2018年 SUPER GT 第7戦 AUTOPOLIS <予選>
2018年10月20日(土) Qualify 予選
ZENT CERUMO LC500#38 立川祐路/石浦宏明
公式予選総合結果 8位
< 公式予選 > 天候:晴|コース状況:ドライ
2018年のSUPER GTも残すところ2戦。舞台は大分県日田市にあるオートポリスでの第7戦を迎えた。LEXUS TEAM ZENT CERUMOにとっては、今シーズンのチャンピオン争いに踏みとどまるためにも好結果が欲しいラウンドだ。このレースに向けてLEXUS TEAM ZENT CERUMOは、8月に行われたタイヤメーカーテストに参加。走行初日にはトップタイムをマークするなど、準備を万端に整え好感触を得てオートポリスの地に向かった。
しかしチームスタッフたちは走行開始前日、オートポリスに到着するとそのあまりの寒さに驚いた。チームがある御殿場も冷え込んでは来たが、阿蘇山にあるオートポリスの寒さは予想以上。ダウンジャケットを着込み準備を整え、10月20日(土)の予選日を迎えることになった。
午前9時からの専有走行に向け、ZENT CERUMO LC500のステアリングを握ったのは立川祐路。しかしこの日の午前もオートポリスは曇天で、路面温度はまったく上がっていかない。8月のテストで好感触を得たセットアップでは、あまりに気温・路面温度ともに異なっていたこともあり、フィーリングが良くない。立川は専有走行の時間をうまく使いながらセットの変更を進めていき、石浦宏明に交代。石浦は進めてきたセットアップの方向性が間違っていないことを確認しつつ、周回を重ねていった。
セッション終盤こそやや天候が好転したことや、セットアップが進んだこともあって、石浦がGT500クラスの専有走行の時間帯に1分33秒388というベストタイムをマークし、この専有走行での3番手につけたものの、ライバル勢が速く課題はまだ多そうだった。LEXUS TEAM ZENT CERUMOは午後2時30分からスタートする公式予選に向けて、さらなるセットアップの煮詰めを行っていった。
チームは予選までの間にピットウォーク等のイベントをこなしていったが、その間にオートポリスの上空には青空が広がり、気温も上がっていった。こうして迎えた午後3時09分からの公式予選Q1では、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは石浦にQ1のアタッカーを委ねた。
石浦はQ1残り時間7分30秒というタイミングでコースインすると、しっかりとタイヤを温めアタックに入っていく。気温が上がっており、ややテストのときの状態に近づいていたが、石浦はその段階で3番手となる1分33秒304をマークするが、その後アタックを終えたライバルたちが続々と好タイムをマークしてくる。ただ石浦のタイムは、Q1突破には十分。7番手につけQ2の立川に繋ぐことに成功した。
GT300クラスの予選Q2を挟み、午後3時37分にスタートしたGT500クラスのQ2。予選ではすっかり気温も上がっていたこともあり、セットアップを気温が高い状態に近づけたZENT CERUMO LC500は、ライバルたちとともにコースに入っていき、タイヤのウォームアップを行っていく。
しかし立川がいざアタックラップに入ろうとしたとき、眼前でアタックを展開していた#100 NSX-GTがわずかにコースをはみ出し、砂埃を巻き上げた。危険を察知した立川はわずかにアクセルを緩めてしまう。これはもう一度アタックラップをやり直すべきか……!? チームと立川は一瞬迷ったが、もう予選Q2の残り時間は少ない。このラップで決めるしかない。
立川はなんとか1分33秒323というタイムをマークしアタックを終えることになるが、ライバルが大幅にタイムを上げていたこと、そして一瞬の減速が響いてしまい、ZENT CERUMO LC500のQ2順位は8番手という結果に終わってしまった。立川のタイムはセクター3はレクサス勢の中でも最も速く、わずかな減速さえなければグリッドは1〜2列は前にいけただけに、立川は予選後、少し悔しい表情をみせた。
とは言え、ZENT CERUMO LC500が上位を争えるスピードをもっていることは、この予選で証明されたと言える。このオートポリスでのレースは荒れる展開も多く、何が起きるかは分からない。ZENT CERUMO LC500は10月21日(日)の決勝で巻き返すべく、チーム一丸となって挑んでいく。
ドライバー/立川 祐路
「午前の専有走行からアンダーステアに苦しんでいましたが、公式予選までにクルマをかなり変えて、大きくバランスを改善することができたと思っています。僕のQ2のアタックのときには、前で100号車がコースアウトしてしまい減速してしまったため、アタックを続けるか迷いましたが、残り時間もなかったのでそのまま続けました。そこでタイムを失った部分もあるので、ちょっとスッキリしないですね。ただ後半セクションでのフィーリングは良くなっていたので、明日巻き返したいと思っています。オートポリスはタイヤに厳しいコースなので、うまく使った者が勝利に近づけると思います。今日はフラストレーションをためた分、明日頑張りたいですね」
ドライバー/石浦 宏明
「僕たちは事前にメーカーテストに来ていたので、そのセットアップで専有走行に臨みました。ただ気温が低くバランスもかなり違っていて、ずっと立川選手にセットアップをしてもらっていました。専有走行で僕が乗った段階でもいくつか変更してもらいましたが、かなり良好な状態になっているのは分かりましたね。ただ、予選Q1に向けてさらに変更を施しましたが、今度は急に路面温度が上がり、セットアップの変更をやり過ぎたところを感じたので、Q2に向けてさらにアジャストしてもらいました。事前の予想とはクルマの状態が違ったので、ドタバタするところはありましたが、最低限合わせることはできたと思っています。このコースはタイヤに厳しいコースで、少しでもバランスを間違えるとレースにならなくなってしまいます。大事なのは決勝でいかにキレイにタイヤを使うかだと思っているので、予選を参考にしながら、しっかりレースを速く走れるクルマを仕上げたいです」
監督/浜島裕英
「専有走行は気温等の条件があってアンダーステアが非常に厳しかったですね。フロントタイヤが心配されましたが、午後は太陽も出て路面温度も上がり、いいバランスになったと思っています。ドライバーがいいアタックをしてくれてQ1を突破し、Q2に進出しましたが、立川選手のアタック中に前方で危険があり、しっかりと減速した分遅れてしまいました。ライバルが速いですが、レースは粘り強く戦って、できる限り上位でフィニッシュできるよう、チームみんなで頑張りたいと思っています」