2013年 SUPER GT 第5戦 SUZUKA <決勝>
2013年8月18日(日) Final決勝レース
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/平手晃平
決勝総合結果 11位
<決勝> 天候:晴|コース状況:ドライ
前日の公式予選ではフロントロウ獲得こそならなかった#38 ZENT CERUMO SC430だが、4番手とまずまずのポジションを確保。1000kmというシリーズ最長の戦いを前に、チームにとって今大会での必須条件でもある表彰台獲得に充分な手応えを感じられるポジションからスタートすることとなった。
迎えた決勝日の鈴鹿は、昨日とは打って変わっての曇天。午前8時30分からのフリー走行開始前には、なんと雨がぱらつき始めるという微妙なコンディションとなり、急遽WET宣言が出されることとなった。気温28℃、路面温度30℃で始まった30分間のフリー走行は、LEXUS TEAM ZENT CERUMOはもちろん、すべての陣営にとって決勝を占う上で、重要な最終調整の場となるだけに、ピット出口にグリーンランプが点灯するやいなや、全車がコースになだれ込んで行く。
ここで#38 ZENT CERUMO SC430は、立川がステアリングを握ってコースへ。いの一番に計測ラップに入った立川は、1分59秒899、1分56秒485とタイムを刻みながら、連続周回。約15分間ほど周回を重ねると、午前8時46分にピットインし、平手に#38 ZENT CERUMO SC430を委ねる。
代わった平手はピットイン&アウトを行いつつセットアップなどの作業をこなして行くと、そのままチェッカーまで周回。チェッカー提示後のファイナルラップに1分56秒357のベストタイムを刻み、#38 ZENT CERUMO SC430はこのセッション13番手ながら、さらにサーキットサファリの時間帯も使い、決勝に向けた体勢を整えることとなった。
1000kmレースということでスタート時刻もいつもより早く、午前11時20分には恒例のウォームアップ走行がスタート。スタートドライバーを務める平手がステアリングを握ってコースイン、1分56秒474の5番時計をマークした#38 ZENT CERUMO SC430は、午後11時40分にアウト側4番グリッドに着き、炎天下でスタートの時を待つ。
そして午後零時30分、ついにフォーメイションラップがスタート。平手も#38 ZENT CERUMO SC430を駆り、アウト側から隊列に加わって行く。そして1周の後、173周後のチェッカーを目指した戦いがスタートした。
まずまずのスタートを見せた平手だったが、長丁場を考えて他の上位陣同様リスクは冒さずにポジションキープの4番手でオープニングラップを終えると、周回毎にベストラップを更新しつつ、前の動向を伺う。平手の前方では#36 PETRONAS TOM’S SC430と#18 ウイダー モデューロ HSV-010が競り合いを演じており、1秒前後の間隔でこの2台を追走する#38 ZENT CERUMO SC430は、4番手のまま周回を続けて行く。
23周目に首位の座から陥落した#23 MOTUL AUTECH GT-Rが27周目には#36 PETRONAS TOM’S SC430にもかわされるや、平手もこの機を逃さず28周目のスプーン進入で#23 MOTUL AUTECH GT-Rを鋭くオーバーテイク。#38 ZENT CERUMO SC430は早くも表彰台圏内となる3番手に浮上を果たす。
3番手のまま#36 PETRONAS TOM’S SC430を追った平手だったが、ややタイヤの消耗があったことからLEXUS TEAM ZENT CERUMOは32周目に平手をピットに呼び寄せ、立川にスイッチ。これで一時は12番手にまで後退を余儀なくされた#38 ZENT CERUMO SC430だが、ライバル勢のピットインの間に立川はじりじりとポジションを回復。36周目には、再び#38 ZENT CERUMO SC430は3番手のポジションに返り咲く。
周回遅れが入り乱れるコース上に、なかなか思うように前を行く2番手の#36 PETRONAS TOM’S SC430とのギャップを詰められないものの、4番手#1 REITO MOLA GT-Rの追走を許さず、単独での走行を続けることとなった立川。そのままレースは3分の1を終え、そろそろ2回目のルーティンピットということで、LEXUS TEAM ZENT CERUMOのスタッフがピットインの準備を整えたところで、予期せぬアクシデントが起こってしまう。66周目、GT300車両がタイヤバーストによるダメージから出火、130R付近のグリーン上にストップしてしまったのだ。
このためセーフティーカーがコースインすることとなったが、その周回はまさにチームが立川を呼び寄せようとしていたタイミング。SC中のピットインはペナルティーを受けるということは周知の事実であったが、このままステイアウトしていてはガス欠でストップしてしまう危険性があり、それはすなわちリタイアを意味する。やむなく、LEXUS TEAM ZENT CERUMOはSC中の68周目に立川をピットインさせ、平手にステアリングを託すことを決断したが、ここでピット出口は赤信号。#38 ZENT CERUMO SC430はピット出口で足止めを食ってしまい、事実上の周回遅れとなってしまう。
73周目にレースはリスタートとなるも、周回遅れとなってしまった#38 ZENT CERUMO SC430のポジションは13番手。76周目に1分55秒135と、その時点でのファステストラップに匹敵するタイムを刻み、諦めずに前を追う平手だったが、12番手を走行中の96周目、SC規定違反のために90秒のペナルティーストップが#38 ZENT CERUMO SC430に科せられてしまう。
98周目にペナルティーを消化した#38 ZENT CERUMO SC430は、これで2周遅れとなってしまい勝機を失うことに。この後立川、そして再び最終スティントを平手が担当し、周回を重ねた#38 ZENT CERUMO SC430は、155周目に#8 ARTA HSV-010をパスして11番手に浮上も、ポイント圏内に浮上を果たせぬままチェッカー。表彰台を狙っての力走を見せながら、#38 ZENT CERUMO SC430はまたしてもノーポイントという納得のいかない形でサーキットを後にすることとなってしまった。
ドライバー/立川 祐路
「とにかく今日のレースはもう、なんといったら良いのか……。あまりにも巡り合わせが悪かったというか、SCが出たタイミングが本当に僕たちにとっては最悪でした。ちょうど後1周でピットに入ろうとしているところでSCが出てしまって、SC中にピットに入れないことは分かってはいたのですが、あのままでは確実にガス欠してしまう状況だったので、ピットに入らざるを得なくて。それがすべてでした。このところクルマの状態が良くてトップ争いが出来るのに、それを結果に結びつけられずフラストレーションがたまるばかりですが、次の富士ではタイトルへの最後の望をかけて、優勝するしかないですね」
ドライバー/平手 晃平
「スタートしてからの最初のスティントはまずまずで、予定通りの間隔で36号車についていくという展開で周回を重ねて行っていたので、何も起こらなければ良いレースが出来ていたと思います。僕の最初のスティントを後1周延ばしていれば、という思いもありますが、そこでもう1周稼げていても結果的には足りていませんでしたから、チームがペナルティー覚悟でピットインさせたのは仕方がなかったと思います。クルマの状態もタイヤの状態も良かっただけに悲しい結果ですが、最後は同一周回の8号車が目の前に来たので、なんとか抜いてやろうと。最後はレースらしいことをして終わりましたが、シリーズ争いから取り残されないためにも、次は勝つしかないですね」
監督/高木虎之介
「SCが出た瞬間は、あまりのタイミングの悪さにもうどうすることも出来なかったですね。限られた時間の中で、どうするかという他の選択肢も探したのですが、ステイアウトしてガス欠で止まってしまうか、ピットに入れてペナルティーを受けるか、計算上どちらかしかありませんでした。止まってしまえばレースは終了ですし、もうピットに入れるしかなかったのです。その後もなんとか同一周回に戻せないか、ドライバーにも頑張ってもらったのですが、無理でしたね。残念ですが、もう富士では優勝しかないという状況。とにかく次戦は全力を尽くしたいですね」