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SUPER GT RACE REPORT

2015年 SUPER GT 第8戦 MOTEGI <決勝>

2015年11月15日(日) Final決勝レース
ZENT CERUMO RC F#38 立川祐路/石浦 宏明
決勝総合結果 5位
<決勝> 天候:曇りのち晴れ|コース状況:ウェット&ドライ

 雨の公式予選では、雨量の変化とマシン、タイヤのマッチングが今ひとつで6番手に留まった#38 ZENT CERUMO RC F。逆転タイトルのために厳しいスターティンググリッドとなってしまったわけだが、日曜には天候が回復するとの予報もあり、ポジティブな雰囲気のままスタッフはツインリンクもてぎを後にした。

 一夜明けた11月15日、日曜のもてぎだが、予想に反して朝から雨が時折降る相変わらずの不安定なコンディション。このため、午前9時からの30分間のフリー走行は、前日同様の完全ウェットコンディションの中での走行となった。

 当然のようにウェット宣言が出される状況下でセッションがスタートすると、#38 ZENT CERUMO RC Fは立川のドライブで早々にピットアウト。各所でスピンやコースオフが多発する難コンディションの中、立川はまずは1分56秒403で計測をスタート、翌週には1分52秒890でモニターのトップに立つ。計測4周目は1分54秒550とし、ややポジションを下げたものの、5周目には1分52秒005で再び4番手に戻すなど、決勝を想定したラップを刻みつつ、#38 ZENT CRUMO RC Fはモニター上位を推移する。

 7周目に1分50秒893をマークした立川は、さらに翌周1分50秒815にタイムアップするとピットイン。ここでピットストップシミュレーションを行って石浦にスイッチすることに。

 午前9時18分にピットアウトした石浦はアウトラップの翌周、まずはタイヤを温めつつ2分00秒453を刻むと、11周目に1分50秒236をマークして#38 ZENT CERUMO RC Fをトップ6に復帰させてピットイン。微調整を施し、チェッカー間際の午前9時27分に再び石浦がピットアウトすると、午前9時30分のチェッカーフラッグ手時後のファイナルラップに1分49秒676を叩きだし、2番手に浮上して走行を終了することに。

 

 最終的には2番手でこのフリー走行を終えた#38 ZENT CERUMO RC Fは、午後の決勝に向けての準備を整え、いよいよ最終決戦に臨むこととなった。

 雨は上がったものの生憎の曇り空のため、スタートセレモニーに予定されていたブルーインパルスの飛行が途中で中止になったものの、今季最終戦は予定通り午後1時40分にパレードラップがスタート。さらに1 周のフォーメーションラップが行われた後、いよいよ53周の最終戦がスタートのときを迎えた。

 6番グリッドからスタートする#38 ZENT CERUMO RC Fのスタートドライバーは立川。他車同様レインタイヤを履いた立川は、鋭く加速すると5コーナー先で前の#12 カルソニック IMPUL GT-Rに仕掛けるものの、オーバーテイクはならず。しかし、立川はダウンヒルストレート先の90度コーナーで#12 カルソニック IMPUL GT-Rと#36 PETRONAS TOM'S RC Fを一気に捕らえ、オープニングラップに4番手に浮上を果たす。

 さらに立川は前を行く#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTを激しく追走していくが、早くも4周目には周回遅れが出現し始める中、テール・トゥ・ノーズの攻防を続けながらもなかなかチャンスは訪れない。すると、10周を過ぎたあたりから、徐々に路面が乾き始めることとなり、レインタイヤでは厳しい状況となって来る。こうしたコンディションの変化もあり、時として背後の#12 カルソニック IMPUL GT-Rが徐々に立川にプレッシャーを懸ける展開に。

 そのため、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは22周目と早めに立川をピットに呼び寄せる作戦を選択。スリックタイヤに履き替えた#38 ZENT CERUMO RC Fは、石浦のドライブによって再びコースに復帰して行く。

 ピットインによっていったん9番手にポジションを下げた#38 ZENT CERUMO RC F。猛然とプッシュを開始した石浦だったが、まだライン以外は濡れた路面にバランスを崩し、なんと24周目の130Rでコースオフを喫してしまう。

 それでもグリーンを突っ切り、大きくポジションを落とすことなくコース復帰を果たした石浦は、他車のピットインなどにより7番手で追走していく。ところが、今度は27周目に2コーナー立ち上がりで他車との接触により、#46 SRoad MOLA GT-Rがボディパーツをまき散らすほどのアクシデントが発生。この破片を処理するため、コース上にはセーフティーカーが導入される。

 リスタートは31周終了目。ピットインを引っ張っていた車両が脱落することとなり、石浦の#38 ZENT CRUMO RC Fはこの時点で5番手に。そこからタイトルを争う上位陣とのテール・トゥ・ノーズの攻防が続けられたものの、混戦の中で一時石浦は6番手に後退。厳しい攻防を最後まで続けつつ、諦めずに前を追った石浦は51周目に#39 DENSO KOBELCO SARD RC Fをかわして5番手を取り戻すが、53周の決勝レースはほどなくチェッカーを迎えることとなり、#38 ZENT CERUMO RC Fはそのまま5位でフィニッシュすることに。レースは#37 KeePer TOM'S RC Fが優勝したものの、#1 MOTUL AUTECH GT-Rが2位に入りチャンピオンを獲得した。

 最後の最後まで、激しい攻防を続け諦めずに戦った立川、石浦のドライバーコンビと#38 ZENT CERUMO RC F、そしてLEXUS TEAM ZENT CERUMOだったが、惜しくもタイトルには届かず。2015年シーズンをランキング4位で終えることとなった。

ドライバー/立川 祐路
 「スタートしてから、すぐに12号車をパスすることができましたし、とりあえずは自分がやるべきことはしっかりできたと思います。ただ、その後前のマシンに追いついても、相手もタイトル争いをしている速いマシンでしたから、そう簡単に前に出ることもできなくて。レインタイヤで出ていたこともあり、路面が乾いて来た段階で少し早めにピットに入ることにしました。路面がどんどん乾いて行く中でのピットのタイミングも難しかったと思いますが、タイトルにチャレンジして行くというポジションの僕たちが攻める判断をしたのは悪くなかったと思いますし、自分としてやれることはやれたという想いもありますね。結果としてチャンピオンに届きませんでしたが、来年は優勝して、そしてタイトルを獲りたいと思います。1年間応援してくださった皆さんに、今はありがとうを言いたいですね」

ドライバー/石浦 宏明
「スリックタイヤでピットアウトした後、タイヤが温まり切るかどうか、というところで2台並んでいたGT300に引っかかり、130R手前で濡れた路面を走らなけらならず、その影響から130Rで飛び出してしまいました。その後、すぐ前のマシンに追いついたのですが、セーフティーカーが出たことで周囲のマシンがみんな、タイヤが温まってしまって。せっかくの自分のアウトラップのペースの良さが活かせない展開になってしまったかなと思います。終盤の密集状態の中では、ブレーキが厳しい状況になってなかなか抜くことができませんでした。今季LEXUS TEAM ZENT CERUMOに加入して1勝できなかったことが悔しいですし、タイトル争いはできましたが残念ながらチャンピオンは獲れませんでした。来季はかならずチャンピオンが獲れるよう努力したいと思います」

監督/高木虎之介
「自分達が決して悪い戦いをしたわけではなかったですから、残念ですが仕方なかったと思います。立川もすぐに12号車を抜いてポジションを上げて来てくれましたし、序盤は良い流れだったと思います。早めのタイヤ交換のタイミングも良かったのですが、石浦のミスがあって。あれでロスしてしまった部分もありますし、全開で戦った結果ですから。ただ、飛び出した後の石浦のペースも良かったのですが、最後は集団のでの攻防になり、なかなか前に出ることができませんでしたね。今季はタイトル争いをすることは出来ましたが、結果として優勝することが出来ませんでした。せめて1勝したかったというのが心残りですが、来年は絶対に勝てるように頑張ります」