2009年 SUPER GT 第5戦 SUGO <予選>
2009年7月25日(土) Qualify 予選
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/リチャード・ライアン
総合予選結果:9位 (1分17秒882)
<公式予選> 天候:晴れ コース状況:ドライ
前戦のセパンではスーパーラップ進出を僅かコンマ1秒差で逃してしまった#38 ZENT CERUMO SC430。逆襲を期して臨んだ決勝でも予想外の展開でペナルティーを受けるなど苦戦、10位に甘んじることとなったLEXUS TEAM ZENT CERUMOだが、今回の第5戦の舞台は昨年3位を得たスポーツランドSUGO。予選1回目のタイムを削除され、無念の最後尾からスタートしながらも怒涛の追い上げ劇を見せつけての表彰台フィニッシュという、会心のレースを完遂した思い出深いサーキットだけに、2年連続での表彰台、さらには今季2勝目への期待を胸に、チームは菅生入りすることとなった。
夜半まで霧と雨に見舞われた菅生だったが、土曜朝になると雨雲はサーキットの上空から去り、早朝には濡れていた路面も午前9時45分からの公式練習ではほぼドライに。気温29℃、路面温度34℃と早くも夏の暑さを感じさせる中でのスタートとなった。今回、1コーナー寄りのピット位置となったLEXUS TEAM ZENT CERUMOだが、それだけにこのセッションの#38 ZENT CERUMO SC430は、立川のドライブでグリーンランプと同時にコースイン。まずは、5周の連続走行を行った立川だったが、ラインを外すと非常にダスティーな路面ながらも、フィーリングもまずまずでいきなり5周目に1分19秒044と、全車のトップを切って19秒台の好タイムをたたき出す。
この後も細かくセットアップの修正などを行いつつ周回を重ねた立川だったが、このセッション序盤にチョイスしていたタイヤはチームが今回選択、持ち込んだタイヤの中では中間的なものであり、チームとしてはさらにソフト系のタイヤを持っていただけに、立川もチームも「この好調な流れでさらにソフト系のタイヤを履けば、もっとタイムは伸びるはず」と午後の予選に向けて期待はさらに高まっていた。
ところが、この公式練習の間に、予選のシミュレーションとして満を持してソフト系のタイヤを履いてコースに出た立川だったが、「予想に反してグリップ感が少ない」との予想外のコメント。タイム的にも5周目にマークした1分19秒044を上回ることができず、竹内監督、加藤エンジニア以下、チームではセッション終了までセットアップ作業を行うものの、最終的には予選に向けてのこのソフト系タイヤの投入を断念することになってしまう。
「ちょっと今ひとつです。走行開始から右肩上がりに調子が上がって来た、という感じではないですね」と渋い表情の竹内監督だが、公式練習の最初に履いたタイヤでのフィーリングがニュータイヤの状態でも、周回を重ねたユーズドの状態でも良かったことから、午後1時35分からの公式予選1回目に向けて立川はスーパーラップ進出への自信をのぞかせる。
迎えた公式予選1回目。天候はさらに好転し、強い日差しが菅生に照りつけ、気温30℃、路面温度40℃と暑くなる中、再び立川が乗り込んだ#38 ZENT CERUMO SC430が、混走セッションに向けコースインしていく。まずは中古タイヤでフィーリングをチェックする立川は、ここで1分20秒244をマークして 5~6番手につけると、ステアリングをライアンに託す。マシンを引き継いだライアンも、セッション開始から約20分というところで1分19秒821をたたき出すなど難なく基準タイムをクリアする。
ここで再び#38 ZENT CERUMO SC430のステアリングを受け取った立川だったが、残り僅かとなった混走時間帯のコース上で、ミッション系に些細な違和感を感じる。うまくギヤが落ちなかったのだ。しかし、シフトダウンがうまくできないというこの症状は1回きりのもので、その後問題なく立川は走行、1分19秒453にタイムアップを果たすと、無事混走時間帯は終了する。
混走時間帯が終わった段階で、#38 ZENT CERUMO SC430は10番手。このままではスーパーラップ進出は叶わない状況に、残り10分間のGT500占有時間帯での立川のアタックに、チーム全員の注目が集まる。
午後2時10分からのGT500占有時間帯が始まると、若干待ってコースに出た#38 ZENT CERUMO SC430。立川はゆっくりとニュータイヤを温めると、まずは1分20秒759をマーク。ポジションは10番手のまま変わらない。しかし、翌周の立川は1 分18秒025とベストタイムを更新し、一気にモニターのトップに躍り出る。ところが、後続のライバル達が続々とタイムを上げ、#38 ZENT CERUMO SC430は4番手に。さらにアタックを続けた立川だったが、再びシフトダウン時にうまくギヤが落ちないというトラブルに見舞われ、渾身のアタックには至らない。
結局このラップも1分18秒058に終わった立川は、セッション終盤のライバル勢のタイムアップによってじりじりとポジションを下げることとなり、最終的に9番手でチェッカー。スーパーラップ進出圏内の8番手にまたしても0.011秒差と僅かに届かず、明日の決勝を9番手からスタートすることとなった。
雨もようと伝えられている明日の決勝。#38 ZENT CERUMO SC430とLEXUS TEAM ZENT CERUMOによる、昨年の逆転劇の再演を期待したい。
ドライバー/立川 祐路
「そんなに状況としては悪くはなかったのですが、予選で使うことを想定していたソフト系のタイヤが使えなかったことはちょっと痛かったですね。その結果、自分達が持っているタイヤの中では中間的なコンパウンドのタイヤでアタックしたわけですが、それでもシフトダウンさえきちんとできていれば、楽にスーパーラップ進出は果たせていたという手応えはありましたし、そのタイヤではロングランのフィーリングも良かったので、コンディション次第で決勝に向けてはポジティブな面もあります。ただ、前回のセパンといい、このところ予選9番手でスーパーラップ進出を逃すと言うパターンになっているので、ちょっと不満ですね。明日はとにかく、必死に追い上げるしかないでしょうね」
ドライバー/リチャード・ライアン
「残念ながら、良い一日というわけじゃなかったね。僕はアタックをしていないので、詳しい状況は分からないけれど、クルマのポテンシャルとしてはトップ6 に入る力はあったと思う。セットアップ自体も完璧ではなかったにせよ、悪くはなかったんだ。ただ、僕らが持ち込んだタイヤが、モニターの上位につけたマシンたちに比べると、やや硬かったんじゃないかな。結果としてスーパーラップ進出を逃したわけだけれど、去年の菅生で僕達はペナルティーを受けて最後尾からのスタートになったものの、3位でフィニッシュしている。明日はその再現を狙うだけだね」
監督/竹内 浩典
「選択していたタイヤの状況はあるにせよ、36号車や24号車など、ウチよりも重いクルマが何台も前に行っているわけですから、この結果はいただけないですね。残念ながら流れの悪さを感じる一日でした。明日は雨と言う情報もありますから、上位陣がコースアウトして行く中でウチが生き残る、という展開しかないですね。昨年も追い上げのレースをしていますが、あれはとても好調だったからこそ為しえたもの。残念ながら今回はそれほど調子が良いという感触ではないので、昨年のようなドラマは起きないかもしれません。しかし、シリーズ終盤に向けていい形を作るためにも、明日はドライバーにもスタッフにもハッパをかけて頑張らせます!」