2009年 SUPER GT 第3戦 FUJI <予選>
2009年5月3日(日) Qualify 予選
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/リチャード・ライアン
総合予選結果:9位 (1分35秒579)
< 公式予選 > 天候:晴れ コース状況:ドライ
全国各地に行楽地に家族連れが足を運び、各高速道路が渋滞するゴールデンウィーク。その真っ只中となる5月3日、2009スーパーGTの第3戦が富士スピードウェイで公式予選日を迎えた。通常なら土曜に行われる公式予選だが、ゴールデンウィークとあって今大会は変則的な日~月の2日開催。前戦鈴鹿で劇的な逆転優勝を飾った#38 ZENT CERUMO SC430は、堂々たるポイントリーダーとしてレースウィークに臨んだ。 爽やかな天候に恵まれた土曜。時折強めの日差しがコースに照りつける中、気温18℃、路面温度24℃のドライコンディションで午前9時15分にスタートした公式練習。まずは立川がステアリングを握った#38 ZENT CERUMO SC430は、セッション開始とともにコースイン、マシン各部のチェックを行うといったんピットに帰還。ここで約10分ほどピットでコンディションの好転を待った立川は、再びコースイン、セットアップの調整とタイヤ評価に取り掛かる。しかし今大会で#38 ZENT CERUMO SC430は、前回優勝したことによりトップハンデとなる50kgを搭載する上、09仕様となってから初の高速で知られる富士大会とあって、ローダウンフォースセッティングの煮詰めなどセッティングに時間を割くこととなるが、滑りやすい路面コンディションもあいまってなかなか思うように行かないマシンに、コクピットでの立川、竹内監督以下スタッフたちの表情もすぐれない。途中でステアリングを引き継いだライアンも、コースイン直後の1~2コーナーでまさかのスピンを喫するなど、結局このセッションはクラス12番手に終わることに。
公式練習の走行データを元にセッティングを修正し、迎えた午後1時40分からの公式予選1回目。まずは序盤の混走時間帯に立川がコースイン、1分36秒 848をマークして4番手とすると、すぐさまステアリングはライアンにゆだねられる。コースに出たライアンは、GT300マシンなどを掻き分けつつ、3周目に1分37秒506をマークすると、これで基準タイムクリアは充分とピットイン。ピットでマシンを降りたライアンは、モニターで自分のタイムを確認すると、立川にバトンタッチする。
やや混走時間帯を残しピットインした#38 ZENT CERUMO SC430のポジションは、この段階で10番手。時間が進むにつれ、さらにポジションは降下して13番手でGT300の占有時間帯に突入することになるが、最後のGT500占有時間帯でのポジション浮上に賭け、チームスタッフが慌しくピット内で準備にいそしむ。
そして迎えた午後2時17分。ウォールで竹内監督が見守る中、立川がニュータイヤを履いてコースへと飛び出して行く。#38 ZENT CERUMO SC430を見送ると、ピット内のモニターを食い入るように見つめるスタッフたち。
まずはタイヤを温めつつ、1分38秒961というゆっくりとしたラップを刻んだ立川。しかし翌周、満を持してのアタックラップに挑んだ立川は、一気にタイムを更新する1分35秒579をたたき出し、残り3分を切った段階で3番手まで#38 ZENT CERUMO SC430を押し上げる。一瞬安堵の表情が浮かんだスタッフたちだったが、激戦のGT500クラスでは他車も同様にアタック中とあって、見る間に#38 ZENT CERUMO SC430のポジションは下がっていってしまう。渾身のラップを刻んだ立川だったが、ライバル勢のタイムアップは織り込み済みで、ベストタイムを更新した翌周も、#38 ZENT CERUMO SC430に鞭を入れてタイムアタックを継続。しかし、タイムは1分35秒614とわずかにタイムアップはならず。「さすがにタイヤの“おいしい”状況は、2周は続かなかったか……」とコクピット内で悔しさをにじませた立川だったが、残り1分を切ったところで、他車がタイムアップを果たしたためスーパーラップ進出圏内である8番手以内からはじかれ、#38 ZENT CERUMO SC430は9番手に。
ここで立川のラストアタックが期待されたが、残念ながらタイヤを消耗した#38 ZENT CERUMO SC430にはその余力はなく、立川はアタックを終了しピットイン。立川同様に悔しさをにじませてモニターを見つめる竹内監督、そしてスタッフたち。惜しくも9番手でこのセッションを終えた#38 ZENT CERUMO SC430は、この時点でスーパーラップ進出を逃し、明日の決勝を9番グリッドからスタートすることとなった。
ドライバー/立川 祐路
「ちょっと朝からセットアップがうまく行かなかったですね。過去2戦と異なり、この富士では特殊なローダウンフォースセッティングが不可欠なのですが、ウエイトも含めて、そこへの合わせ込みが今ひとつでした。しかし、明日は400kmといつもより長丁場ですし、スーパーラップ進出を逃したものの、そのお陰で決勝スタート時に履くタイヤの自由度が増したと言うポジティブな部分もあります。さらに明日の決勝は2回ピットインしてドライバー交代をしなければならないということで、おそらく僕がスタートと最後を受け持つことになると思うので、スタートからガンガン行って、最後にまたいい展開に持ち込めればうれしいですね。とにかく獲れるだけポイントを獲りに行きますよ」
ドライバー/リチャード・ライアン
「結果として残念な一日になってしまったというしかないね。ただ、鈴鹿で勝ったことで、50kgものウエイトを積むこととなった今回、僕らのクルマが 100%のパフォーマンスを発揮できる状況にないことは分かっていたし、明日の決勝ではまた違ったストーリーを期待したい。実は過去2年間、2007年と 2008年、僕はゴールデンウィークの富士では2連勝しているんだ。それだけに、今年も最低でも表彰台を狙えるような展開になればいいな」
監督/竹内 浩典
「もちろん今回ウエイトが厳しいのは覚悟していましたが、同様にウエイトを積んでいる他車がスーパーラップに駒を進めている状況を考えると、そういう意味ではちょっと時間が足りなかったかもしれませんが、やっぱり勝った次のレースで予選で前のほうに行けるほど、GTは甘いレースではないですから。明日の決勝は400kmと長いのですが、長ければ長いほどアクシデントを含め、いろいろなことが起こりやすいので、ウチとしては着実にポイントを取っていくようなレースをしていくだけですね」