2010年 SUPER GT 第6戦 SUZUKA <予選>
2010年8月21日(土) Qualify 予選
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/リチャード・ライアン
公式予選総合結果9位(1分57秒188)
天候:晴れ|コース状況:ドライ
決勝日朝の予期せぬアクシデントでマシンに大きなダメージを受けたものの、メカニックたちの必死の作業とドライバーたちの奮闘で、前回大会の菅生ではピットスタートながら貴重な2ポイントを獲得したLEXUS TEAM ZENT CERUMO。ドライバーズランキングでトップから19ポイント差のランキング6位につけるというタイトル争いの状況を考えれば、ウエイトの軽減されるラスト2戦を迎える前になんとか大量ポイントを獲得しておきたいところだが、今回の第6戦は、鈴鹿サーキットを舞台としたシリーズ最長の700kmというディスタンスで争われるPokka GT SUMMER SPECIAL。かつては『鈴鹿1000km』と呼ばれた、伝統のイベントだ。
8月のお盆過ぎという、真夏の酷暑の中で行われる121周の長丁場の戦いは、序盤は灼熱の暑さとの戦い、そして終盤には緊迫感の漂うナイトセッションを迎えるという難戦だけに、マシンの面では灯火を追加するなど入念な準備をし、通常通りふたりで戦う立川とライアンのドライバーコンビは体調面を整えるなど、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは一丸となってこのレースウィークを迎えることとなった。
走行開始となったのは、土曜の午前10時05分からの公式練習。ここ最近の流れどおり、セッション開始直後はピットで待機する#38 ZENT CERUMO SC430だったが、20分経過したところで、しんがりのコースイン。ステアリングを握るのは立川だ。
コースインした立川は、ゆっくりと2度周回。まずはコース状況とマシンのチェックを行いつつ、2分27秒台というタイムを刻んでいったんピットへ。午前10時半をすぎたところで、再びピットを離れた立川は、すぐさま2分02秒796で13番手に浮上すると、翌周には1分58秒528をマークし8番手に。その後再び1分58秒台のタイムを記録した立川は再びピットに戻り、マシンに細かい修正を加えつつ、タイヤの評価を行っていく。
続いてコースに戻った#38 ZENT CERUMO SC430を駆るのはライアン。ライアンも1分59秒848.1分59秒481と8番手のポジションのままフィーリングをチェック。今大会はノックダウン方式の予選を採用していることもあり、両ドライバーともに予選アタックを担当することから、ともにセットアップに余念がないが、ライアンがピットインした直後、午前10時58分に130R入り口で#12 カルソニック IMPUL GT-Rがグリーン上にストップ。さらに2コーナーでGT300マシンがコースアウトしたことから、車両回収のためセッションは赤旗中断に。
午前11時07分、セッション再開直後にコースに戻った#38 ZENT CERUMO SC430には再び立川が乗り込み、早々に1分58秒876をマークすると、その後ピットインした#38 ZENT CERUMO SC430だったが、その間にまたもGT300マシンがS字でストップしたため、またもセッションは赤旗に。
再開後、立川はマシンにセットアップ修正を加えながらの周回。タイム的には1分59秒台に留まったが、セッション終盤にはこのセットアップをライアンが確認し、そのままチェッカー。#38 ZENT CERUMO SC430は、まず最初のセッションを11番手で終えることとなった。
ピットウォークを挟み、午後1時25分から始まった公式予選1回目。気温35℃、路面温度49℃でスタートしたこのセッションは、両ドライバーが基準タイムをクリアする以外は、ノックダウン予選に向けたセットアップに充てられることとなる。朝の公式練習では今ひとつだったものの、セッション開始からややおいてライアンのドライブでコースインした#38 ZENT CERUMO SC430は、まずは2分00秒345で9番手に。しかし、その直後にGT300クラスのマシンがS字でクラッシュし、セッションはいきなり赤旗となってしまう。
再開後、再びコースに戻ったライアンは、ゆっくりとタイヤを温めると1分57秒941へと一気にタイムアップし#38 ZENT CERUMO SC430は3番手に。さらに1分57秒758へとタイムを上げたライアンはピットへ。ピットでは既に走行準備を終えた立川が待つ。
ステアリングを引き継いだ立川も、1分58秒673をマークするなど、その後も周回を重ねフィーリングをチェック。基準タイムを難なくクリアすると同時に、朝の不調を吹き飛ばしたLEXUS TEAM ZENT CERUMOは、この公式予選1回目を1分57秒758とし、3番手という絶好のポジションで終えることとなった。
わずかなインターバルを置いて、午後3時20分から行われたノックダウン方式予選のS1。#38 ZENT CERUMO SC430は、まずはこのS1でトップ10に与えられるS2への出走権を確保するべく立川がアタックに向かった。午後3時23分にコースインした立川は、まず計測1周目を2分04秒413とするが、10分間しかないセッションのため、残り時間は2分11秒。最大2周しかない中で、トップ10入りを確実なものとしなければならない。この周、渾身のアタックを行った立川のタイムは1分56秒737。一気に#38 ZENT CERUMO SC430はモニターの5番手にジャンプアップを果たし、ピットのスタッフ達にも心なしか安堵の表情が見て取れる。ライバル陣営のタイムアップによってひとつポジションを落とし、6番手となった#38 ZENT CERUMO SC430だったが、見事S1突破を決める。
続いてS2に登場したのはライアン。最終のS3に進出するためには、このセッションでトップ7に食い込まなければならない。コースインしたライアンは、最後の最後、10番目に計測に入ると、1周目を2分03秒007で7番手に。続く計測2周目を1分57秒312としたライアンだったが、この段階でライバルマシンたちのタイムアップによって、#38 ZENT CERUMO SC430のポジションは10番手。チェッカーフラッグが提示され、S3進出は最後の計測3周目のライアンのアタックに掛かったが、ここでライアンはタイムを短縮してくるが、惜しくも1分57秒188に留まり、ポジションは10番手のまま。S3進出を期待していたピットのスタッフ達は無念の表情を見せることとなったが、この時点で#38 ZENT CERUMO SC430は明日の決勝を10番グリッドからスタートすることが決定した。
この後のナイトセッション、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは追加した灯火類の確認はもちろん、決勝に向けたセットアップに集中。立川、ライアンともに決勝終盤の暗い状況を想定した周回を重ね、翌日の決勝に備えることとなったが、今大会を前に4基目のエンジン交換を行っていたマシンがいたことから、#38 ZENT CERUMO SC430はグリッドがひとつ繰り上がり、9番グリッドから700kmの長丁場を戦うこととなった。
ドライバー/立川祐路
「朝は今ひとつグリップ感がなかったのですが、予選までにはそこそこバランスもまとめられました。それだけにS3に進めなかったことは残念ですし、もう少し前からスタートしたかったのは事実ですが、ウエイトの軽いライバルもいますから仕方ないと思います。僕自身のS1のアタック自体は順調でしたし、少しアンダー傾向があったのですが、それがなければもう少しタイムも良かった感触もありました。ただ明日の決勝は長いですし、挽回は充分可能。大事なのは決勝の結果ですから、決勝までのセットアップをしっかりとやって挽回劇に備えたいと思います」
ドライバー/リチャード・ライアン
「とても残念な一日になってしまった。午前の走り始めは良いバランスが見つけられなくてあまり良くはなかったけれど、チームが予選1回目までにうまくリカバリーしてくれていたし、そこでの僕のニュータイヤでのアタックも決まりフィーリングも良かったから、絶対にS3に行けると信じていたんだけれど……。なぜかS2でのアタックではグリップ感が4輪ともになく、まったく思うようなアタックが出来なかったんだ。悔しいけれど、明日は長いレースだし、過去にはここで良い結果も残している。後方からの追い上げになるけれど、表彰台を狙って行かないとね」
監督/高木虎之介
「クルマに関しては、今回かなりセッティングを変えて来て良い感じになって来ていたんですが、ノックダウン方式の予選ではなかなか生き残るのが大変だったということだと思います。リチャードにはもう少し頑張って欲しかったかな、という気持ちもありますが、もう結果は出てしまっていますし、終わったことは仕方がないので、明日の決勝は長いですから、なんとか追い上げなければと考えています。チャンピオン争いを考えると、今回はどうしても上位に食い込んでおかなければならない状況なので、明日は無理やりにでもドライバーに頑張ってもらおうと思います」