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SUPER GT RACE REPORT

2011年 SUPER GT FUJI SPRINT CUP <決勝>

2011年11月12日(土) Final決勝レース1 2011年11月13日(日)Final決勝レース2
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/平手晃平
決勝結果 レース2 立川 祐路:12位
<決勝> 天候:晴れ|コース状況:ドライ

2011年 SUPER GT FUJI SPRINT CUP <決勝> 爽やかに晴れ渡った晩秋の空の下、ついに最終日を迎えたJAF GP。この日の富士スピードウェイには多くの観客が訪れ、午前10時過ぎからはFニッポン、スーパーGT両カテゴリーのマシンが勢揃いしてオープニングセレモニーが行われた。LEXUS TEAM ZENT CERUMOも今日の第2レースを担当する立川のドライブで#38 ZENT CERUMO SC430をグリッドに並べ、華やかな雰囲気の中オールグリッドウォークなどに参加、イベントの盛り上げに一役買う形となったが、特別戦とはいえチームとして今季最後のレースに向け、徐々に心地良い緊張感を高めて行くこととなった。

 Fニッポンの決勝、レジェンドカップ、そしてGT300の決勝とプログラムが進み、いよいよGT500の第2レースがスタートを迎えるころには、陽が西にかなり傾き、100Rあたりには路面に長い日陰が出来ている状況。まばゆい黄金色の西日の中、ついに午後3時25分、GT500第2レース決勝はフォーメイションラップのスタートの時を迎えた。

 #38 ZENT CERUMO SC430を駆る立川は、アウト側7番手のグリッドからロケットスタートを決めるべく、スタートに照準を合わせて集中を高める。

 レッドシグナルが消えると、立川は絶好のスタートダッシュを見せる。しかし、前の#19 WedsSport ADVAN SC430をかわそうと中央に切れ込んだ#38 ZENT CERUMO SC430の前に、その#19 WedsSport ADVAN SC430が同じように切れ込んで来てしまう。3番グリッドの#24 ADVAN KONDO GT-Rがエンジンストールしていたために、#19 WedsSport ADVAN SC430もそれを避けるべく中央よりのラインを選ばざるを得なかったためだが、勢い良く加速途中にあった立川の#38 ZENT CERUMO SC430は、アクセルを抜いたものの間に合わず、#19 WedsSport ADVAN SC430に追突。その衝撃で横を向いた#19 WedsSport ADVAN SC430はイン側にいた#12 カルソニック IMPUL GT-Rに接触するなど、大きなアクシデントが発生してしまう。

 波乱のオープニングラップをポジションキープの7番手で終えた#38 ZENT CERUMO SC430は、前を行く#23 MOTUL AUTECH GT-Rを追うが、序盤にペースが上がらずポジションを下げて来た#32 EPSON HSV-010を2周目の300Rで並びかけ、ダンロップコーナーで捕らえた立川は6番手に。

 3周目に1分36秒153をマーク、さらに4周目には1分35秒664と自己ベストを更新しながら周回を重ねる立川だったが、それを上回るペースで追い上げて来た#36 PETRONAS TOM'S SC430との攻防を強いられ、6周目の1コーナーではついに#36 PETRONAS TOM'S SC430の先行を許してしまう。

 2011年 SUPER GT FUJI SPRINT CUP <決勝> すると、追い打ちを掛けるように7周目にはスタート直後の接触行為に対し、#38 ZENT CERUMO SC430にはドライブスルーペナルティーの裁定が下されてしまう。

 翌周にはピットインし、ペナルティーを消化した#38 ZENT CERUMO SC430は、13番手にまで後退を余儀なくされてしまうが、10周目にはスタート直後の1コーナーで接触をして同様のペナルティーを受けた#23 MOTUL AUTECH GT-Rがドライブスルーを消化し、単独走行となっていた#38 ZENT CERUMO SC430の目前にピットアウトしてくる。

    

 ターゲットを得た立川は、1分35秒台の好ラップタイムを連発しながら#23 MOTUL AUTECH GT-Rに仕掛けて行くが、相手も速くなかなか攻略の糸口は掴めない。18周目には#23 MOTUL AUTECH GT-Rとともに#32 EPSON HSV-010を捕らえて12番手に浮上した立川だったが、残念ながらテール・トゥ・ノーズの争いを演じるも、最後まで#23 MOTUL AUTECH GT-Rをかわすことが出来ぬまま22周を走り切って12位でチェッカーを受けることに。

 

 今季最後のレースを勝利で飾ることが出来なかった#38 ZENT CERUMO SC430とLEXUS TEAM ZENT CERUMOだが、それでも決勝中のペースは上位陣と遜色はなく、スタート直後の接触さえなければと悔やまれる部分はあるものの、パフォーマンスの面で納得の行く特別戦となった。

ドライバー/立川 祐路
「スタートが凄く良かったので、中央から#19 WedsSport ADVAN SC430をかわそうと動き出したのですが、その前の#24 ADVAN KONDO GT-Rがストールしていることまでは、フォーミュラカーならばいざ知らず、スタンディングスタート時のGTマシンのコクピットからはまったく見えず、予想外の動きに追突を避けることが出来ませんでした。なんとかアクセルを抜いて追突を避けようと努力したのですが……。あの状況での接触にペナルティーが出されたことは仕方ありませんが、どうしても避けられませんでしたね。これで今季すべてのレースが終わったわけですが、レクサス勢ではトップとはいえライバルメーカーのマシンとは差があった1年でしたし、これから始まるオフでしっかりクルマを速くして、良い状態で来年の開幕を戦えるようにしなければなりませんね」

ドライバー/平手 晃平
「今年はレクサス勢にとっては厳しい1年になりました。クルマ的に他メーカーと比べてパフォーマンスに差があったと思いますが、後半エンジンが良くなったりだとか、少しずつ上り調子というか、差を縮めることができたという手応えがありました。このままオフのテストではしっかり空力などのアップデートパーツを開発し、それを使いこなせる状態で開幕出来れば必ず来年は良いシーズンになると思います。僕自身も前半戦は気負っていたというか、空回りしていた部分もあったと思いますが、富士以降レース運びなどの面で良くなったので、来年はこの調子で最初からガンガン行けると確信しています。来年こそ(タイトルを)狙って行きたいと思います」

監督/高木虎之介
2011年 SUPER GT FUJI SPRINT CUP <決勝> 「スタートでは立川が凄く良いスタートを切ってくれたのですが、運悪くふたつ前のグリッドの#24 ADVAN KONDO GT-Rがストールしていて、それを避けようと#19 WedsSport ADVAN SC430が動き、立川も行き場を失ってしまったのだと思います。立川もアクセルを戻していたようですし、それでも接触してしまったことはもう、仕方がなかったのでしょう。ただ、みんながストールしたマシンを避けている中で起こったアクシデントなので、それに対してペナルティーという裁定には少し納得行かない部分がありますが……。いつもタラレバになってしまいますが、レース中のペースは非常に良かったので、スタートでのアクシデントがなく、まともに走れていれば本当に表彰台に上がれていたんじゃないかと残念です。ただ1年を総括すれば、終盤には全体的に良くなってきていましたし、クルマのセッティングと、ドライバーの力と、チームの力が噛み合えば来季は結果が残せると思います。長いシーズン、必ずそういうものが噛み合わなくなってリズムが崩れてしまうことはありますが、それをいかにうまく安定させることが出来るかがポイントになってくるでしょうね」

決勝結果 レース1 平手 晃平:5位
<決勝> 天候:曇り|コース状況:ドライ

2011年 SUPER GT FUJI SPRINT CUP <決勝> ピットウォークなどを終え、コースが完全なドライコンディションとなった午後3 時15 分。いよいよGT500 の第1 レースがスタートのときを迎えた。昨日の予選で10 番手となっていた平手の駆る#38ZENT CERUMO SC430 は、1 周のフォーメイションラップの後、このレースのみ採用されているスタンディングスタートに臨んだ。

 レッドシグナルが消え、抜群のスタートを決めた平手は大きくポジションアップに成功。1〜2 コーナーで起こった3 番手争いの混乱もうまく避けた#38 ZENT CERUMO SC430 は、#23 MOTULAUTECH GT-R や#36 PETRONAS TOM'S SC430 とバトルを展開しながら、オープニングラップを7 番手で終える。

 しかし、後半重視のセットアップだったためか、序盤今ひとつペースが上がらない#38 ZENT CERUMO SC430は、2 周目の13 コーナーで背後の#19 WedsSport ADVAN SC430 にリヤをヒットされてしまい、たまらず平手はスピン。なんと最後尾にまでドロップしてしまう。

 後方からの仕切り直しを強いられた平手だったが、この苦境の中、#38 ZENT CERUMO SC430 が徐々に本来のペースを取り戻し始める。3 周目に#8 ARTA HSV-010 をかわし13 番手とすると、4 周目には12 番手に。6 周目にスタート位置である10 番手にポジションを戻した平手は、1 分36〜37 秒台と安定した好ペースで周回を重ね、じりじりと前を行く#39 DENSO SARD SC430 を追いつめて行く。

 #17 KEIHIN HSV-010、#100 RAYBRIG HSV-010、#39 DENSO SARD SC430、そして#38 ZENT CERUMO SC430 と四つ巴の接戦となったレース中盤、ブレーキングでのパフォーマンスの良さを活かした平手は12 周目のダンロップコーナーで#39 DENSO SARD SC430 をパスし9 番手に。さらに翌周の1 コーナーでは#17 KEIHIN HSV-010 のインに飛び込み、8 番手へとポジションを上げて行く。

 13 周目に1 分36 秒470、14 周目に1 分36 秒306 とベストラップを更新しながら快進撃を続ける平手は15周目に#100 RAYBRIG HSV-010 を捕らえ7 番手に浮上すると、最後まで追撃の手を緩めることなく21 周目には#6 ENEOS SUSTINA SC430 をかわし6 番手に。

 2011年 SUPER GT FUJI SPRINT CUP <決勝>さらにファイナルラップの最終コーナーで、前を行く#19 WedsSport ADVAN SC430 がイン側のラインをキープするのを見た平手は、迷わずアウトからアプローチし、クロスラインを採って立ち上がりで#19 WedsSport ADVAN SC430 に並びかける。

 サイドby サイドでフィニッシュラインまでの加速競争に持ち込んだ平手は、ほぼ真横に並んだ状態でチェッカーを受ける。その瞬間、タイミングモニターの表示は#38 ZENT CERUMO SC430 が5 位、#19 WedsSportADVAN SC430 が6 位に。なんとその差100 分の1 秒という僅差ながら、文字通り鼻差で#19 WedsSport ADVAN SC430 を刺し切った#38 ZENT CERUMO SC430 は、平手の奮闘によって波乱のレースを見事5 位という好リザルトで終えることとなった。

ドライバー/平手 晃平
「スタートがとても決まって、一時は5 番手あたりまで行ったのですが、序盤ちょっとペースが良くなかったところでプッシュされてしまって。結構インを占めていたつもりだったのですが、ミラーでも見えないところで避けられませんでした。スピンを喫してしまいましたが、終わってから片岡選手もひと言謝罪に来てくれましたし、あれは仕方がなかったかなと。ただ、それから気を取り直して追い上げて行ったのですが、特に後半のバランスが良く、ブレーキでの安定感もあったので、コーナーへの飛び込みで何台もパスすることが出来ましたし、いったん最後尾に落ちたものの、終わってみれば5 位ということで個人的には今季最後のレースを楽しむことが出来ましたし、良いレースが出来て良かったです。明日は立川さんの第2 レースが残っていますから、良いレースを期待して応援しようと思います」

監督/高木虎之介
「スタートは凄く良かったんですが、接触してしまったので結果的に出入りの激しいレースになりましたね。スピンをして最後尾になってしまったのは残念でしたが、最初少しペースが悪かったようですし、避け切れなかったわけですから、状況的に接触も仕方なかったのでしょう。あれがなければもうちょっと上の順位に行けたかもしれませんし、表彰台も狙えたかもしれないので少し残念ですが、最後尾から5 番手ですからまぁ良しとしなければとも思います。決勝で初めて完全なドライになりましたが、クルマ的にも悪くはなかったんじゃないかと。前半は今ひとつでしたが、後半はペースも良かったので、そのあたり明日に向けて多少調整が必要かと思いますが、今日の雰囲気であれば明日の立川は表彰台に行けそうな気がしています」