2013年 SUPER GT 第3戦 SEPANG <予選>
2013年6月15日(土) Qualify 予選
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/平手晃平
公式予選総合結果2位(1分55秒589)
< 公式予選 > 天候:晴|コース状況:ドライ
岡山で4位、そして前戦富士では2位と好調なシーズンのスタートを切ったLEXUS TEAM ZENT CERUMO。しかし、約1ヶ月半のインターバルを置いて迎える第3戦は南国マレーシアのセパンが舞台。昨年も2位表彰台をゲットしているゲンの良いコースだけに、2番目に重い46kgものハンディウエイトを搭載しているものの、再び表彰台争い、さらには勝ち負けの好レースを期待したいところだ。
日本から送り出した機材を荷解きし、#38 ZENT CERUMO SC430をピットの中央に据えると、猛暑の中続けられたチームスタッフによる設営も走行前日にはすべて終了し、高木虎之介監督以下、チームはいよいよ土曜の公式予選日を迎えた。
前日に比べればやや曇りがちの一日となったこの日のセパン。#38 ZENT CERUMO SC430は、まずは午後1時と例年より遅い時間に設定された公式練習に臨んだ。
セッション開始からしばらくはピットで待機も、ほどなくして立川祐路のドライブでピットを離れた#38 ZENT CERUMO SC430。まずは6番手となる1分57秒750にまでタイムを上げてピットへ。ここで平手晃平に交代、再びピットアウトした#38 ZENT CERUMO SC430だったが、思うようなマシンバランスが得られずポジションは徐々に後退していくことに。
ピットイン&アウトを繰り返し、立川へと再び交代も状況はなかなか好転せず。#38 ZENT CERUMO SC430は、セットアップ調整のために時折ピットで15分を超えるほどの時間を費やしながら、セッション後半に向けて体勢を建て直して行く。
こうした地道な作業が実を結んだか、混走セッションの終盤となる午後2時26分には立川が1分56秒908に一気にタイムアップし、#38 ZENT CERUMO SC430は3番手に浮上。このポジションのまま混走セッションを終えたLEXUS TEAM ZENT CERUMOは、GT300の専有時間帯を挟んで迎えたGT500の専有時間帯には、Q1を担当する平手も予選を想定しながらフィーリングをチェックし、1分57秒484とまずまずのタイムをマークする。
こうして2時間のセッションの間にLEXUS TEAM ZENT CERUMOは#38 ZENT CERUMO SC430の戦闘力をアップさせることに成功。大きな手応えを得て午後の公式予選を迎えることとなった。
Q1、Q2の2部構成で行われるノックアウト方式のGT500公式予選は、気温33℃、路面温度40℃というコンディションの中、GT300のQ1に続いて午後4時半にスタート。しかし、タイヤの消耗を抑えるためにも、各陣営同様Q1を担当する平手はピットで序盤待機し、タイミングを計りつつじっとコースインのタイミングを待つ。
先陣を切ってコースインした#23 MOTUL AUTECH GT-Rに遅れること3分。午後4時52分にピットを離れた平手は、#6 ENEOS SUSTINA SC430を従えるようにゆっくりとタイヤを温めると、まずは計測1周目を2分07秒台で周回。眼前にライバル車両等がいた関係で、自らのペースでタイヤを温めるには至らなかった平手だったが、翌周には1分55秒977の好タイムを刻んで4番手に。さらにファイナルラップに平手は渾身のアタックを見せ、1分55秒778へとタイムアップ。ひとつポジションを上げて3番手とした#38 ZENT CERUMO SC430は、見事Q2への切符を手にすることとなった。
8台のマシンによってポールポジションを争うGT500のQ2は、午後5時30分にスタート。12分間でのこのセッションの結果が、明日の決勝レースの#38 ZENT CERUMO SC430のスターティングポジションとなる。このQ2を担当するのは立川。平手からのフィードバックを受け、手応えを感じつつ#38 ZENT CERUMO SC430のコクピットに座る。
午後5時34分、しんがりのコースインとなった立川は、ゆっくりとタイヤを温めつつ1周すると午後5時37分に計測ラップをスタート。早めに仕掛けた立川は、この計測1周目を1分58秒649というハイペースで周回、3番手につけると、翌周には好アタックを見せて1分55秒589をマーク。しかし、#12 カルソニック IMPUL GT-Rのマークしていたトップタイムには、僅か0.133秒及ばず#38 ZENT CERUMO SC430は2番手。さらに翌周、諦めることなくアタックを続けた立川だったが、惜しくもファイナルラップは1分55秒653とタイムアップはならず。
結局このQ2を僅差の2番手とし、ポールポジション獲得のならなかった#38 ZENT CERUMO SC430だが、明日の決勝を昨年と同じフロントロウという絶好のポジションからスタートすることとなった。
灼熱の太陽のもと、マシンもドライバーも、そしてチームスタッフも暑い中、限界に近い奮闘が要求される明日の決勝。ランキングトップの#100 RAYBRIG HSV-010は5番手と、#38 ZENT CERUMO SC430より後方からのスタートとなるだけに、チーム全員が「なんとかランキングトップに立って帰国の途に着きたい……」と、同じ思いを胸に戦う明日の決勝が今から待ち遠しい限りだ。
ドライバー/立川 祐路
「公式練習では序盤クルマがうまく決まらずに、いつもと違ってちょっと違和感があったのですが、予選までにそれの改善をうまく出来たということだと思います。予選でのクルマはまずまずというか、いつも通りの状態に戻っていました。コンディション変化よりは、やはりクルマの方の問題だったと思います。そのあたりを予選までにうまく修正していけたので、欲を言えばPPを獲りたかったですね、僅差で惜しかっただけに。2番目に重いクルマながらフロントロウという位置まで来れているので、明日の決勝でも充分可能性はあるなと感じていますし、平手に頑張ってもらって見せ場を作ってもらえればと思います(笑)」
ドライバー/平手 晃平
「テストで走ったイメージとずいぶん違ったので、走り始めは立川さんがセッティングに時間を使って。僕も確認で載るのですが、やはりしっくり来ない印象でした。ただ公式練習の最後に自分が乗った際に、セッティングをいじってみたら良い方向に行ったので、予選に向けてもその方向でセッティングを変えて行きましたが、それでだいぶクルマが良くなりましたね。Q1ではピットアウトしてすぐに、前に他車が入ってしまい思うようなペースでタイヤを温められなかったのが影響したようには思いますが、それでも2周続けて良いタイムが出たので、朝を思えば本当に良くリカバリーしたな、という感じでした。出来れば明日は、スタートで前に出て逃げたいですね」
監督/高木虎之介
「持ち込みのセットアップが今ひとつで、走り始めはどうなることかと思ったのですが、Q1で劇的にクルマが良くなりましたね。そこからドライバーのやる気も出て来たんでしょうね。重さを考えれば、この予選ポジションは良いんじゃないでしょうか。PPまでコンマ1秒差ですから、ドライバーは悔しいと言っていますが、最初はPPが獲れるレベルまでクルマを持って行けるとも思っていなかっただけに、余計あと少しが悔しいのでしょう。せっかくの予選ポジションですし、明日は1位か、2位か……。タイム差もないので、明日は面白い見せ場があるんじゃないですか。しかし、出来れば勝ちに行きたいなと思いますね」