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SUPER GT RACE REPORT

2011年 SUPER GT 第2戦 FUJI <決勝>

2011年5月1日(日) Final決勝レース
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/平手晃平
決勝総合結果 5位
<決勝> 天候:雨|コース状況:ウェット

2011年 SUPER GT 第2戦 FUJI <決勝> 前日午前は快晴だったものの、午後の予選は曇天。さらに天候は下り坂となり、決勝日となる日曜には心配されていた雨が、富士スピードウェイのコースを濡らすこととなった。

 前日の予選でまさかの11番手となってしまった#38 ZENT CERUMO SC430は、決勝に向けて体勢を立て直すべく午前8時35分からのフリー走行に臨んだが、断続的に小雨が降っているような状況で、路面はセミウエット。酷い水たまりはあまりないものの、サーキット全面が濡れているというコンディションの中、立川も雨用タイヤを装着してのコースインとなった。

 WET宣言の出されたコースに向けピットを離れた立川は、タイヤの皮むきと同時にコースコンディションを確かめつつ、まずは1分47秒台のゆっくりとしたペースで周回。前日からセットアップ変更を受けた#38 ZENT CERUMO SC430のフィーリングを確かめて行く。12番手前後に相当する1分46秒台でラップを重ねた立川は、1分45秒722へとタイムを上げたあと、午前8時55分にピットに向かい、ステアリングを平手に委ねることに。

 約10分と短い残り時間ながら、平手は積極的に周回。刻々と変化する路面状況の中、一時は15番手までポジションを下げていた#38 ZENT CERUMO SC430だったが、午前9時05分、チェッカーが提示された直後のファイナルラップに平手が1分45秒169にタイムアップ。12番手でこのセッションを終了したあと、サーキットサファリの時間帯を有効活用しつつ、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは午後の決勝へ向けたチェックを終えることとなった。

2011年 SUPER GT 第2戦 FUJI <決勝> にぎやかな雰囲気に包まれたピットウォークが行われた昼前には、雨も上がり1コーナー方向に晴れ間も見えたものの、昼過ぎに行われたサポートレースのレース中には、強い風とともに霧雨が吹き付けるなど、天候は荒れ模様。しかし午後零時55分、8分間のウォームアップ走行の開始時点で雨は小康状態。#38 ZENT CERUMO SC430は、スタートドライバーを努める立川の手によってコースイン、最後の確認を行うと、いよいよ今季最初の戦いに向かい、11番グリッドについた。

 猫の眼のように空模様の下、フォーメイションラップを前にライバル陣営の中には、強まる雨脚を見て深溝をチョイスするマシンが出始め、#38 ZENT CERUMO SC430も最後の最後で深溝のレインタイヤを履きSC先導となったスタートに臨んだ。

 気温13℃、路面温度14℃となった午後2時、SCカー先導で66周のレースがスタート。まずはゆっくりとしたペースのまま、5周が過ぎる。そしてついにSCがコースを去り、6周目に本格的な戦いが始まった。

 このときを逃さず、絶好のスタートを決めた立川は、一気に巻き上がる水煙の中1コーナーまでに2台をかわすが、さらには1コーナーでコースオフした#46 S Road MOLA GT-Rをヘアピンでパスするなど、なんと1周のうちに11番手から6番手まで浮上を果たす。

 さらにハイペースでラップを重ねる立川は、8周目にはその時点でのファステストラップとなる1分49秒943をマークするなど、猛プッシュ。11周目にはスリップから抜け出し、1コーナーで#36 PETRONAS TOM'S SC430をオーバーテイクし5番手とすると、翌周には一時はトップに立つも視界不良でペースを落とした#24 ADVAN KONDO GT-Rをとらえ、4番手に躍進。残り周回はまだ50周以上あり、ピット内にはさらなる上位進出への期待が沸き上がる。

 前を行くトップ3はさすがにペースも良く、その後は雨量の変化やタイヤの消耗もありなかなか前を行く#6 ENEOS SUSTINA SC430に手が届かない。それでも必死のドライビングを続けた立川は、#12 カルソニック IMPUL GT-Rが周回遅れとの接触でオレンジボールを提示され、21周目にピットインしたことでついに表彰台圏内となる3番手に到達すると、1分47秒台にラップを上げ2位を行く#6 ENEOS SUSTINA SC430を追う。

 しかし、レース中盤以降雨量が減り始めるなどコンディションが変化。#38 ZENT CERUMO SC430のタイヤの消耗も進んだことから、チームはドライバーの最低周回数規則をクリアする、ぎりぎりまで立川を引っぱり、平手に浅溝タイヤを履かせて終盤勝負を賭けることを決断。2番手にまで浮上した44周終了時に立川をピットに呼び寄せる。

 ところが、このときピットが近い他車と交錯したほか、作業自体もスムーズに行かず、同時にピットに入った#19 Weds Sport ADVAN SC430に逆転を許してしまう。さらにチームの予想に反し、?脚が強まり始めたことで、浅溝を履いた#38 ZENT CERUMO SC430はコース上に留まるのもやっとという状況に。それでも4番手で粘りの走行を続けた平手だったが、59周目の13コーナーでこらえ切れずスピンを喫し5番手にポジションダウン。

2011年 SUPER GT 第2戦 FUJI <決勝> チームは急遽平手をピットインさせ、タイヤ交換を行おうとしたものの、なんとこのときコントロールタワーに赤旗が! あまりのコンディション不良のため、主催者がレースに終止符を打ったのだった。このためレースの正式結果は赤旗提示前の59周終了時点のものとなり、ピットロード上に留め置かれたままの#38 ZENT CERUMO SC430は、5位フィニッシュに。LEXUS TEAM ZENT CERUMOにとっての開幕戦は、表彰台も充分期待出来た?中の厳しい戦いとなったが、最後は予想外の幕切れとなった。

2011年 SUPER GT 第2戦 FUJI <決勝>ドライバー/立川 祐路
「雨の状況も一定ではなく、非常に“読み”の難しいレースでした。ギリギリのタイミングで深溝を選んでスタートしたのですが、チームの判断は良かったと思います。スタートしてすぐは水の量も多く、水しぶきで視界もなく怖かったのですが、クルマの状態も良かったですし、SC明けのスタートも決まって1周目にかなり順位を上げることができました。トップ3台に追いついたころには、かなりタイヤを消耗していたので、あとは後半に託す形になりました。結果として後半浅溝に賭けたのですが、雨量については運もあるので仕方ないですね。しかし、次の岡山に活きるレースが出来たと思います」

2011年 SUPER GT 第2戦 FUJI <決勝>ドライバー/平手 晃平
「後半を担当したのですが、僕が浅溝を履いてピットアウトしたあたりから予想に反して雨脚が強まったようで、非常に厳しいスティントになってしまいました。途中でラップタイム的に悪くない周回もあったので、このままのペースで行ければ、と思ったのですが、そこからまた終盤に雨が強くなってしまったので……。走りに関してはあまり周回していないのでなんともいえませんが、自分としてはピットストップの際にシートベルトを止めるのに手こずってしまったので、それを反省点として次戦に臨みたいですね」

監督/高木虎之介
「今日はクルマも良かったですし、ドライバーもとても頑張ってくれたと思います。立川も3番手あたりまで追い上げてくれたのですが、最終的に判断を誤ってしまいました。平手のスティントに浅溝のタイヤを選択したのはチームのミスです。あのまま雨が止んで行ってくれれば問題は無かったわけですから、結果論かもしれませんが、せっかく立川が頑張ってくれたものを水の泡にしてしまったと思います。最後はポジションダウン覚悟でタイヤを換えようと、平手をピットに入れたのですが、そこで赤旗が出て。結果的に赤旗に救われたような格好ですが、とにかく岡山では安定して速く走り、予選でも決勝でも上位に食い込めるよう頑張ります」