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SUPER GT RACE REPORT

2009年 SUPER GT 第9戦 MOTEGI <決勝>

2009年11月8日(日) Final 決勝
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/リチャード・ライアン
決勝総合結果:13位
<決勝> 天候:曇り コース状況:ドライ

 週末を通じて安定した天候と言う情報のあったツインリンクもてぎ。日曜の決勝日も、昨日に比べてやや雲が多いものの、引き続き雨の心配も無く、ドライコンディションで朝のフリー走行を迎えた。

 午前8時45分からのセッションは、気温14℃、路面温度17℃でスタート。まずはライアンが#38 ZENT CERUMO SC430のステアリングを握ってコースイン。セッション序盤はライアンが周回を重ねることとなったが、ここでのライアンのベストタイムは1分48秒 402。その後中盤にピットインしたライアンは、残るセッションを立川にステアリングを託すことに。

 立川は午前9時05分、#38 ZENT CERUMO SC430に乗り込んでピットアウト。残り時間は約10分間と短かったが、コースに出た立川はセッション終了直前に1分48秒380のベストタイムをマーク。さらにチェッカー提示後のファイナルラップ、1分48秒339へとタイムアップした立川は、ポジションこそ12番手と後方に沈んだものの、決勝に向けた貴重データを収集して午後の最終戦に備えることとなった。

 雲がやや増え曇り空となった午後1時05分、決勝に向けたウォームアップがスタート。#38 ZENT CERUMO SC430にスタートドライバーを務めるライアンが乗り込み、決勝前最後のフィーリングチェックを終えると、その後マシンはライアンの手によってダミーグリッドへ。華やかな雰囲気の中、スタート進行が進んでいく。

 気温20℃、路面温度24℃というコンディションとなった午後2時ちょうどに、いよいよ今季最終戦のローリングスタートが始まった。4番グリッドのライアンも、勢い良く加速し隊列に加わる。

 竹内監督以下、スタッフたちがガレージ内のモニターを見つめる中、ついに午後2時03分、53周の決勝レースが始まった。4番手のライアンは、まずはセーフティースタートでポジションキープのまま1コーナーに飛び込んでいく。

 #38 ZENT CERUMO SC430の背後につけた#1 MOTUL AUTECH GT-Rは、タイトルを争うライバルである#36 PETRONAS TOM’S SC430がトップに立っている状況に、是が非でもポジションを上げるべく、1周目から猛プッシュ。バックストレッチエンドの90度コーナーへの飛び込みでは、ブレーキをロックさせつつ際どくイン側に並びかけてくる#1 MOTUL AUTECH GT-Rだったが、その攻勢をなんとか凌いだライアンは、4番手のままオープニングラップを終える。しかし、#1 MOTUL AUTECH GT-Rの猛攻は続き、翌周も90度コーナーで仕掛けてくる#1 MOTUL AUTECH GT-Rを抑えるライアン。この攻防で失速した#1 MOTUL AUTECH GT-Rはいったん#18 ROCKSTAR 童夢 NSXの先行を許すが、すぐさまこれをオーバーテイク。再び#38 ZENT CERUMO SC430に迫ってくる。

 こうして迎えた4周目。またも90度コーナーでインを突いてきた#1 MOTUL AUTECH GT-Rの攻勢をこらえようとしたライアンだったが、ここで両者は接触。たまらずライアンは5番手にドロップしてしまう。しかし、ポジションを落としたものの、ライアンは5周目1分48秒252、6周目1分48秒178と立て続けにベストラップを更新しつつ#1 MOTUL AUTECH GT-Rとの間合いを詰めると、8周目の1コーナーで#1 MOTUL AUTECH GT-Rのインを突くが、#1 MOTUL AUTECH GT-Rもこれを防いだため、#38 ZENT CERUMO SC430は#1 MOTUL AUTECH GT-Rに追突する格好に。この攻防でいったん#39 DENSO サード SC430の先行を許した#38 ZENT CERUMO SC430だったが、瞬く間にポジションを挽回すると、ライアンは後続の#24 HIS ADVAN KONDO GT-Rからプレッシャーを受けつつも、再び#1 MOTUL AUTECH GT-Rに追いつき始める。こうしてテール・トゥ・ノーズの攻防が続く中、17周目の最終コーナー立ち上がりでいきなりチャンスが訪れる。

 目前の#1 MOTUL AUTECH GT-Rが失速したのだ。左フロントタイヤのスローパンクチャーに見舞われた#1 MOTUL AUTECH GT-Rをかわし、ライアンは4位に復帰を果たす。

 その後#24 HIS ADVAN KONDO GT-Rに先行を許したライアンだったが、20周終了時にピットイン。メカニックたちの迅速な作業によって、ステアリングを引き継いだ立川は、11番手あたりでレースに復帰を果たす。

 コースに戻り、23周目に1分48秒951の自己ベストタイムをマークするなどハイペースで周回を重ねた立川は、26周目には9番手、28周目には8番手と順調にポジションを回復。#38 ZENT CERUMO SC430はさらに他車のピットインの重なった30周目には5番手、33周目には4番手と躍進、表彰台を賭けて前を行く#6 ENEOS SC430を追う展開となる。

 しかし、35周目にGT300クラスのマシンがエンジンブローに見舞われ、コース上にオイルが出たためセーフティーカーが入り、4周に渡ってSCランとなるが、ここでタイヤが冷えてしまったためか、リスタートとなった39周終了時以降はマシンバランスが悪化。後方からハイペースで追い上げてきた#17 KEIHIN NSXとの接近戦となってしまう。

 苦しい状況ながら、4番手に踏ん張っていた立川だったが、ついに50周目の3コーナーで#17 KEIHIN NSXにインを強襲された立川は、左のリヤをプッシュされやむなくスピン。そのままグラベルにスタックした#38 ZENT CERUMO SC430は、なんとかレース復帰は果たすものの、ポジションは13番手となってしまう。モニターを厳しい表情で見つめる竹内監督だったが、残り周回も少なく、そこからの挽回は不可能な状況。結局38 ZENT CERUMO SC430は、そのまま13位で今季最後のチェッカーを受けることとなり、惜しくも表彰台フィニッシュでの有終の美を飾るというチーム全員の願いは叶わなかった。

ドライバー/立川 祐路
「朝のフリー走行でかなりセットアップをアジャストできたお陰で、決勝でのマシンは昨日よりは結構良い状態になっていました。ただ、最後はセーフティーカー明けにタイヤのパフォーマンスが大きく落ちてしまい、接触されてポジションを落とすという残念な結果に終わったのですが……。とはいえ、今週末はスタートからあまり良い状態ではなかったマシンを少しずつ調整していく中で、今季思うようにいかなかった部分の再確認的なこともできたので、来季以降につながる意味のある戦いができたと思います。チャンピオン獲得はなりませんでしたが、また来年頑張りたいですね」

ドライバー/リチャード・ライアン
「ちょっと大変なレースだったね。実はソフトタイヤでスタートしていたんだけれど、自分のスティントの終盤にタイヤが厳しくなることが分かっていたので、タイヤをセーブしたかったのに、後ろのGT-Rが物凄い勢いでね。ただ、向こうがタイヤを酷使していたので、きっとチャンスが来ると思っていたよ。それでいったん抜かれはしたけれど、GT-Rにうまくプレッシャーをかけて行ったんだ。結果的にうまく行って抜き返すことができたし、今日はまずまず良い仕事ができたんじゃないかな。今年はうまく行かないことが多いシーズンだったけれど、来年はまた違った展開を期待するよ!」

監督/竹内 浩典
「表彰台を狙うという良い展開のレースができていたのですが、最後は接触されてスピンということで残念な形で今季の最終戦を終えることとなりました。リチャードは序盤厳しい攻防の中で、うまくポジションをキープしてくれましたし、後半の立川も良いペースで周回してくれていたので、それが結果につながらず残念です。今季は実力を出しきれなかったというか、不運やミスもあって本当に残念なシーズンとなりましたが、この悔しさを糧にしてさらにレベルアップした LEXUS TEAM ZENT CERUMOに、来季もご声援をよろしくお願いいたします!」