2012年9月8日(土) Qualify 予選
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路／平手晃平
公式予選総合結果9位（1分34秒252）
< 公式予選 > 天候：晴れのち曇り｜コース状況：ドライ
前戦鈴鹿では序盤に予期せぬアクシデントに見舞われたものの、1000kmという長いレースを粘り強く戦いながらじりじりと追い上げ、苦しみながらも9位とポイント圏内でフィニッシュした#38 ZENT CERUMO SC430。これにより、上位フィニッシュという野望こそ叶えられなかったが、ポイントリーダーの座は堅持することとなり、最悪のシナリオを回避したLEXUS TEAM ZENT CERUMOは、3週間のインターバルを挟んで第6戦富士を迎えた。
チームにとって、そしてレクサス陣営にとってホームコースとなる富士では、#38 ZENT CERUMO SC430は過去幾多の好レースを重ねて来た。もちろん、“富士マイスター”との異名を取る立川、この富士でFN、GTともに優勝を飾っている平手のドライバーコンビにとっても、得意の富士でラスト2戦でのタイトル争いに向けてのより良い体勢固めをしたいところ。LEXUS TEAM ZENT CERUMOは一丸となって、第6戦の週末に臨んだ。
不安定な天候という予報もあったものの、土曜朝の富士はまずまずの快晴。週末最初のセッションとなる公式練習走行は、午前9時40分からスタートとなった。
路面温度32℃という状況で始まったこのセッション、#38 ZENT CERUMO SC430は約15分ほどピットで待機すると、午前9時55分に立川がステアリングを握ってコースイン、まずは1分38秒331というタイムから計測ラップを刻んで行く。しかし、すぐさま1分34秒359にタイムアップし5番手につけた#38 ZENT CERUMO SC430は、午前10時04分には1分34秒173へとタイムアップ。この時点で4番手とまずまずのポジションに着けてピットに帰還する。
ここでさらなるマシンバランスの改善を目指してセットアップに微調整を加えたLEXUS TEAM ZENT CERUMOは、午前10時22分に再び立川駆る#38 ZENT CERUMO SC430をピットアウトさせる。ここでは1分34秒479をマークしたものの、徐々に上昇していく路面温度の中、タイム更新はならず再びピットへ。状況の改善を目指してセットアップを修正していくチームだが、同様にコンディションのせいかタイムを上げて来るライバル陣営もほとんどなく、#38 ZENT CERUMO SC430はモニターの4番手というポジションのまま周回を続けることに。
そんなコンディションながらも、午前10時57分に1分34秒168とベストタイムを更新した立川はピットイン。午前11時過ぎからは平手がコクピットに乗り込み、#38 ZENT CERUMO SC430はコースに復帰。そこからの20分間、残りの混走時間帯でピットイン＆アウトをしつつ周回を続けた平手は、安定したラップを刻むと1分35秒025にまでタイムアップ。#38 ZENT CERUMO SC430は4番手のまま混走時間を終える。
午前11時30分からは10分間のGT500占有時間帯となったが、ここでも#38 ZENT CERUMO SC430のステアリングを握ったのは平手。開始2分でピットを離れた平手は、1分34秒773、1分34秒495とタイムを上げて行くものの、スタート時からは10℃前後も上昇した路面温度の中ではタイム更新は難しく、そのままチェッカー。上位陣も同様の状況で順位の変動はないままセッションが終わったため、#38 ZENT CERUMO SC430は4番手と好ポジションのまま公式練習を終えることとなった。
午後2時からの公式予選は、Q1~Q3の3つのセッションからなるノックアウト方式。これまでスーパーラップ方式が主だった富士では、初のノックアウト方式予選の採用となった。
GT300のQ1に続き、午後2時15分から行われたGT500のQ1は15分間のセッション。ここでまず下から5台が足切りされ、上位11台のみがQ2へと駒を進めることとなる。LEXUS TEAM ZENT CERUMOでは、このQ1のアタッカーに立川を指名。続くQ2を平手、そして最終のQ3を再び立川がアタックする作戦だ。
多くの陣営同様、タイミングを計ってセッション開始から約7分が経過した午後2時22分に立川のドライブでピットアウトした#38 ZENT CERUMO SC430は、ゆっくりとニュータイヤを温めながら、まずは1分37秒240として、翌周に渾身のアタックを敢行する。ここで履いているタイヤのままアタックをしなければならないQ2の平手のため、出来る限りタイヤの消耗を抑えたいLEXUS TEAM ZENT CERUMOと立川は、このQ1でのアタックを1周に留めんと、高い集中力を発揮。見事このラップに1分33秒597をたたき出し、この時点で2番手につけた立川は、そのままアタックを続けられる体勢は整えたものの、最終的にこのタイムでもQ1を突破出来ると判断したピットからの指示を受けてピットインする。
結局、ポジションこそ4番手に後退したものの、予定通り#38 ZENT CERUMO SC430は1周のみのアタックでQ1を突破。上位7台がQ3への出走権を勝ち獲るQ2へ駒を進めることとなった。
再びGT300のアタックが終わった午後2時50分、タワーにGT500ボードが掲げられてQ2がスタートした。#38 ZENT CERUMO SC430のコクピットには平手が乗り込んでタイミングを待つが、このQ2からはセッションが10分間と短いため、開始から2分経過したところでピットアウトしていく。
立川がQ1で使用したユーズドタイヤでコースに出た平手は、まずは1分43秒244とスローペースでタイヤに熱を入れると、残り3分を切ったところで1分34秒605として7番手につけるも、ライバル勢のアタックも激しく、平手はその後Q3進出圏内である上位7台から8〜9番手に下がることに。
ポジションを挽回すべくさらにアタックを続けた平手は、チェッカー間近のところで1分34秒252を絞り出すが、この時点で#38 ZENT CERUMO SC430のポジションは7番手。ギリギリQ3進出を果たしたかに見えた#38 ZENT CERUMO SC430だったが、なんとチェッカー提示後に#17 KEIHIN HSV-010、#35 KeePer Kraft SC430が相次いでタイムアップを果たしたために、#38 ZENT CERUMO SC430は9番手に後退。なんとかアタックを続けた平手だったが、もう既にタイヤの明らかな消耗が始まっており、平手の奮闘も空しく#38 ZENT CERUMO SC430のラストアタックは1分34秒443。惜しくもタイム更新はならず、#38 ZENT CERUMO SC430は9番手でこのQ2を終了。残念ながらQ3進出はならず、明日の決勝での9番グリッドが確定した。
上位グリッド獲得を果たせなかった#38 ZENT CERUMO SC430だが、予選2番手を得た#1 S Road REITO MOLA GT-Rを除けば、ポイントを争っている大半のライバル勢は下位に沈んでいる状況だけに、この予選結果にもチームにはうつむくことなく、明日の決勝での挽回を誓うこととなった。
ドライバー／立川 祐路
「94kgというトップハンデを積んで重い状態ということで、富士に来る前はもっと厳しい状況を想定していましたので、走り始めから重い割には悪くないな、というポジティブなフィーリングを持っていました。それでも良い方向を目指していろいろセットアップを修正していったのですが、コンディション変化もあり、セットアップを戻す形で予選に臨みました。結果的にはまずまずの状況に持って行けたと思います。平手のQ2にも同じタイヤを使うということで、1周のみのアタックでQ1をクリアしたいという思惑があったのですが、それもうまく行ったと思いますし、自分自身のアタックもまずまずでした。惜しくもQ3進出はなりませんでしたが、ウエイトの重いポイント上のライバルたちがほとんど僕らより下の順位になっていますし、9番手スタートでもポジティブに捉えています。簡単なレースにはならないと思いますが、残り2戦のタイトル争いを考えても、なんとしてもミス無くチーム全体が良い形で明日の決勝を終えたいと思います」
ドライバー／平手晃平
「朝の公式練習では、硬めのタイヤで予選シミュレーションをしました。その段階では時間が足りずにタイヤが温まり切らずに終わってしまい、さらにバランス的にもまだ今ひとつの部分があったので予選に向けて不安が残る状況だったのですが、セットアップ変更が上手く行き、立川さんのQ1のときにはセクター3でも良いタイムが出ていましたので、クルマ的には状況が良くなったんだなと思い、良い雰囲気で迎えたQ2でした。しかし、やはりユーズドタイヤでのアタックということもあったのか、セクター3は良かったものの、逆にコカコーラコーナーやヘアピンなどでバランスが悪く、そこでタイムが伸びませんでした。あとコンマ2秒速ければQ3に進出出来ていたので悔しいですし、自分にも何か問題があったのかもしれませんが、データとしてはしっかりとしたものがチームにありますから決勝では良いペースで走れると思いますし、明日の決勝では立川さんの言うようにミス無く自分たちの力を出し切って戦えば、きっと結果が付いて来ると信じています」
監督／高木虎之介
「ウエイトを積んでいる状況ながら朝から調子は良さそうでしたが、予選では惜しくもQ3に進めませんでした。もう後僅かコンマ1〜2秒という差だったので、ウエイトが重いことは承知の上で、出来ればあと少し詰めたかった、という気持ちが強いですね。ニュータイヤでアタックしたQ1ではなんとかなったのですが、ユーズドで走るQ2ではやはりウエイトの差が出たということだと思います。ユーズドタイヤでもタイムが出せていれば最高でしたが……。しかし、ウエイト換算すればクルマ的には充分な速さがあったと思いますし、明日は9番手スタートながら富士はチームとしても、クルマ的にも得意なコースで我々に多少のマージンがあるはず。なんとしても明日はトップ4、いやさらに表彰台を目標にして戦いたいですね」
