2009年 SUPER GT 第9戦 MOTEGI <予選>
2009年11月7日(土) Qualify 予選
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/リチャード・ライアン
公式予選総合結果:4位 (1分44秒781)
<公式予選> 天候:晴れ コース状況:ドライ
全車ノーハンデでの勝負となる今季最終戦。前戦オートポリスで上位入賞を逃し、この戦いを前にタイトルの可能性を失うこととなったLEXUS TEAM ZENT CERUMO。竹内監督以下、加藤エンジニア、立川、ライアンのドライバー、そしてスタッフ一同が無念のうちに九州の地をあとにしたわけだが、それだけに今シーズンの最後を有終の美という形で締めくくり、来季の活躍への布石とするべく迎えたツインリンクもてぎでのラストラウンドには、並々ならぬ闘志を胸に秘めて臨むこととなった。
爽やかな秋晴れとなった土曜のもてぎの空。気温15℃、路面温度24℃というドライコンディションの中、午前9時55分に1時間45分の公式練習セッションが始まった。#38 ZENT CERUMO SC430は、セッション開始直前まで専門誌の取材を受けていた立川が、まずはステアリングを握ってコースイン。マシン各部のチェックを終えると、セットアップとタイヤ評価といういつもの作業を進めていく。セッション半ばにはコースサイドにストップした#6 ENEOS SC430の回収のためいったん赤旗中断となるものの、以降はライアンがコクピットに収まり、立川に代わってフィーリングをチェックするなどセットアップを進めた#38 ZENT CERUMO SC430は、結局ライアンが1分46秒481のベストタイムをマーク。ベストなバランスは得られていないものの、10番手で終える。
慌ただしくピットウォークを終えた直後、午後零時50分から迎えた公式予選1回目は、やや雲が増えたものの雨の心配もなく、気温19℃、路面温度28℃ とやや各温度の上昇する中での走行となった。予選2回目がノックダウン方式を採用しているため、いつもとは異なり、このセッションでのクラス分けはなく全車が終始混走となる。
グリッドに関係はないものの、ノックダウン予選に向けたセットアップと両ドライバーの基準タイムクリアがメインターゲットとなる45分間のセッションが始まると、またも立川が#38 ZENT CERUMO SC430を駆ってピットアウト。僅か3周にして1分47秒007の好タイムを叩き出した立川は、#38 ZENT CERUMO SC430をモニターのトップに押し上げる。その後も周回を重ねた立川に代わり、開始20分ほどでライアンがステアリングを握ると、ライアンも細かくピットイン&アウトを繰り返しながら、さらなるバランスの向上を目指してフィーリングをチェック。こうしてノックダウン予選への準備を整えた#38 ZENT CERUMO SC430は、結局このセッションを5番手とした。
午後2時25分、つるべ落としとも言われるように早くも西へ傾き始めた秋の日差しの中、GT300のセッション1からノックダウン予選がスタートした。 3つのセッションで、連続して同じドライバーがアタックできないため、LEXUS TEAM ZENT CERUMOではS1を立川、S2をライアン、S3を立川が担当する作戦だ。
まずは、午後2時35分からのS1。12台がS2へと駒を進めることとなるため、広き門ではあったが、ここで#38 ZENT CERUMO SC430をドライブした立川は、開始2分でコースインすると計測2周目に1分45秒368をマークし2番手に。さらに翌周1分45秒265にタイムを上げた立川は、最終的に6番手ながら見事S2進出を果たす。
続くS2に向け、セットアップに微調整を施したLEXUS TEAM ZENT CERUMOは、ステアリングをライアンに委ねる。午後2時59分からスタートしたS2は7分間、トップ8にしかS3へのチケットは与えられず、S1よりはハードルの高い戦いが予想された。
セッション開始と同時にコースインしたライアンは、1周目を1分55秒163としてゆっくりとウォームアップを行うと、計測2周目に1分45秒146で 3番手に。翌周は1分45秒368としてタイムアップはならなかったものの、再び#38 ZENT CERUMO SC430は6番手でのS3進出を決める。バランス的に完璧ではない中でのアタックながら、S3進出を果たしたライアンの走りに、ピットの立川の表情もやや緩む。
迎えた最終のS3は午後3時25分に開始となったが、やや気温、路面温度ともに下がり行く中でのアタックに。コクピットに収まった立川は、セッション開始と同時にコースに出て行くと、1周目は1分52秒791とゆっくりとした立ち上がり。続く2周目に一気にプッシュした立川は1分44秒781という、この日のベストラップを刻むことに成功、4番手に#38 ZENT CERUMO SC430を押し上げる。さらなるタイムアップを目指し、チェッカー提示後の3周目もアタックを続けた立川は、1分44秒883と惜しくも更新はならなかったものの、そのまま4番手でS3を終了。細かくセットアップ修正を繰り返しつつのアタックとなったノックダウン予選で、決して満足の行くバランスではなかったこの日の#38 ZENT CERUMO SC430だが、セカンドロウの獲得にピットに戻った立川も、やや安どの表情を見せることに。こうして#38 ZENT CERUMO SC430は、今季最終戦を4番手という好位置からスタートすることとなった。
ドライバー/立川 祐路
「今日は正直、クルマの状態は思わしくなかったですね。ノックダウン予選でも、S2で落ちてしまうのでは、という危険性も感じたほどでしたが、そこはうまくリチャードがクリアしてくれて。最後のS3では、S3で履いたタイヤが決勝のスタート用タイヤになるということもあって、決勝のことを考えて選んだタイヤでしたが、そういう状態の中だと考えれば、タイム的には非常にうまく行ったと言って良いと思います。フィーリング的には、もっとトップとの差があってもおかしくないくらいでしたからね。明日の決勝に向けてはさらに大きな変更が必要なんじゃないかと思いますが、明日は最終戦。最後まで良いレースが出来るよう頑張ります」
ドライバー/リチャード・ライアン
「今日はタフな1日だったね。ただ、マシンのバランスが今ひとつで、走り始めはトップと大きな差があったけれど、セットアップを煮詰めてその差を少しずつ縮めて行くことが出来て良かった。まだ最後まで詰めきれたわけではないけれど、基本的には良い方向に進んだし、チームもドライバーも良い仕事ができたと思うよ。明日はスタートからタイトルを争うマシンたちの間に入って戦わなければならないけれど、僕達はベストを尽くして良い結果でシーズンを締めくくりたいね!」
監督/竹内 浩典
「あまり今日はクルマが決まっている状況ではなかったのですが、それでも4番手というグリッドが確保できたという点でチームもドライバーも頑張ってくれたと思います。今回はウエイトハンデもなく、いわゆるガチンコ勝負ですから本来はそんなことではいけないのですが……。ドライバーたちが言っているように、明日に向けてはクルマについてはまだやるべきことが多いと思いますが、最終戦ですし、有終の美を飾るような、来季につながるようなレースをして勝ちたいですね!」