2013年 SUPER GT 特別戦 FUJI <予選・決勝>
2013年11月23日(土) Qualify 予選・決勝
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/平手晃平
第1レース公式予選結果3位(1分31秒252):立川祐路
第2レース公式予選結果2位(1分30秒795):平手晃平
第1レース決勝結果2位:立川祐路
< 公式予選 > 天候:晴れ|コース状況:ドライ
タイトル獲得の歓喜に沸いたツインリンクもてぎでのシリーズ最終戦から3週間。1年を締めくくりビッグイベントとして恒例となった、JAF Grand Prix・富士スプリントカップが、11月23日に開幕した。スーパーGTとスーパーフォーミュラ、国内の最高峰カテゴリーを一堂に会したお祭り的なイベントとして知られるJAF GPは、2010年に復活して以来、今年で4回目の開催。LEXUS TEAM ZENT CERUMOとしては、このイベントが今季最後の戦いだが、来季ニューマシンへの変更が決まっていることから、#38 ZENT CERUMO SC430にとっても文字通り最後のレースとなるだけに、立川、平手のドライバーコンビはもちろん、高木監督以下チームスタッフも有終の美を飾るべく、このレースウィークを迎えた。
例年同様シリーズとは異なり、ドライバーがひとりずつ、それぞれ予選と22周の決勝を戦うという今大会。まずは午前8時25分からGT500の第1レース予選が20分間で行われた。今年LEXUS TEAM ZENT CERUMOでは、土曜の第1レースを立川が担当、日曜の第2レースを平手が担当することとなり、まずは最初の予選に立川が挑んだ。
GT300の予選終了を告げるGT500ボードが提示されると、立川はピットアウト。しかし、気温、路面温度ともにヒトケタという寒さの中、フリー走行もなくぶっつけ本番でのアタックは、なかなかタイヤが温まらないこともあり、すべてのドライバーにとって難しい状況。しかし、立川は最初のアタックでは1分31秒993にまでタイムを上げ、その時点で2番手につけてピットインし、2セット目のニュータイヤに履き替えると、さらなるタイムアップを狙ってコースインする。
コースに戻った立川は、このタイヤでの計測3周目に1分31秒526にタイムアップ、その時点でモニターのトップに立つ。しかし、ライバル勢もタイムを上げ、見る間に#38 ZENT CERUMO SC430のポジションが下がる。
ここで渾身のラストアタックを決めた立川だったが、1分31秒252にタイムアップも、惜しくもポジションは3番手に。それでもレクサス勢最上位から午後の第1レース決勝に駒を進めた。
インターバルを置き、午前9時13分からスタートしたGT500第2レース予選は、今回スーパーフォーミュラとのダブルエントリーとなる平手の出番。セッションが始まると同時にピットを離れた平手は、1セット目のタイヤでは1分31秒721で7番手に留まるが、いったんピットに戻った後、2セット目のニュータイヤで一気にタイムアップ。残り1分となったところで1分30秒795をたたき出し、一躍トップに躍り出る。
しかし、直後に#6 ENEOS SUSTINA SC430に逆転を許した平手はラストアタックに懸けるが、注目のタイムは1分30秒921と惜しくもタイム更新はならず。結局平手は明日の第2レース決勝を、2番グリッドからスタートすることとなった。
<第1レース決勝> 天候:晴れ|コース状況:ドライGT300の第1レース決勝に続き、午後3時35分からスタートのGT500第2レース決勝。22周の決勝は、GTでは通常行われない、スタンディングスタートが採用される。また、今大会はシリーズ戦とは異なり、予選で使用したタイヤで決勝をスタートするレギュレーションはないため、LEXUS TEAM ZENT CERUMOと立川は、予選とは異なるタイヤを選択してスタートの時を迎えた。
レッドシグナルが消えた瞬間、動きだしの鈍いフロントロウの2台のマシンの間を割って、好スタートの#38 ZENT CERUMO SC430は最前列に飛び出すと、そのままトップで1コーナーを制する。
トップに躍り出た立川は、背後の混戦をよそにハイペースで周回。2周目には早くも1分32秒886の自己ベストタイムをマークして1秒7、3周目には2秒1と、早々に2番手とのギャップを築いて行く。
立川の背後ではHSV-010勢が熾烈な2番手争いを展開。この間にさらにギャップを拡大するべくプッシュした立川は、9周目には最大となる2秒8というマージンを得る。しかし、選択したタイヤとどんどん冷え込んで行く路面コンディションのマッチングが悪かったか、この頃から立川は予想よりもペースに苦しむようになってしまう。
このため、2番手とのギャップをじりじりと吐き出すこととなった#38 ZENT CERUMO SC430は、16周目の最終コーナー立ち上がりで2番手に浮上してきた#17 KEIHIN HSV-010に並びかけられてしまう。ここはストレートの加速に勝る#38 ZENT CERUMO SC430がトップを死守も、17周目のセクター3では#17 KEIHIN HSV-010の攻勢を抑え切ることが出来ず、残念ながら2番手に後退。
その後の#100 RAYBRIG HSV-010の追撃を振り切った立川だったが、惜しくも優勝はならず2位でのフィニッシュに。しかしながら、LEXUS TEAM ZENT CERUMOにはこの日のデータを明日の平手の第2レースに活かし、期待通りの好レースで今シーズンを締めくくってもらいたい。
ドライバー/立川 祐路
「フリー走行もなく、なおかつGT500最初のアタックということで路面も出来ていませんでしたから、予選はまぁ、こんなものだろう、という感じでした。基本的にはまずまずのタイムも出ましたし、状況を考えれば上出来だったのではないかと思います。決勝に向けてはタイヤが自由になるということで、僕は予選とは違ったものを選んだのですが、ちょっとコンディションと合わなかったようですね。序盤は予定通りの展開で、トップに立ってレースをリード出来ていただけに残念ですが、こればかりはぶっつけ本番のレースでしたから仕方なかったと思います。優勝は出来ませんでしたが、それでも2位表彰台ということでシリーズチャンピオンを獲ってからの良い流れのまま、自分の今季最後のレースを終えることが出来たので、良かったと思います。今日のデータを元に、明日は平手に頑張ってもらいます」
監督/高木虎之介
「今日は予選と決勝の序盤までは良い流れだったと思うのですが、残念ながら決勝の途中でペースが落ちてしまいましたね。恐らく優勝した17号車は周りと違うタイヤを選択していたために、後半のペースが良かったのだと思います。やはりタイヤとセットアップ、双方をうまく合わせ切れないと思うようなレースは出来ませんね。そこまでが完璧に近い状況だっただけに残念ですが、それでも2位表彰台ですし、今日のデータがあるので、明日はきちんとした対策が出来るはず。クルマの状態自体は悪くないですから、明日平手が良いレースをしてくれると思います」