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SUPER GT RACE REPORT

2018年 SUPER GT 第8戦 MOTEGI <決勝>

2018年11月11日(日) Final決勝レース
ZENT CERUMO LC500 #38 立川祐路/石浦 宏明
決勝結果 2位
<決勝> 天候:晴れ|コース状況:ドライ

2018年 SUPER GT 第8戦 MOTEGI <決勝> 11月10日(土)に行われた公式予選では、セットアップの好調さとともにレクサス勢最上位の4番手グリッドを獲得し、決勝に向けて期待を抱かせたLEXUS TEAM ZENT CERUMO。明けた11月11日(日)の決勝日は、澄みわたるような秋晴れのもと、3万7000人もの大観衆がツインリンクもてぎを訪れた。今季、なかなか手が届かなかったZENT CERUMO LC500の優勝に向けた舞台は整った。

 そんななか、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは決勝レースに向け、午前11時55分から行われたウォームアップ走行に臨んだ。ZENT CERUMO LC500は立川祐路がステアリングを握りコースインし、途中で石浦宏明に交代。1分40秒095というベストタイムをマークし、8番手で終えた。ZENT CERUMO LC500のフィーリングは前日に続き良好だ。チームは優勝に向けたしかな手ごたえを得て、午後1時30分からの決勝レースに挑むことになった。

 スタートドライバーを務めたのは立川。オープニングラップ、トップの#8 NSX-GTが逃げる一方、立川は前を走る3番手の#64 NSX-GTを追う。5周目にGT300クラスのマシンが目の前に現れると、立川は持ち前のテクニックでラップダウンをうまくかわし、8周目には#64 NSX-GTのテールに食らいついた。

2018年 SUPER GT 第8戦 MOTEGI <決勝> 立川はコーナーではしっかりと追いついていくものの、#64 NSX-GTはストレートも速く、なかなかオーバーテイクに至らない。GT300マシンたちをうまく使いながら、時折インをうかがう立川だが、そうこうするうちにトップ2台は逃げてしまう。ジリジリとした展開で、このままではタイムロスが大きくなってしまう。LEXUS TEAM ZENT CERUMOは立川と無線でコミュニケーションをとりながら、ピットに呼び戻すことを決断する。

 21周を終え、立川はZENT CERUMO LC500をピットに戻し、給油とタイヤ交換を行い、石浦に交代する。ただ同じタイミングで#64 NSX-GTもピットインしたため、ふたたび石浦の前に入ってしまった。

 ただ、ピットイン後のペースは明らかに石浦の方が速い。28周目、石浦は#64 NSX-GTのリヤに食らいつくと、30周目の130RからS字にかけての攻防でついに#64 NSX-GTをオーバーテイク。前に出た。同じ周、それまでトップを走っていた#100 NSX-GTと#1 LC500がピットインし、石浦の後方につけていたことから、これでZENT CERUMO LC500は2番手に浮上する。

 しかしピットインを終えた#100 NSX-GTは、急速に石浦とのギャップを迫ると、33周目には石浦に対してオーバーテイクを仕掛けてきた。#100 NSX-GTはチャンピオンを争うマシンだが、是が非でも今季初優勝が欲しい石浦にとっては、そう簡単に抜かせるわけにはいかない。石浦は絶妙なラインどりで#100 NSX-GTのアタックをしのぐと、少しずつそのギャップを広げていくことに成功した。

2018年 SUPER GT 第8戦 MOTEGI <決勝> ふだんよりも短い53周で争われる今回の第8戦もてぎだけに、#100 NSX-GTを退けた石浦が40周を迎える頃には、もうレースは終盤だ。このまま2位でフィニッシュか……? と思っていると、石浦の眼前にオレンジ色のマシンが近づいてきた。トップを走っていた#8 NSX-GTが接近してきたのだ。

 

 今季初優勝に向け、大きなチャンスがLEXUS TEAM ZENT CERUMOにやってきた。石浦は48周目、GT300クラスのマシンを使いながら、ついに0.683秒差まで#8 NSX-GTとのギャップを縮めていく。残すは5周。このままプッシュを続ければ、勝利を飾って今シーズンを終えることができるかもしれない。

 しかし#8 NSX-GTは、最後まで石浦にオーバーテイクのチャンスを許すことがなかった。53周を終え、ZENT CERUMO LC500は2位でチェッカーを受けることになった。表彰台は獲得したとはいえ、勝利を狙っていただけに一抹の悔しさが残る結果となった。

 ただ、持ち込みで好セットアップを見つけ、さらに予選、決勝を通じて力強い戦いをみせた今回のZENT CERUMO LC500。このレースを常に続けることができれば、目標のチャンピオンは自ずと転がり込んでくる。来たる2019年こそ、本来いるべき位置を目指そう……。LEXUS TEAM ZENT CERUMOは来季に向け熱い闘志を燃やしつつ、今シーズンの戦いを終えることになった。

2018年 SUPER GT 第8戦 MOTEGI <決勝>ドライバー/立川 祐路
 「序盤、#64 NSX-GTのペースも良く、なかなかオーバーテイクを仕掛けるまでに至らなかったことで、後半戦にチャンスを託そうとチームと無線で連絡を取りながら、レースを進めていきました。その決断は結果的に良かったと思います。自分のスティントでは、できる限りのことができたと思いますし、ライバルが速かったなかで僕たちのクルマのフィーリングも良かったです。今季最終戦で、いい戦いはできたのではないでしょうか。ただ、チャンピオン争いには届かなかったので、来季はしっかりリベンジしたいと思っています」

 

ドライバー/石浦 宏明
「レース序盤は全車ともタイヤの性能も高く、なかなかオーバーテイクには至らなかったことから、立川選手から『何か動かないと』と無線が入り、早めにピットインを決めました。レース後半は自分の方が#64 NSX-GTよりも速く、うまくパスすることもでき、その後#100 NSX-GTが迫ってきましたが、自分たちも勝ちたかったですし、なんとかしのぐことができました。その後#8 NSX-GTが前に出てきたので、チャンスと思い前を追いましたが、残念ながら届きませんでした。優勝はできませんでしたが、今回予選からずっとレクサス勢の最上位にいることができましたし、クルマも今年いちばんいいフィーリングでした。勝てませんでしたが、自分たちの実力を出し切るレースが最後にできたと思います。その点では来季に繋がる戦いができたのではないでしょうか」


監督/浜島裕英
「シーズンを振り返ると、今季1勝もすることができなかったので、そこは非常に残念に思っています。その点は何が悪かったのか、きちんと振り返らなければいけません。しかし今日みせてくれたように、持ち込みのセットアップのポテンシャルが高ければ、私たちのドライバーは表彰台を争う戦いをしてくれると確信をもつことができました。2018年、応援してくださった皆さんに感謝するとともに、ぜひ来年もLEXUS TEAM ZENT CERUMOを応援していただければ幸いです」