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SUPER GT RACE REPORT

2009年 SUPER GT 第7戦 FUJI <決勝>

2009年9月13日(日) Final 決勝
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/リチャード・ライアン
決勝総合結果:10位
<決勝> 天候:晴れ コース状況:ドライ

2009年 SUPER GT 第7戦 FUJI <決勝> 終日ウエットコンディションとなった土曜から一転、曇りがちながらも晴れ間も見える空が広がった日曜。前日の雨の影響で、路面の一部に黒く濡れた箇所が残る路面コンディションの中、午前8時30分からフリー走行が行われた。気温19℃、路面温度20℃で始まったセッションに先駆け、LEXUS TEAM ZENT CERUMOではドライバーふたりも参加してのピットストップ・プラクティスを行うなど、決勝に向けての準備も怠りなく進められ、その流れのままのセッション突入となった。

 走行開始直後はライアンがピットイン&アウトを繰り返し、決勝用スリックタイヤの皮剥きを行う。前日がウエットコンディションとなったために、スリックタイヤの準備ができていないためだが、これは各陣営も同じ。約10分ほどをこの作業に費やした後、ライアンは連続周回に入り、1分37秒830をマーク。残り8分の段階でピットに戻ったライアンはマシンを降り、立川にステアリングを託す。ここでサスペンション周りのセットアップに修正を加えたチームは、再び#38 ZENT CERUMO SC430をコースに送り出すことに。セッション後半はまぶしい日差しがコースに降り注ぐ中、ここから周回を重ねた立川はチェッカー提示直後に1分37秒 259をマークし、9番手にポジションを上げてピットへ。さらにチームはこの後に行われたサーキットサファリの時間も有効に活用しつつ、決勝へのセットアップを進めることとなった。

 サイン会やファンイベントなど、慌ただしく時間が過ぎた午後1時05分、決勝前のフリー走行が始まった。#38 ZENT CERUMO SC430のコクピットには、スタートドライバーを務めるライアンが座り、決勝前の最後のフィーリング確認を行う。ピットに戻った#38 ZENT CERUMO SC430にスタッフが取り付き、給油に、セットアップ変更にと忙しく準備を進める中、ライアンはスポットクーラーの冷気を浴びながら、ドリンクを口に。決勝への集中力を高めていく。そして午後1時20分、ピットを離れた#38 ZENT CERUMO SC430は13番グリッドにつく。

 迎えたフォーメイションスタートは午後2時。1周の後、いよいよ決勝が始まった。後方から追い上げを狙うライアンは鋭い加速で1コーナーへ。しかし、前方の上位集団で接触が起こり、#32 EPSON NSXが1コーナーでスピン、これを避けるためにライアンはブレーキを踏まざるを得なかったものの、混乱の中で多くのマシンが接触するなどしたことから、 1周目を終えてホームストレートに戻ってきた#38 ZENT CERUMO SC430は、8番手と一気にポジションアップを果たすことに。

 ところが、この序盤の攻防の中でライアンも無傷ではいられなかった。2周目には2台をかわして6番手に浮上した#38 ZENT CERUMO SC430だったが、4周目のヘアピンで#8 ARTA NSXにインを突かれてしまい、さらには背後の#100 RAYBRIG NSXに並び掛けられてしまう。もつれ合うようにダンロップコーナーへ向かった2台は、300Rで接触。この衝撃で右リヤフロアの辺りにダメージを負ってしまった#38 ZENT CERUMO SC430は、その影響で右リヤタイヤにパーツが接触し削れ、振動が発生することとなり、たまらずライアンはピットイン。タイヤを交換して再びコースに戻ったものの、ここで#38 ZENT CERUMO SC430は無念にも14番手にまでドロップしてしまう。

 ここから必死の追い上げを見せたライアンだが、6周目に13番手、12周目に12番手、23周目に11番手とするものの、ダメージを負ったマシンではそのペースは今ひとつ。そのままのポジションを走行していた27周終了時、#38 ZENT CERUMO SC430はピットに入り、ドライバーは立川へ。給油とタイヤ交換を終え、さらにダメージを受けて垂れ下がった右のリヤフロアを持ち上げるべくガムテープでメカニックが素早く補修し、チームは再び#38 ZENT CERUMO SC430をコースに送り出す。

2009年 SUPER GT 第7戦 FUJI <決勝> コースに戻った#38 ZENT CERUMO SC430は、再び12番手からじりじりとポジションアップ。32周目に#39 DENSO サード SC430をかわして11番手とすると、30秒近くあった前車との差を立川は少しづつ詰めていく。さらに46周目に4位を走行していた#24 HIS ADVAN KONDO GT-Rがアクシデントでストップしたことで、ポイント圏内となる10番手に浮上した#38 ZENT CERUMO SC430だが、ひとつ前のポジションを行く#32 EPSON NSXとのギャップはまだ20秒以上という状態。

 「なんとかひとつでも上の順位で……」とプッシュし続けた立川だったが、結局それ以上のポジションアップはならず、#38 ZENT CERUMO SC430は10位フィニッシュ、1周遅れで無念のチェッカーを受けることとなった。貴重な1ポイントを獲得したものの、これで残るレースはオートポリスともてぎの2戦のみ。窮地に追い込まれたLEXUS TEAM ZENT CERUMOだが、逆転タイトルへの可能性がある限り、チーム一丸となっての戦いは決して終わることはない。

監督/竹内 浩典
「リチャードはスタートでうまく順位を上げてくれたのですが、その後すぐに他車との接触から右リヤにダメージを受けてしまい、そのせいでタイヤが削れてバイブレーションが出たようです。レースですからそういったことは仕方がないのですが、その後タイヤを換えてコースに戻った後も、リヤにダメージを受けていたとはいえ、あまりタイムが伸びなかったのでセットアップ的にも良くなかったのかなと。ウチよりも重いクルマがウチよりも良いペースで走っていたのですから、今週末はすべてがうまく行かなかったと言って良いでしょう。なんとか1ポイントは獲ることができましたが、これで残り2戦を連勝するしかなくなりました。崖っぷちですが、もう後がないので行くしかない。オートポリスは過去チームとしても相性の悪くないサーキットですので、最終戦でタイトルを争う権利を得るためにも、必ず勝ちに行きます!」