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SUPER GT RACE REPORT

2015年 SUPER GT 第7戦 AUTOPOLIS <決勝>

2015年11月1日(日) Final決勝レース
ZENT CERUMO RC F#38 立川祐路/石浦 宏明
決勝総合結果 4位
<決勝> 天候:曇りのち雨|コース状況:ドライ&ウェット

2015年 SUPER GT 第7戦 AUTOPOLIS <決勝> 土曜の公式予選ではポールポジションにこそ手が届かなかったものの、2番手と好グリッドを獲得した#38 ZENT CERUMO RC F。タイトル争いの主導権を握るべく、このオートポリス大会では是が非でも上位入賞を果たしたいLEXUS TEAM ZENT CERUMOは決勝に向けて、まずは午前9時からのフリー走行に臨んだ。

 この日のオートポリスは、上空に雲が広がり朝からかなりの冷え込みを見せ、フリー走行時のコンディションは気温9℃、路面温度11℃という状況。まずは立川がステアリングを握った#38 ZENT CERUMO RC Fは、セッション開始と同時にコースイン、連続周回に入る。1分44秒142、1分41秒526、1分38秒130とタイムを上げて行った#38 ZENT CERUMO RC Fは、序盤は5〜6番手あたりにつける。さらに1分37秒551にタイムアップした立川は、セッション半ばの午前9時16分にピットイン。ドライバーを石浦に交代、4輪タイヤ交換と給油というピットストップシミュレーションを行ったLEXUS TEAM ZENT CERUMOは、そのまま石浦を送り出す。

 ピットアウトした石浦は、いきなり1分36秒634の好タイムをたたき出し、#38 ZENT CERUMO RC Fをモニターの3番手に押し上げる。石浦はさらに数周し、午前9時26分にいったんピットインも、すぐさまピットアウト。石浦はそのままチェッカーまで走行し、#38 ZENT CERUMO RC Fはこのフリー走行を4番手で終えることとなった。

 午後零時50分からの8分間のウォームアップ走行で、スタートドライバーを務める立川のドライブで最後のセットアップ確認を行った#38 ZENT CERUMO RC Fは、午後1時05分にピット出口がオープンされるとダミーグリッドへ。フロントロウ、イン側の2番グリッドにマシンを止めた立川は、いったんマシンを降り華やかなスタート進行の中、徐々に集中を高めて行った。

 いよいよ午後2時。相変わらずの曇天下ながら、お馴染みとなった警察車両によるパレードラップがスタート。立川駆る#38 ZENT CERUMO RC Fも、ポールシッターの#12 カルソニック IMPUL GT-Rに続いて隊列に加わる。さらにもう1周のフォーメーションラップを終え、午後2時07分についに65周の決勝レースがスタートした。

 

 鋭く加速した#38 ZENT CERUMO RC Fの立川は、背後の#1 MOTUL AUTECH GT-Rをけん制しつつ、1コーナーでは#12 カルソニック IMPUL GT-Rに並びかけるものの、トップ浮上は果たせずポジションキープの2番手のままオープニングラップを終える。

 #12 カルソニック IMPUL GT-Rを追う立川、そして前後のGT-R2台によるトップ3台は、後続を引き離しつつ、約2秒前後の等間隔で序盤レースをリードしていく。しかし6周目には早くも周回遅れが出始め、ラップタイムは一気に40秒台となってしまい、この機を捉えた立川は#12 カルソニック IMPUL GT-Rとのギャップを1秒2に詰めることに成功。さらに#12 カルソニック IMPUL GT-Rを追いつめ、9周終了時点ではその差を0.7秒とした#38 ZENT CERUMO RC Fは、さらに翌周にはコンマ3秒差のテール・トゥ・ノーズに持ち込む。

 11周目の最終コーナーで#12 カルソニック IMPUL GT-Rのテールに張り付いた立川は、12周目の1コーナーで#12 カルソニック IMPUL GT-Rに並びかけるが、ここは#12 カルソニック IMPUL GT-Rが踏ん張り逆転はならず。そこから再び周回遅れが絡み始め、再び#12 カルソニック IMPUL GT-Rとのギャップが2秒ほどに拡大してしまう。

2015年 SUPER GT 第6戦 AUTOPOLIS <決勝> ところが17周目に再びトップ2台はテール・トゥ・ノーズに。ここで再び#12 カルソニック IMPUL GT-Rに仕掛ける立川だったが、#12 カルソニック IMPUL GT-Rとともに周回遅れに詰まった際に、背後に#1 MOTUL AUTECH GT-Rの接近を許すこととなり、トップ争いは三つ巴の攻防に。なんとか2番手を死守した立川だったが、逆にトップの#12 カルソニック IMPUL GT-Rとのギャップは拡大してしまう。このまま2位をキープしていた立川だったが、雨が部分的に降り始める中、なんと24周目の第2ヘアピンの進入でまさかのコースアウトを喫してしまう。なんとかコース復帰を果たした立川だが、このアクシデントにより#38 ZENT CERUMO RC Fは#1 MOTUL AUTECH GT-Rの後塵を拝し3番手に後退することに。

 そのまま周回を続けた立川は、35周目に#1 MOTUL AUTECH GT-Rがピットインしたことで2番手に復帰。その直後の37周目に立川はピットインし石浦にバトンを託すことに。メカニック達は迅速なピット作業で石浦をコースに送り出す。

 コースに復帰した#38 ZENT CERUMO RC Fは、6番手でコースに復帰。#39 DENSO KOBELCO SARD RC Fをパスした石浦は5番手に浮上、さらに他車のピットインで4番手につけるが、前には先にピットを終えていた#36 PETRONAS TOM’S RC Fが入ってしまっている状況となった。雨が断続的に降る中、石浦は#36 PETRONAS TOM’S RC Fを追いつめて行く。

 45周目に3.4秒、46周目には1.9秒と#36 PETRONAS TOM’S RC Fに迫ると、48周目にはテール・トゥ・ノーズに持ち込む。落ち着いてチャンスを待った石浦は、50周目の3コーナーで#36 PETRONAS TOM’S RC Fのインを奪い、3番手にポジションを上げることに成功。#38 ZENT CERUMO RC Fは再び表彰台圏内に入って行くが、トップ2台のGT-R勢とのギャップは15秒と大きいままレースは終盤に向かう。

 しかし、再び雨が強まる難しいコンディションの中で最後まで諦めず前を追った石浦だったが、大きなギャップを詰め切ることは出来ず。このまま3番手でフィニッシュかと思われた最終ラップ、#38 ZENT CERUMO RC Fの背後に#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTが肉薄。石浦は必死の防戦を見せるも、3コーナーでポジションを奪われてしまい、4番手に後退。そのまま4位でのチェッカーを受けることとなった。

 最後の最後で表彰台を逃した#38 ZENT CERUMO RC Fだが、この4位によって合計53ポイントとしてランキングは3位に浮上。しかしながら、66ポイントでポイントリーダーの#12 カルソニック IMPUL GT-Rとは13ポイント差と、このレースウィークを迎える前よりも差が拡大する結果となってしまった。残るは最終戦のもてぎ1戦のみ。逆転タイトルのためには、最終戦で勝つしかないLEXUS TEAM ZENT CERUMOだが、文字通りもてぎではしっかりと結果を残し、人事を尽くして天命を待つだけとなった。

ドライバー/立川 祐路
 「チャンピオンシップを考えると、やはりここでGT-R勢にポイント差を拡げられたくなかったので、序盤からかなりプッシュして行きました。その結果ミスもあったのですが、それぐらい頑張って行かないといけないことは分かっていましたし、とにかく前に、と思って走りました。コースアウトしたときは雨も降ってはいましたが、直前にGT300を抜く際にラインを外していたので、タイヤが汚れていたのだと思います。ブレーキングでロックしてしまって飛び出して……。最後は石浦も頑張ってくれたのですが、惜しくも4位ということでポイント差を拡げられてもてぎに向かう結果となりました。正直チャンピオンシップは厳しくなりましたが、決して諦めた訳ではないですし、僕たちは追いつめられた状況から過去タイトルを獲って来たという自信もありますから、最終戦では精一杯戦いたいと思います」

ドライバー/石浦 宏明
「ピットアウトした時点でのトップとのタイム差と、ほとんど同じタイム差のままでフィニッシュしていますし、自分たちの持てるものを出し切って戦ったという手応えは感じています。しかし、最後にもの凄いペースで17号車が来ているのは分かりましたが、抑えるのは難しいなと思っていました。最終ラップに追いつかれる状況は想定していましたが、3コーナーで並ばれた時に立ち上がりでクロスラインを狙ったものの、無理をすれば接触してしまう状況でしたし、そこですべてを失うわけには行きませんでした。この結果は残念ですが、最後のもてぎでは自分たちの力を出し切って、出来る限りのレースをして優勝することしかないと思います」

監督/高木虎之介
「今日の決勝では前半は周回遅れに引っ掛かるタイミングも悪くなく、立川が頑張って12号車を追いかけ回す展開となったのですが、やはり結果的には速さの差が出たように思います。トップを追って行く中で、コースアウトするミスもありましたし、ピット作業でもやや遅かったのではないかと。後半の石浦のスティントでも、終盤はトップと変わらないペースで走ってくれたのですが、それを上回る圧倒的な速さで17号車が来てしまって……。表彰台を逃してしまい、残念ではありますがどうしようもなかったと思います。表彰台まで行き切れなかったという部分はまだチームとしての課題なのかもしれませんが、最終戦に向けてはもう自分たちがまずは勝って、あとは他の結果を見守るしかないですね」