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SUPER GT RACE REPORT

2010年 SUPER GT 第1戦 SUZUKA <予選>

2010年3月20日(土) Qualify 予選
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/リチャード・ライアン
公式予選総合結果2位(1分53秒277)
< 公式予選 > 天候:晴れ|コース状況:ドライ

 惜しくもタイトル奪還はならなかった昨シーズンのLEXUS TEAM ZENT CERUMO。しかし今季は、昨年の悔しさをバネに、2005年にこのチームで立川祐路とともにチャンピオンに輝いた高木虎之介を監督に迎え、新体制下で05年以来遠ざかっているタイトルへの再挑戦を期することとなった。ドライバーは不動の立川とライアン。マシンも昨年同様レクサスSC430を使用も、レッドを基調としたカラーリングに変更。気分も新たに、チームは一丸となってシーズンオフのテストから好調をキープしたまま、いよいよ2010年開幕ラウンドの鈴鹿を迎えた。

 午前9時。まずまずの晴天の下、気温11℃、路面温度15℃というコンディションで公式練習が始まった。予選に向けたセットアップ調整やタイヤ選択など、重要な走行となるものの、序盤はコース状況が安定しないことから、#38 ZENT CERUMO SC430はピットで待機することに。

 満を持して立川がコクピットに乗り込み、#38 ZENT CERUMO SC430がピットを離れたのは午前9時52分。いきなり連続走行に入った立川は、2周目に1分57秒668、3周目に1分55秒127として2番手につける。その後も短い周回でピットイン&アウトを行った#38 ZENT CERUMO SC430は、午前10時半にはライアンがコクピットに。代わったライアンも周回を重ねながらセットアップを進めていく。

 そしてセッション残り8分となった段階で、立川が再びコースイン。計測2周目に1分55秒845をマークし、さらなるタイプアップが期待されたものの、クリアラップに恵まれず惜しくもタイムアップ。結局このセッションの#38 ZENT CERUMO SC430は、トップから0.9秒差の5番手という結果となった。

 ピットウォークなどを慌しく終えた午後1時15分、予選1回目がスタート。今回は予選2回目のノックダウン予選によって決勝のグリッド位置が決するため、この予選1回目は基準タイムのクリアとさらなるセットアップ調整が重要課題となる。ここでステアリングを託された立川はセッション開始直後にコースイン、計測2周目に1分55秒081を叩き出しいきなりタイミングモニターのトップに立つ。立川はその後ピットイン&アウトでセットアップを微調整すると、コクピットにはライアンが乗り込む。ライアンは立川同様にピットイン&アウトを繰り返しつつ、労せずして基準タイムをクリア。セッション最後に再び立川がフィーリングをチェックした#38 ZENT CERUMO SC430は、見事トップタイムで予選1回目を終えた。

2010年 SUPER GT 第1戦 SUZUKA <予選> 予選1回目終了から1時間後の午後3時にスタートしたノックダウン予選。S1、S2、S3と3つのセッションで構成されたこのセッションに向け、チームはまずS1に立川を投入、S2をライアンでクリアし、再びS3を立川に託しポールポジションを狙う作戦。GT300のS1に続いて、10分間のGT500のS1がスタート。#38 ZENT CERUMO SC430を駆って立川がコースインするが、他車がタイヤを温め始める中、すぐにピットに帰還してしまう。なんと、この大事なタイミングでエンジンがミスファイアを起こしてしまったのだ。思わぬトラブルに見舞われたLEXUS TEAM ZENT CERUMOだが、ゆっくりと修復をしている時間的余裕はなく、再び立川はピットアウト。1周目、2周目と明らかにおかしな排気音を残してホームストレートを駆け抜ける立川。ポジションはS1敗退圏内の11番手。残りはファイナルラップのみという状況に、まさにピットは万事休すという状況。しかし、「この状態ではさすがに無理では……」と半ばS1敗退を覚悟していたコクピット内の立川だったが、ラスト1周の後半、幸運にもミスファイアの状況が軽減される。この機を捉えた立川は1分54秒189を搾り出すことに成功し9番手に飛び込む。ピットウォールで固唾をのんで見守っていたライアンと高木監督も、S2進出にホッと安堵の表情を見せる。

 続くS2のアタッカーはライアン。インターバルにミスファイアを解消すべく、必死の作業を続けたメカニックたちに見送られ、午後3時40分、S2がスタートするやピットを離れたライアンだったが、万が一症状がおさまっていなかったときのためにユーズドタイヤでのコースインに。インラップでマシンの改善を確信したライアンは、ピットに戻りニュータイヤに換装、再びアタックに向かう。コースに出たライアンは、期待通り計測3周目に一気にタイムアップ。1分53秒603をたたき出し、3番手としてS3進出を決める。

 そして迎えた最終のS3。S2の上位7台のマシンによって争われるこのセッション、アタックに向かった立川は、完全に復調した#38 ZENT CERUMO SC430に鞭打って、アタック1周目に1分57秒441、続くアタック2周目には1分53秒277と、好タイムを連発して2番手に。さらにアタックを続けた立川だったが、トラブルのためにS1でセットアップの確認などが充分でなかった状況では、惜しくもコンマ1秒ポールポジションには届かず。結局2番手でこのセッションを終えることとなったものの、#38 ZENT CERUMO SC430は今シーズンの初戦をフロントロウからスタートすることに。不安定な予報となっていた明日の天候もやや回復傾向にあるということで、チーム全体に決勝に向けてのモチベーションの高まりを感じる予選日となった。

ドライバー/立川 祐路ドライバー/立川 祐路
 「S1ではピットを離れた瞬間からエンジンが吹けなくて。ピットに戻ってマップを変えたんですが、全然ダメで、もう終わったな、と思いました(笑)。けれど3周目の後半に半周ほど症状が治ったおかげで、なんとかクリアできたんです。ポールポジションは獲れませんでしたが、明日は長い周回をコンスタントに走れるタイヤをチョイスしていますし、良い戦いができると思います。前のHSVが決勝でどんな走りを見せるのか、自分自身も興味深いレースになりますが、今年はオフからチームでしっかりと準備をやってきたので、それを結果につなげたいですね」

ドライバー/リチャード・ライアンドライバー/リチャード・ライアン
 「ホンダの新しいクルマやエンジンを換えたGT-Rなど、ライバルたちの状況は読めない部分が多かったけれど、今日の結果には喜んでいる。特にS1でトラブルを抱えながらも、立川が生き残ってくれたのが大きかったね。S2でのアタックも、自分自身まずまずだったように思うし、満足のいく一日だった。明日の決勝では、天候も予報よりは良くなりそうだし、良いレースができるんじゃないかな。たぶん僕がスタートになると思うんだけれど、とにかくしっかりと序盤を戦って、なんとか開幕戦を良い結果で終えられるように頑張るよ」

監督/高木虎之介
 「予選でトラブルに見舞われてヒヤヒヤものでしたが、あの状態でS1を乗り越えられたので本当にホッとしました。あそこで落ちていたらすべてが台無しだったけれど、よく頑張ってくれましたね。ただ、トラブルによってS1でセットアップの確認ができなかったことで、S3の最後のアタックに影響があったかなと。それがなければポールポジションに届いていたと思います。明日は監督としての初レースですが、予選ポジションも良いですしドライバーはもちろん、ピット作業などではメカニックにもしっかり頑張ってもらって、なんとか優勝したいですね!」