1. HOME > 
  2. SUPER GT > 
  3. 2011年第7戦

SUPER GT RACE REPORT

2011年 SUPER GT 第7戦 AutoPolis <予選>

2011年10月1日(土) Qualify 予選
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/平手晃平
公式予選総合結果10位(1分41秒112)
< 公式予選 > 天候:晴|コース状況:ドライ

2011年 SUPER GT 第7戦 AUTOPOLIS <予選> 前戦富士では見事な終盤の逆転劇で、今季初優勝を飾ったLEXUS TEAM ZENT CERUMO。ランキングも6 位に浮上し、大詰めを迎えつつあるチャンピオンシップ争いにおいて、状況は厳しいながらも逆転タイトルに向けた体勢を整えることとなったが、第7 戦の舞台は九州・大分県の阿蘇外輪山にあるオートポリス。アップダウンに富み、テクニカルな山岳コースとして知られるオートポリスは、路面がバンピーでタイヤへの攻撃性の高いサーキット。難しい戦いになるという予想はあったものの、チームは前戦でさらに高まったモチベーションを胸にレースウィークを迎えた。

 搬入日となった金曜の熊本地方は雨もようとなったものの、土曜のオートポリスは朝から爽やかな快晴に恵まれる。気温18 度、路面温度22 度という高原特有の涼しさの中、午前9 時ちょうどに公式練習がスタートした。

 昨年はスーパーGT の開催がなく、2 年ぶりとなるオートポリスは、普段からあまり大きなレースが開催されていないこともあり、走行開始直後の路面状況はかなり悪いであろうということで、チームはセッション序盤はピットで待機。このため立川が#38 ZENT CERUMO SC430 のステアリングを握ってピットを離れたのは、午前9 時24 分のことであった。

 ピットアウトした立川は、1 分47 秒台のゆっくりとしたペースでタイヤを温めると、計測3 周目に1 分43 秒729をマークしてピットへ。この段階での#38 ZENT CERUMO SC430 はまだ10 番手というポジションだ。

 午前9 時39 分、再びコースインした立川は、1 分43 秒299 とややタイムを上げて再びピットに戻り、セットアップを進めて行く。この後、1 分43 秒266 へと再びタイムを削った立川だったが、上位陣は1 分40〜41 秒台をマークしており、ややアンダーステアにてこずっている#38 ZENT CERUMO SC430 のポジションは14 番手という状況。

 細かくピットイン&アウトをこなしながら、セットアップを進めて行った立川は、午前10時17分に1分42秒467をマークし、ようやく8 番手に浮上することに。

 セッション終盤までセットアップ修正に時間を割いた立川は、残り8 分となったところで平手にバトンタッチ。平手もゆっくりとしたペースで周回を重ね、フィーリングチェックを行うとそのままチェッカーを受ける。結局、このセッションを8 番手で終えた#38 ZENT CERUMO SC430 は、昼からの予選1 回目に臨むこととなった。

 やや気温、路面温度ともに上昇して迎えた午後零時からの予選1 回目。ここではドライバーふたりの基準タイムクリアはもちろん、夕方に行われるスーパーラップ進出を果たすためにトップ10 に入らなければならない。

 セッションスタートと同時にコースインした#38 ZENT CERUMO SC430 は、まずは平手がGT300 との混走時間帯を使ってフィーリングの確認と、基準タイムのクリアを行う。しかし、なかなかクリアに恵まれなかった平手は、2 周目に1 分45 秒164 をマークも、その後はタイム更新出来ないまま午後零時13 分にピットへ。チームは、このタイムでもなんとか基準タイムはクリア出来たものと判断、そこから#38 ZENT CERUMO SC430 のステアリングを立川に委ねることに。

 2011年 SUPER GT 第7戦 AUTOPOLIS <予選> ピットアウトした立川は、午後零時21 分に1 分42秒644 へとタイムアップし、#38 ZENT CERUMOSC430 のポジションを3 番手に押し上げる。しかし、その後ライバル勢のタイムアップもあり、混走時間帯を終えた段階で、#38 ZENT CERUMO SC430 は7番手。

 GT300 の占有時間帯の間に、ラスト10 分のGT500 占有時間帯に向け、セットアップにさらに修正を加えたLEXUS TEAM ZENT CERUMO はタイミングを計ってGT500 ボードが提示されてから約3 分待機したのち、いよいよ午後零時38 分にピットを離れた。

 ニュータイヤでコースインした立川は、ゆっくりとタイヤを温めると渾身のアタックを開始するが、ここで第2 ヘアピン以降のセクター3 で、タイヤを温めている#12 カルソニック IMPUL GT-R に行く手を阻まれてしまう。 本来ならさらにタイムアップ出来たはずのラップを1 分41 秒867 で終えた#38 ZENT CERUMO SC430 は、その時点の5 番手に。しかし、#12 カルソニック IMPUL GT-Rにかなり接近した状態で翌周に突入したため、やむなく間隔を空けるために次周を2 分00 秒559 とした立川は、ラスト1 周にタイムアップを賭ける。しかし、残念ながら既にタイヤの良い状態は終わっており、ラストアタックも1 分42 秒159 とタイムアップは果たせず、チェッカーを
受けた段階でのポジションは10 番手。ぎりぎりトップ10 を死守したかと思われたが、その直後に#24 ADVAN KONDO GT-R が1 分41 秒460 をマークし、#38 ZENT CERUMO SC430 を上回って10 番手に飛び込んでしまう。

  予想外の11 番手でスーパーラップ進出を逃し、ピットに戻るや否や走路を塞がれたことに対して怒りをあらわにした立川。しかし、最後の最後に#38 ZENT CERUMO SC430 をはじき出す格好になった#24 ADVAN KONDO GT-R は、第2 ドライバーのビヨン・ビルドハイムが基準タイムをクリア出来ていないことが判明。このため、#38 ZENT CERUMO SC430 は10 番手ながらもスーパーラップ進出を無事に果たすこととなった。

 GT300 のスーパーラップが終わり、午後3 時17 分にスタートしたGT500 のスーパーラップ。トップバッターとしてコースインした立川は、静まりかえったオートポリスのコースを独り占めするかのように1 周、2 周とゆっくりとタイヤを温めペースアップ。そして満を持してライトオンした3 周目、#38 ZENT CERUMO SC430 は渾身のアタックに入る。

 セクター1 を19 秒824 でクリアした立川は、テクニカルなセクター2 を33 秒088 として、つづら折りの登り区間の続くセクター3 へ。ミスなくこの最終セクションをクリアした#38 ZENT CERUMO SC430 のタイムは、1 分41 秒112。もちろんこの時点でのトップタイムとなるわけだが、残念ながら後続のマシンたちが続々と好タイムをマーク。最終的に#38 ZENTCERUMO SC430 は、10 番手から明日の決勝をスタートすることとなった。

2011年 SUPER GT 第7戦 AUTOPOLIS <予選>ドライバー/立川 祐路
「今日は走り始めからオートポリスには珍しく、アンダーステア傾向が強かったですね。その修正にかなり時間を費やしましたが、予選1 回目はもちろんスーパーラップでもその傾向が残っている状態でのアタックでしたので、その割にはタイムが出た方ではないかと思いますし、そういう点でそれほど悲観的にはなっていません。特にリヤタイヤに厳しいこのサーキットで、これほどリヤタイヤが持ってしまう状況は、長丁場の決勝を考えるとポジティブに捉えることも出来ますね。まぁ、もうちょっと曲がってくれても良いようには思いますが(笑)。ただ、明日は前回の富士のように、レース後半に周囲が厳しくなって来た状況でも自分たちが余力を持って戦えるのではないかと期待しています」

2011年 SUPER GT 第7戦 AUTOPOLIS <予選>ドライバー/平手 晃平
「予選1 回目の混走時間帯では、早々に基準タイムをクリアしてピットに戻るつもりだったのですが、変な場所でことごとくGT300 に引っ掛かってしまって、このままでは基準タイムがクリアできないのでは、とちょっと焦りました。
クルマのバランス的にアンダーステアだったので、リヤタイヤのことをあまり気にせず走れるな、と思っていたのにタイヤが良い状態のときに満足にアタック出来なくて……。ただ、今日はクルマに乗っていてもそれほど悪いフィーリングではなく、リヤがどっしりしているのでその点はレースに向けて好材料だと思います。明日のフリー走行で、もう少し回頭性を上げるようにして行けば、良い戦いが出来るように思いますね」

監督/高木虎之介
「走り始めはまずまずだったのですが、路面が徐々に出来て来るに従ってクルマがアンダー気味になっていったようですね。結果的に今日はその部分を修正し切れていなかったために、予選での一発のタイムが出なかったのだと思います。もちろん明日はスタートしてみなければ分からない部分もありますが、このオートポリスはタイヤに非常に厳しいところですし、現状のクルマは予選のタイムは出なかったものの、逆に決勝では良いかもしれないと期待を持ちながらポイントを狙いたいと思います。今のクルマやタイヤの状況を考えると、戦略的にも正攻法で戦えるのではないかと思いますし、10 番手スタートですが良いレースが出来るはずと考えています」