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SUPER GT RACE REPORT

2011年 SUPER GT 第3戦 SEPANG <決勝>

2011年6月19日(日) Final決勝レース
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/平手晃平
決勝総合結果 5位
<決勝> 天候:晴|コース状況:ドライ

 2011年 SUPER GT 第3戦 SEPANG <決勝>土曜の予選では見事スーパーラップ進出を果たすも、9番手に留まった#38 ZENT CERUMO SC430。午前の走り出しはバランス的に苦しんだものの、それをうまくリカバーしてのスーパーラップ進出は、9番手という予選ポジション以上にチームに取っては大きな手応えとなった。しかし、トップのマシンとのタイム差は大きく、上位進出のためには決勝での追い上げが不可欠。そのため、チームは日曜午前9時40分からのウォームアップ走行を前に、いつものようにピット作業のシミュレーションを入念に行うなどして走行に臨んだ。

 午前9時40分とはいえ、南国特有の日差しが照り付ける中始まったウォームアップ。30分間のこのセッションに際しLEXUS TEAM ZENT CERUMOは、まずは立川がステアリングを握ってコースイン。決勝に向けた最終調整の場とあってか、じっくりと2分03秒台、02秒台、さらに01秒台とペースを上げつつ周回を重ねて行った立川は、開始13分のところで2分00秒138にタイムアップし、この時点での3番手につける。

 このラップの翌周に立川はピットイン、このタイミングでタイヤを換え、若干のセットアップ修正を行うと、コクピットには平手が乗り込み、再び#38 ZENT CERUMO SC430はピットを離れて行く。

 コースに出た平手も、最初は2分03秒台での周回を行うが、すぐに2分01秒台にタイムアップ。チェッカーを受けたファイナルラップには、2分00秒799をマークし走行を終了。最終的に7番手でこのウォームアップを終えた#38 ZENT CERUMO SC430は、この後10分間のインターバルをおいて行われたサーキットサファリの時間帯にも平手、立川の順で精力的に走行を重ね、午後4時からの決勝に向けた準備を整えることとなった。

 そして午後2時55分、スタート進行が始まり8分間のウォームアップが始まった。今回、スタートドライバーを務めるのは平手。平手は#38 ZENT CERUMO SC430のステアリングを握り、スタートから約1時間前のコース上へと出て行くと、チェッカーまで3周を計測。最終的に2分01秒660をマークして6番手につけるとピットイン。そして再びピットロード出口の信号がグリーンになるとピットを離れた平手は、#38 ZENT CERUMO SC430を9番グリッドへとつける。

 気温34度、路面温度43度というコンディションとなる中、マレーシア、日本両国の国歌斉唱や和太鼓の演奏などが行われ、ついに午後4時にフォーメイションラップがスタート。1周の後、46周の決勝レースが始まった。

 鋭く加速した平手は1コーナーへと飛び込んで行くが、前方で2台のマシンが接触しコースアウト。これによってふたつポジションを上げた#38 ZENT CERUMO SC430は、1周目に#100 RAYBRIG HSV-010に仕掛けるも、オーバーテイクはならず、7番手でオープニングラップを終える。

 前を行く#100 RAYBRIG HSV-010を追う平手だったが、背後には#36 PETRONAS TOM'S SC430が僅差で追走しており、なかなか気が抜けない序盤戦が続くものの、3〜4台のマシンが終始コンマ数秒差でひしめき合う中にあっても力強いレースを続ける。

 6周目、#100 RAYBRIG HSV-010が最終コーナーでスピンし、6番手となった平手の目前に今度は#24 ADVAN KONDO GT-Rが立ちはだかる。ペースの遅い#24 ADVAN KONDO GT-Rながら、巧みなブロックラインを使うなど、なかなか攻略出来ずにいたところで、8周目に周回遅れに詰まったところをうまく突かれ、平手は#36 PETRONAS TOM'S SC430の後塵を拝し7番手となる。

 2011年 SUPER GT 第3戦 SEPANG <決勝>しかし、平手はしぶとく前を行く#24 ADVAN KONDO GT-Rと#36 PETRONAS TOM'S SC430を追走、テール・トゥ・ノーズ状態のままレースは中盤へと入って行く。すると16周終了時に#24 ADVAN KONDO GT-Rがピットイン、#38 ZENT CERUMO SC430は6番手に浮上。さらに20周終了時点では#36 PETRONAS TOM'S SC430もピットに飛び込み、平手は5番手に。

 ここでチームはほぼ当初の予定どおり、21周終了時に平手をピットに呼び寄せる。スタッフたちは、25秒とライバル陣営を上回る早さで作業を終えると、立川を後半のコース上へと送り出す。

 25周という残り周回を考え、平手が装着していたタイヤよりも、ややハード寄りのタイヤを履いた立川は、#36 PETRONAS TOM'S SC430よりも前でコース復帰するものの、コールドタイヤを履いているため、すぐに#36 PETRONAS TOM'S SC430の先行を許してしまう。

 予想よりもタイヤのウォームアップに時間が掛かったこともあり、一時は#36 PETRONAS TOM'S SC430に5秒ほどの差をつけられてしまった#38 ZENT CERUMO SC430。しかし立川は、タイヤが本来のパフォーマンスを発揮し始めるとペースアップ。逆にペースのやや鈍リ始めた#36 PETRONAS TOM'S SC430を追いつめて行く。

 その立川の目前に、29周目にピットアウトして来た#23 MOTUL AUTECH GT-Rが現れる。しかし、タイヤ無交換作戦を採っていたGT-Rはペースが悪く、30周目に立川は難なくこれをオーバーテイク。この時点で#38 ZENT CERUMO SC430は6番手に浮上する。

 35周目、ついに#36 PETRONAS TOM'S SC430のテールを捕らえた立川は、スリップを奪いながら幾度もオーバーテイクを仕掛けて行くが、相手もそう易々とは抜かせてくれない。ピットではスティントを終えた平手が食い入るように立川と#36 PETRONAS TOM'S SC430の攻防を見つめている。

 そしてついに41周目の1コーナーで#36 PETRONAS TOM'S SC430のインに飛び込んだ立川は、3コーナーまで並走して抵抗する#36 PETRONAS TOM'S SC430を攻略。#38 ZENT CERUMO SC430の5番手浮上に、ピット内では歓声が上がる。

 最後まで手綱を緩めない立川は、前を行く#24 ADVAN KONDO GT-Rを追ったものの、残り周回も少なく、#38 ZENT CERUMO SC430は5番手でチェッカー。レクサス勢の最上位フィニッシュを果たすとともに、初戦富士に並ぶ6ポイントを獲得することとなった。

2011年 SUPER GT 第3戦 SEPANG <決勝>ドライバー/立川 祐路
「硬めのタイヤを履いて出たこともあって、コースイン直後は少しウォームアップが厳しかったのですが、序盤にややタイヤを労ったこともあり、その分後半に良いペースで追い上げることが出来ました。平手と同じ柔らかめのタイヤを履くということも考えましたが、硬めのタイヤは昨年も履いて実績のあるものでしたし、正しい選択だったと思います。36号車との戦いは、向こうも相当頑張っていましたし、なかなか厳しかったのですが、軽く接触しながらも抜くことが出来ました。5位ということである程度ポイントも獲得出来ましたが、ライバルメーカーのマシンとの差が大きかったので、その点では満足していません。今後のレースに向けて、もっとクルマを速くする努力もしていかなければならないと感じましたね」

2011年 SUPER GT 第3戦 SEPANG <決勝>ドライバー/平手 晃平
「このチームで初めてスタートを担当させてもらったのですが、リスキーな1〜2コーナーも冷静に周囲を見ながらうまくポジションを上げられました。24号車をどう攻略しようかというところで周回後れをかわす位置取り違いから36号車に先行されてしまったのですが、結果としてうまくポジションを上げてミスなく立川さんに繋ぐことが出来たと思いますし、自分の中では良い仕事が出来たんじゃないかと思っています。決勝でも上位のHSVやGT-Rのペースはやはり速く、差を痛感しましたが、それでもレクサス勢のトップを獲れたということで、大きな収穫があったレースだったと思います」

監督/高木虎之介
「今大会のレクサス勢は、少し他メーカーに対してパフォーマンス的に負けている部分があったと思いますが、その中でも5位に食い込めたということはポジティブに捉えたいと思います。平手が初めてのスタートをやったのですが、しっかりとこなしてくれたと思いますし、これなら今後も戦略の選択肢に入れられるでしょう。また、24号車や36号車の前に出られたという点で、ピットの作業も非常に良かったと思いますし、平手はアンドレ・ロッテラー選手と、立川は中嶋一貴選手と、それぞれ面白い攻防を見せてくれて、チーム全体として凄く良いレースが出来たと思います」