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SUPER GT RACE REPORT

2011年 SUPER GT 第8戦 Motegi <決勝>

2011年10月16日(日) Final決勝レース
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/平手晃平
決勝総合結果 10位
<決勝> 天候:晴れ|コース状況:ドライ

2011年 SUPER GT 第8戦 MOTEGI <決勝> いよいよ今季最終戦の日を迎えたLEXUS TEAM ZENT CERUMO。雨となった土曜の公式予選ではまさかのQ1敗退を喫してしまったが、13番グリッドからの追い上げを果たすべく、日曜午前9時に始まるフリー走行に並々ならぬモチベーションを持って臨むこととなったが、この日のもてぎも朝から細かい雨が降り続き、水たまりこそあまり見られないものの路面は完全なウエット。ドライコンディションとなるとの予報が出ている決勝を前に、LEXUS TEAM ZENT CERUMOとしてはできればもっと乾いた路面で走りたかったところだが、結局45分間のこのフリー走行は、終始ウエットタイヤでの走行となった。

 午前9時にセッションがスタートすると同時に、先頭を切ってコースインしたのは平手。まずは1分59秒433から計測をスタートすると、1分59秒416にタイムを上げて3周でピットイン、ピット前で4輪を履き替えてすぐさまピットアウトするなど、決勝への準備に余念がない。午前9時13分に再びピットインした#38 ZENT CERUMO SC430は、今度はメカニックたちの手によってガレージに押し戻され、ここでセットアップの微調整を受ける。

 この段階で6番手あたりにつけた#38 ZENT CERUMO SC430は、再び平手のドライブで午前9時16分にピットアウト。ピットイン&アウトを繰り返し、フィーリングの向上に務めた平手だったが、午前9時27分にセッションは赤旗に。

 いったん水入りとなったセッションだが、午前9時33分の再開後にコースに戻った平手は1分57秒946に一気にタイムアップし4番手に浮上。ここでピットインした平手は、残るセッションを立川にステアリングを委ねることに。

 セッションが残り5分となったところで給油などを行ってピットを離れた立川は、#38 ZENT CERUMO SC430のフィーリングチェックを行うと、午前9時45分にチェッカーを受けいったんピットへ戻るも、その後に行われたサーキットサファリの時間帯も使ってさらにマシンの熟成度をアップさせることに。最終的にフリー走行を12番手で終えたLEXUS TEAM ZENT CERUMOだったが、今季最終戦に向けた最終確認を終え、いよいよ午後の決勝を迎えることとなった。

 ピットウォークで賑わいをみせたピットロードの雰囲気が、午後零時45分には一変する。フリー走行後に天候が一気に好転、予報通りにドライコンディションに転じたことで急遽ウォームアップ走行が13分に拡大され、午後零時55分にセッションが始まるためだ。

 #38 ZENT CERUMO SC430のステアリングを握ってコースインしたのは、スタートドライバーを務める平手ではなく、立川。立川がドライコンディションの確認を兼ねてニュータイヤの皮むきを終えたのちピットインしタイヤを換え、今度は平手が乗り込んでピットアウト。ふたりのドライバーが走行した#38 ZENT CERUMO SC430は、このセッションを10番手で終了。午後1時15分のピットロード出口オープンまでギリギリまでセットアップ調整を行ったLEXUS TEAM ZENT CERUMOは、ようやくスターティンググリッドへ向かうこととなった。

 眩しい日差しが照り付け、降雨の後のためにむせるような暑さとなった午後2時09分、ついに53周の決勝がスタート。好スタートを切った平手は、3コーナーで発生した複数のマシンによる接触をうまく避けてポジションを上げると、オープニングラップを10番手で戻ってくる。2周目に1分48秒113の自己ベストをマークし、前を行く#17 KEIHIN HSV-010を追う#38 ZENT CERUMO SC430。4周目にコースオフした#24 ADVAN KONDO GT-Rをかわし、9番手とした平手は、さらに#12 カルソニック IMPUL GT-Rが9周目にピットインしたことで8番手に。

 ペースに苦しみ始めた#17 KEIHIN HSV-010を捕らえようと必死にプッシュする平手だったが、相手もなかなか隙を見せない。さらに背後からは#1 ウイダー HSV-010が肉薄してくる三つ巴の状況が続く。

 2011年 SUPER GT 第8戦 MOTEGI <決勝> 18周目に#1 ウイダー HSV-010の後塵を廃した平手だったが、19周目に先行する#17 KEIHIN HSV-010を含む2台がピットインしたことで7番手に。ようやく眼前が開けた平手だったが、徐々にタイヤの消耗が進んで来ていたこともあり、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは21周目に平手をピットインさせ、残る32周を立川の手に委ねることとなった。

 14番手でコースに復帰した立川は、23周目にピットインした#19 WedsSport ADVAN SC430をかわし13番手に浮上。28周目には#35 D'STATION KeePer SC430がピットインしたことで12番手とすると、31周目には1分48秒653にまでタイムアップすると同時に、他車のピットインで10番手となる。

 ついにポイント圏内に浮上した#38 ZENT CERUMO SC430だったが、33周目に目前にピットアウトして来た#8 ARTA HSV-010との攻防の際、34周目のV字コーナーからヘアピンにかけて抑え込まれてしまった立川は、ダウンヒルストレートで#19 WedsSport ADVAN SC430に抜き返されて再び11番手となってしまう。

 さらに背後から追い上げて来た#36 PETRONAS TOM'S SC430と時折接触しながらも激しい攻防を続けていた立川だったが、ついに44周目の1コーナーで#36 PETRONAS TOM'S SC430の後塵を拝することに。

 ここでいったん12番手にまで後退してしまった#38 ZENT CERUMO SC430だが、諦めず前を追った立川は48周目の1〜2コーナーで#19 WedsSport ADVAN SC430を捕らえ11番手に。さらに10番手の#8 ARTA HSV-010に迫った立川は、51周目に90度コーナーで仕掛けるものの、激しい抵抗に遭いダートまで押し出されてしまうが、仕切り直しの翌周にはうまく#8 ARTA HSV-010を捕らえ再び10番手に返り咲くと、そのまま10番手でのチェッカーとなった。

  LEXUS TEAM ZENT CERUMOは今シーズンをランキング6位で終えることとなったが、急激なコンディション変化もあり、期待されたような怒濤の追い上げはならなかったものの、苦闘の末にもぎとったこの最終戦での1ポイントは必ずや来季に通じるはず。11月に行われるJAF GPはもちろんのこと、来季のLEXUS TEAM ZENT CERUMOにはさらなる飛躍が待たれる。

2011年 SUPER GT 第8戦 MOTEGI <決勝>ドライバー/立川 祐路
「コースに出てすぐに目の前にピットアウトして来た#19 WedsSport ADVAN SC430を抜いて先行したのですが、続いて目の前に出て来た#8 ARTA HSV-010に抑えられてしまい、19号車にまた抜き返されてしまって。#8 ARTA HSV-010との攻防では1回、ラスト3周あたりでダウンヒルストレートでアウトから行ったんですが、そこで押し出されてしまって。それで相手にはタイム加算のペナルティーが出たようですが、次の周にもう一回同じ場所で抜くこが出来、なんとか1ポイント獲得することが出来ました。今季は思ったようにレースが出来ず、なかなか厳しい戦いを強いられましたが、富士からの終盤3戦はコンスタントに戦えましたし、優勝も、表彰台も得ることが出来ました。後半になって平手も成長を見せたように思いますし、チームとして良い流れが出来たように思います。この流れをうまく来季に活かし、2012年は再びチャンピオン争いが出来るよう頑張ります」

2011年 SUPER GT 第8戦 MOTEGI <決勝>ドライバー/平手 晃平
「いきなりのドライということでセッティングも完璧ではなかったのですが、出だしはまずまずだったと思います。周囲のライバル勢と比べてペース的にも悪くなかったですし先に向こうのペースが鈍ったので、こちらにチャンスが来るかなとも思ったのですが、自分もやはりセッティングが合っていない部分があってアンダーに苦しんでいたので、左フロントのタイヤが消耗し右コーナーが辛くなって来て、背後から来たペースの良いマシンに詰め寄られる展開となってしまいましたね。それでも無事にレースをフィニッシュして1ポイント獲得出来たので良かったです。結果として、いろいろ課題が残ったシーズンではありましたが、今年の目標のひとつでもあったレクサス陣営のトップを獲ることが出来ましたし、来年に向けてプッシュして行きたいと思います。今年はLEXUS TEAM ZENT CERUMOに移籍して来て、序盤は苦しんだ部分もありましたが、クルマとタイヤに慣れて来て落ち着いてレース出来るようになり、優勝することも出来ました。来年はシーズンのスタートからしっかりと良いレースが出来るよう、オフにしっかりとテストをしてチャンピオンを狙えるようにしたいですね」

監督/高木虎之介
「今日は思った以上に苦しい戦いとなりましたが、今年の全体的なパフォーマンスとしては、ある意味妥当なところだったかもしれません。今年はタイヤ選択と持ち込みのセットアップなどの、ちょっとした違いがタイム差に現れ、ひいてはレース結果に影響していたように思います。平手を迎えて新しい体制で迎えた今シーズンでしたが、前半戦は思うように行かない部分もあったのですが、後半、特に最後の3戦は良かったと思いますし、そこでなんとか優勝という結果を残すことが出来たという点については監督としてもホッとしています。前半あれだけ結果が残らずランキングでも下位に沈んでいたのが、最終的にランキング6位で終われたことも、新しい体制だったことを考えれば、良かったのかなと。まだ11月にJAF GPが残っていますが、あれはシリーズとは違って特別戦ですし、ドライバーの勝負ですから、とにかく楽しくやって欲しいですね」