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SUPER GT RACE REPORT

2009年 SUPER GT 第3戦 FUJI <決勝>

2009年5月4日(日) Final 決勝
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/リチャード・ライアン
決勝結果:9位
<決勝> 天候:晴れ コース状況:ドライ

2009年 SUPER GT 第3戦 FUJI <決勝> 前日同様、まずまずの好天に恵まれた5月4日、みどりの日の富士スピードウェイ。昨日の公式予選では惜しくも9番手とスーパーラップ進出を逃した#38 ZENT CERUMO SC430だが、トップハンデの50kgを背負っているとはいえ、決勝ではポジションを挽回し、怒涛の追い上げをはかるべく、決勝日の朝のフリー走行では、再びバランスを改善すべくセットアップ作業にいそしんだ。 多くの家族連れがスタンドに詰め掛ける中、午前8時45分から行われたフリー走行。立川がステアリングを握った後、ライアンへと交代しつつ、決勝に向けたセットアップの修正を試みた#38 ZENT CERUMO SC430だったが、残念ながら状況は今ひとつ。結局ポジションは12番手に終わり、マシンを降りた立川、ライアンの表情も天候のように晴れ晴れ、というわけにはいかなかった。 ピットウォークを終え、サポートレースが終わると、いよいよ決勝を前にして午後1時05分から8分間のウォームアップラップが始まった。今回スタートドライバーを務める立川が乗り込み、#38 ZENT CERUMO SC430もコースの確認を行うが、セットアップの微調整を行うものの、路面温度が40℃を超え、厳しいコンディションであることもあってか、なかなか思うようなマシンバランスが得られない。走行を終えピットに戻った立川は、「オーバーステアがおさまっていない……」と加藤エンジニアに訴える。チームはいったんグリッドについた後、決勝スタートまでの時間を使って、さらにリヤやクッションにセットアップ変更を加えることを決断。グリッド上でメカニックたちの懸命な作業が続けられることとなった。

 そして迎えた午後2時。ついに88周という長丁場の戦いが始まった。9番グリッドからスタートを切った立川だったが、1周目のヘアピンで#12 IMPUL カルソニック GT-Rと#8 ARTA NSXが接触し後退したこともあって、いきなり7番手に。さらに2周目に先行する#3 HASEMI TOMICA EBBRO GT-Rを捕らえた立川は、僅か2周で6番手と好位置につける。ピットに漂う逆転劇の予感。しかし、懸命にドライブする立川の思いとは裏腹に、#38 ZENT CERUMO SC430のペースは上がっていかない。スタート直前まで続けられたセットアップ変更の甲斐なく、マシンバランスが改善仕切れていなかったのである。

2009年 SUPER GT 第3戦 FUJI <決勝> 「オーバーステアで立ち上がりでアクセルが開けられない……!」と苦しいドライブを続けた立川だったが、ハード寄りのタイヤを履いてスタートしたものの、磨耗が徐々に進むと状況はさらに悪化。ペースに勝るライバルマシンたちをいつまでも封じ込めていられるはずもなく、6周目に7位、16周目に8位とずるずると後退を余儀なくされる予想外の展開に、竹内監督の表情は険しいものとなっていく。

 結局立川は26周終了時にピットイン、ライアンにステアリングを託すことになったが、ここでチームは少しソフト方向のタイヤに換装。これが奏功したか、コースに戻ったライアンはピットインしたためにいったん13番手あたりまでドロップした#38 ZENT CERUMO SC430を駆って粘り強い走りを見せる。路面温度が徐々に低下し始めたこともあってか、ライアンは1分。37秒台後半~38秒台前半あたりのまずまずのペースで周回。じりじりと前車との間合いをつめると1台、また1台とオーバーテイク。他車のピットインもあって、ライアンはポジションを7位にまで押し上げると、58周終了時に再び立川へとステアリングを託す

 残り30周を託された立川は、再び13番手でコースに復帰。終盤の追い上げに期待が掛かったが、ライアン同様1分37秒台をたたき出して追い上げを図ったものの、11位まで挽回も、そこからは拮抗した展開が続き、なかなか思うようにペースアップはままならない。

 それでもあきらめずに前を追った立川は、80周目にポイント圏内となる10位とすると、さらにラスト2周となった87周目、燃料系トラブルで失速した#100 RAYBRIG NSXをかわして9位でチェッカー。予想外の苦しい戦いとはなってしまった今大会だが、貴重な2ポイントを加算した#38 ZENT CERUMO SC430は、ランキング3位となって前半戦3レースを終了することとなった。

ドライバー/立川 祐路ドライバー/立川 祐路
「シーズンオフからずっとクルマのフィーリングが良かったのですが、今回の富士ではウエイトの影響なのかまったくの別物という感じで、結局最後までオーバーステアを解消することができませんでしたね。その結果、リヤタイヤにきつくて、最初のスティントの後半はかなり厳しい状況でした。リチャードも頑張ってくれて、8位で最低限ポイントは獲得できたので、また次戦のセパンからいい勝負できるよう頑張ります」

ドライバー/リチャード・ライアン
「とても残念な週末になってしまったね。やはりセットアップが思うようにいかなかったのがポイントだった。ただ僕のスティントに関しては、4台くらいオーバーテイクできたので自分なりにはいいレースができたんじゃないかと納得はしているよ。前回勝っているんだし、駄目なときもあるさ。次のセパンはまた暑さや路面などコンディション的に厳しい戦いになるかもしれないけれど、ウエイトの重いライバルも増えてくるし、いい戦いができるんじゃないかな」

監督/竹内 浩典監督/竹内 浩典
「かなり決勝は辛かったですね。ウエイトのせいにしたくはないのですが、50kgというトップハンデで、テストもなくぶっつけ本番のような状況での戦いだっただけに……。しかし、ピットストップでややミスもありましたし、反省すべき点もありました。悪い部分がたくさん表面化したレースだったように思います。しかし、そんな中でも前がつぶれての9位ですが、貴重な2ポイントを追加できたことは良かったかなと。次戦また体勢を建て直して頑張ります」