2020年 SUPER GT 第3戦 SUZUKA <決勝>
2020年8月23日(日) Final 決勝
WAKO'S 4CR GR SUPRA#14 大嶋和也/坪井翔
決勝結果9位
< 決勝 > 天候:晴|コース状況:ドライ
44kgのウエイトハンデを積みながら今季予選最上位につけ、決勝レースに向けて期待を高めていたTGR TEAM WAKO'S ROOKIE。気温32℃、路面温度48℃という酷暑のなか、3戦連続の表彰台以上の結果を目指し、SUPER GT第3戦鈴鹿の決勝レース日となる8月23日(日)を迎えた。
今回も無観客開催とあり、空席のグランドスタンドにやや寂しさを感じながら、午後1時のスタートのときがやってきた。WAKO'S 4CR GR Supraのスタートドライバーを務めるのは大嶋和也だ。WAKO'S 4CR GR Supraは開幕2戦とも決勝ペースに自信をもっており、今回もその再現に期待がかかる。
1周目、大嶋はZENT GR Supraに続き4番手の位置をキープしながらオープニングラップを戦うが、後方ではGT300クラスの競り合いのなかでアクシデントが発生。オープニングラップにセーフティカーが導入される。
5周目にレースはリスタートを迎えるが、大嶋は前を走る3台のトップ争いにピタリとつけながらレースを進めていく。上位陣は混戦で、大嶋の後方には9周目、#17 NSX-GTをかわしてきた#100 NSX-GTが浮上。大嶋にプレッシャーをかけはじめた。
10周を過ぎるころになると、今度はGT300クラスの戦いがGT500クラスの上位争いに接近してくる。大混戦のなか、トップ争いが急速に接近。15周目のダンロップコーナーでトップを走っていた#64 NSX-GTを#23 GT-R、さらにZENT GR Supraがかわしていくと、デグナーカーブまでの混戦のなかで大嶋も#64 NSX-GTをパス。これで表彰台圏内となる3番手に浮上した。
トップ争いも視野に入れたい大嶋だったが、後方からはペースに優る#100 NSX-GTが接近し、16周目に大嶋はふたたび4番手にドロップしてしまった。この直後、17周目にはバックストレートに他車のパーツが飛散し、2回目のセーフティカーが導入される。
レースは一度仕切り直しとなったが、タイミングを考えてもこの2回目のセーフティカー明けがタイミングとしては良好だ。TGR TEAM WAKO'S ROOKIEはピットの準備を整え、23周目のリスタートを迎える。
しかしここで、前を走っていたZENT GR Supraがまさかのミッショントラブルに見舞われてしまっており、リスタート時に加速することができない。当然ながらトップの#23 GT-R、#100 NSX-GTは猛然とダッシュを決めており、3番手以下は大きく離されることになってしまった。さらに、緊急ピットインを行ったZENT GR Supraの隣のピットとなるWAKO'S 4CR GR Supraは、わずかにピットインタイミングを遅らせることになってしまった。
大嶋は24周を終えピットに戻るが、これまでの2戦で素晴らしい作業をみせていたピット作業にわずかに手間取ってしまう。これで、同時にピットインしていた#36 GR Supraに逆転を許してしまう。
代わってコクピットに収まった坪井翔は、それでも逆転を目指しWAKO'S 4CR GR Supraのアクセルを踏んでいくが、今度はWAKO'S 4CR GR Supraのフィーリングが良くない。バイブレーション等も出てしまい、坪井はコクピットで悪戦苦闘を強いられることになる。
3番手争いのなかでアクシデントがあったこともあり、坪井は36周目にはひとつポジションを戻し6番手につけ、#3 GT-Rをおさえていくが、終盤、さらにWAKO'S 4CR GR Supraのフィーリングが悪化。49周目には#3 GT-R、さらに50周目には#37 GR Supra、#17 NSX-GTにも先行を許してしまい、坪井はなんとかチェッカーを受けたものの、その順位は9位という結果となってしまった。
後半の坪井のペースを鈍らせたのはなんなのか、TGR TEAM WAKO'S ROOKIEはしっかりと原因を究明しなければならない。ランキングはまだ4位ではあるが、#36 GR Supraには大きく水を開けられてしまいつつある。3週間後の第4戦もてぎで、ふたたびその差を縮めなければならない。
ドライバー/大嶋 和也
「ウエイトハンデの影響もあり、オーバーテイクを連発できるかといえばそこまでではありませんでしたが、フィーリングは悪くなく、後半順位を上げられるだけのポテンシャルはあるかと思っていました。ただセーフティカー明けにロスもあり、後半出ていったところでレースは厳しいものになってしまいました。坪井選手としては3番手でレースに戻っているはずが後方になっていたので、彼にとっては申し訳なかったですね。ドライバーもクルマもいいレースはしていたと思いますが、それだけでは勝てませんね。いろいろ改善する部分は多いので、頑張っていきたいです」
ドライバー/坪井 翔
「難しいレースになりましたが、これもレースですね。クルマは速かったにもかかわらず、結果に結びつけることができなかったので、いちばんあってはならないレースだったと思います。僕のスティントに関しては、走り出しから振動があって、速く走れる状態ではありませんでした。タイヤが消耗するにつれてそれもひどくなり、チェッカー間際にはさらに悪化して3台に抜かれてしまいました。クルマは良かったですが、ピットも遅かったですし、鈴鹿はそう簡単には抜けないコースですからね。もてぎに向けて、体制を含めてしっかり立て直したいですね。まだ前半戦ですし、切り替えていきます」
監督/高木 虎之助
「前半はいいバトルをすることができて、トップ争いを展開することができましたが、38号車にトラブルを抱えてしまったタイミングや、ピット作業でも10秒くらいロスしてしまったところもあり、そこで4ポジションほど失ってしまいました。ドライバーにも迷惑をかけてしまいましたし、チームの問題でもあります。コースで10秒を取り戻すのは大変ですからね。しっかり対策しなければなりません。最後にはトラブルも抱えてしまいましたが、頑張れば表彰台はいけたレース。チームとしてしっかり次に向けて仕切り直したいと思います」