刻む。その後2回目の赤旗とともに立川祐路に交代。その後他車のタイムアップもあったが、立川は1分23秒144というベストタイムを記録。このフリー走行は13周をこなし、5番手で終えた。昨日の状態に比べてもZENT CERUMO RC Fのフィーリングは好転しており、決勝を前にしたピットウォークでは4月23日が誕生日の石浦宏明と、4月15日が誕生日の佐藤正幸代表の誕生日パーティも行われ、チームの雰囲気も午後に向けて明るくなっていった。

 1万9000人という来場者が詰めかけ、多くのファンがグランドスタンドを埋めるなか、14時40分、決勝スタートのときを迎えた。石浦がスタートドライバーを務めたZENT CERUMO RC Fは、予選順位と同じ7番手のままオープニングラップを終えると、前を行く6番手No.38 RC F、さらに5番手No.12 GT-Rと一団状態になり、テール・トゥ・ノーズのバトルを展開していく。しかし、後方からペースに勝るNo.19 RC Fが迫る。前が詰まっている状態で石浦は抵抗しきれず、7周目の1コーナーでNo.19 RC Fの先行を許す。ただ、石浦はその後8番手のポジションを維持し、GT300クラスのマシンをうまく処理しながら上位グループを追った。

2016年 SUPER GT 第1戦 OKAYAMA <決勝> そんななか、石浦はタイヤに少しずつグリップダウンの兆候を感じ取る。これ以上いくとタイムロスになるかも……!? と感じたところで、タイミング良くピットインの無線が入る。石浦は35周を終えピットに向かい、立川にドライバー交代。チームは迅速に作業を行い、ZENT CERUMO RC Fをふたたびコースへ送り出した。

 チームの素早い作業、タイムロスをなくしたピットインタイミングと作戦が奏功し、ライバルがピット作業を終えるとZENT CERUMO RC Fは5番手にポジションを上げていた。ただ、トップ4台とはややタイム差があり、立川は首位とのギャップを縮めようと奮闘するが、後方から同じタイヤを履くNo.12 GT-Rが接近。61周目にはテール・トゥ・ノーズとなっていく。

 立川は絶妙のラインどりでNo.12 GT-Rにオーバーテイクをさせまいと奮闘するが、72周目の1コーナーでNo.12 GT-Rにオーバーテイクを許してしまった。その後、立川は47周という長丁場を走ったタイヤを労りながら、6位でチェッカーフラッグを受けた。

 苦しい状態での走り出しから考えれば、この6位という結果でポイントを獲得したことをチームは前向きにとらえている。次戦、富士スピードウェイでのレースは公式テストでも好結果を残していたコースだけに、LEXUS TEAM ZENT CERUMOはホームコースでの勝利を狙っていく。



2016年 SUPER GT 第1戦 OKAYAMA <決勝>ドライバー/立川 祐路
 「シーズンオフはかなりテストで走り込みましたが、これだけ長く連続周回はしないので、ひさびさにこれだけ走るとかなり長く感じましたね。ピットのタイミングや作業の早さでポジションを上げることができましたが、終盤タイヤも厳しくなってきたところで12号車が接近してきて、前に出られてしまったのは残念でした。ただ、今週末はクルマの状態があまり良くなかったので、厳しいながらもポイントをきっちり獲ることができたのは、この状況のなかでチームが最大限のことができた結果だと思いますので、前向きに評価したいと思います。長いシーズンでチャンピオンを獲るためには、いいときばかりではないので、こういうときにもしっかりポイントを獲ることが大事ですから。とは言え、これは嬉しい結果ではありません。やはり勝ちたい。富士はテストでも調子が良かったので、それを再現できるようなレースにしたいですね。」

ドライバー/石浦 宏明
「序盤、GT300クラスの処理のなかで引っかかってしまい19号車に前に行かれてしまいましたが、1スティントが長いこともあり、どこかでチャンスが来ると思っていました。ただ、予想以上に自分のタイヤもグリップダウンがあり、GT300クラスとのめぐり合わせによっては前に追いつくのですが、仕掛けるほどの余力がなかった状態でした。とはいえピット戦略もありますし、可能な限りプッシュしていきましたが、ちょうど前にGT300クラスの集団がいて、『この周にピットに入れたら』と思っていたタイミングでチームがピットに呼んでくれたんです。その判断は良かったと思います。ピット作業も速かったですし、いい点は多くありましたが、自分がポジションを上げることができなかったのは少し残念ですね。岡山はテストからあまりクルマが良くない状態で、そのなかでポイントを獲得できたのは良かったですけど、レクサス勢では37号車が2位に入っていますし、もっと速さを追求しないといけないと思っています。富士に向けてタイヤメーカーとともに、もう一度しっかり準備していきます。」

監督/高木虎之介
「苦しいなかでのレースでしたが、今日良かったのはピットで確実に作業をこなし、ポジションを上げることができた点ですね。タイミングも絶妙でしたし、ドライバーもアウトラップをがんばってくれました。終盤、12号車が速くてポジションを譲ってしまいましたが、あれは仕方ないと思います。今後の課題として、12号車が同じタイヤを履いていたので、最後まできっちりともたせるセットを追求しなければいけないと思います。この状況で、この順位で終わることができたのは良かったです。このレースで見えたことも多くあるので、富士ではもっと上位を目指していきます。」