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SUPER GT RACE REPORT

2013年 SUPER GT 第7戦 AUTOPOLIS <予選/決勝>

2013年10月6日(日) Qualify 予選 / Final 決勝レース
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/平手晃平
公式予選結果1位(1分38秒174)
決勝総合結果2位

< 公式予選 > 天候:曇り|コース状況:セミウェット〜ドライ

2013年 SUPER GT 第7戦 AUTOPOLIS 沖縄付近にあった台風23号の影響か、激しい雨と霧に見舞われて公式予選セッションがキャンセル、日曜に順延となった第7戦オートポリス。土曜朝には雨の中、公式練習で立川が2番手タイムをマークした#38 ZENT CERUMO SC430だが、他のライバル陣営同様にまさにぶっつけ本番でのワンデーレースに挑むこととなった。

 日曜のオートポリスは時折霧雨が降るものの、大きな天候の崩れはなさそうな曇天。午前9時からはGT300のセッションに続き、前日キャンセルされたGT500の公式予選が行われた。路面はまだ黒く湿った箇所が多く残るダンプコンディションながら、#38 ZENT CERUMO SC430はライバル勢同様スリックタイヤでのコースイン。イレギュラー的に今回の予選はドライバーひとりによるアタックということとなり、LEXUS TEAM ZENT CERUMOはステアリングを立川に委ねることとなった。

 気温20℃、路面温度21℃というコンディションの中、GT300のアタックが終わった午前9時25分。GT500の予選セッション開始と同時に立川がピットを離れる。コースインした立川は、ゆっくりとコースを確認しつつ1周を終えると、徐々にタイヤに熱を入れながら計測1周目を1分51秒193で終える。

 計測2周目を1分44秒261で7番手とした立川は、翌周を1分41秒062とするもポジションは9番手。さらに翌周1分39秒934にタイムアップしたものの、#38 ZENT CERUMO SC430は6番手という状況。ここでいったん立川はピットに帰還、セットアップをアジャストしつつ2セット目のニュータイヤに履き替える。

 そして満を持して残り8分となった午前9時42分に#38 ZENT CERUMO SC430はピットアウト。計測1周目を1分48秒508とした立川は、徐々にペースを上げつつ翌周には1分42秒239を刻むも、#38 ZENT CERUMO SC430は12番手と徐々にポジションを下げて行ってしまう。

2013年 SUPER GT 第7戦 AUTOPOLIS しかし、続く計測3周目に渾身のアタックを見せた立川は、残り1分となった午前9時39分に1分38秒174をたたき出すと、一気に#38 ZENT CERUMO SC430はモニターのトップに!

 結局そのまま#38 ZENT CERUMO SC430は2戦連続でのポールポジションを奪取。コンクリートウォールで戦況を見守っていた高木監督と平手が握手をかわす中、ピットに帰還した立川は自身の持つ最多ポールポジション獲得記録を19回と更新することとなった。

 最終戦へのタイトル争いを懸けて臨む決勝は、午後2時に曇り空の下ローリングがスタート。狙い通りの最前列を確保した#38 ZENT CERUMO SC430は、平手のドライブで先頭を行く。

 そして午後2時、いよいよ65周の決勝レースがスタート。ポールポジションの平手は、ローリングから鋭い加速を見せると、難なく1コーナーをトップでクリアする。好調なスタートを切り、1周目に早くも1秒6のギャップを作った平手は、2周目には2秒4、3周目には3秒3と着実にマージンを築いて行く。3周目には1分40秒434のファステストラップを刻むなど、好調に周回を重ねる平手は、6周目あたりからは周回遅れが登場し、7周目には1秒3にまで2番手#23 MOTUL AUTECH GT-Rの接近を許すも、逆に8周目には5秒5、9周目には7秒5、10周目には11秒6と一気にギャップを拡大することに成功する。

 時折タイヤかすを拾って苦しめられるものの、後続の攻防を他所に12秒前後のギャップに守られ、力強くトップを行く#38 ZENT CERUMO SC430。25周を過ぎたころからサーキットには小雨が落ち始め、平手もワイパーを動かしての走行となるものの、ライバル勢がピットインし始めてもトップを快走。結局リードをさらに拡大し、33周目にピットへ。LEXUS TEAM ZENT CERUMOは後半スティントを立川に託すこととなった。

 相変わらず雨の降る中、全車がピット作業を終えた36周目に再びトップに返り咲いた#38 ZENT CERUMO SC430は、その時点で18秒近いマージンを稼ぎだしている状況。立川も36周目に1分41秒619のベストラップを刻むなど、順調に周回を重ねて行く。

 しかし、予期せぬ不運が勝利に向けて突き進む#38 ZENT CERUMO SC430に降り掛かる。立川はスティントが後半に差し掛かったあたりでタイヤかすを拾ってしまい、酷いバイブレーションに悩まされたのだ。さらには後半の登りセクションを中心に、なかなかポジションを譲ってくれない周回遅れにペースを乱されるなどした結果、#38 ZENT CERUMO SC430のマージンは残り10周となった55周目には5.8秒に縮まってしまう。

2013年 SUPER GT 第7戦 AUTOPOLIS それでもなんとかトップチェッカーを目指して周回を続けた立川だったが、ペースに勝る#36 PETRONAS TOM’S SC430や#17 KEIHIN HSV-010が背後に迫ってくる。残り3周となった62周目にはついにその差はコンマ数秒という状況となったが、間の悪いことに63周目、必死で逃げる立川の目前にコースオフしていた周回遅れのマシンがコース復帰を果たした際、あろうことか#38 ZENT CERUMO SC430に接触。これでバランスがより悪化した立川は、トップを守り切ることが出来ず、その周の第2ヘアピンで#36 PETRONAS TOM’S SC430にトップを明け渡してしまう。

 それでも最後の力を振り絞り、迫る#17 KEIHIN HSV-010の攻勢を凌ぎ切った#38 ZENT CERUMO SC430は、2位でチェッカー。惜しくもポール・トゥ・ウインはならなかったが、15ポイントを加算することとなり、トータル58ポイントとしてついに念願のランキング首位に浮上して最終戦のもてぎに臨むこととなった。

ドライバー/立川 祐路
「前半の平手のスティントからタイヤかすに悩まされていたので、前半と違うタイヤで行こうか悩んだのですが、結局そのまま同じタイヤで行って。僕のスティントでも最初の数周は良かったものの、結果的に後半も同様にタイヤかすに苦しめられましたね。レース前半から36号車のペースは速いなと思っていたのですが……。最後にはコースに戻って来た周回遅れにリヤに接触されて、もうまっすぐ走らないような状態になってしまったので、36号車からポジションを守るのはもう無理でした。17号車にも抜かれてしまうのではと思ったほどでしたから、状況を考えれば2位でも良しとするしかないでしょう。元々僅差のタイトル争いは覚悟していましたし、どのみち最終戦勝負になると思っていましたから、もてぎでは良いレースをしてチャンピオンを獲りたいですね」

ドライバー/平手 晃平
「僕のスティントでもタイヤかすを拾ってしまう状況はあったのですが、それでも後続のマシンよりはペースも良く、マージンを稼ぐことが出来ました。周回遅れの処理も比較的うまく行っていましたし、その点ではうまく走れたのではないかと思います。ただ、後半に立川さんもタイヤかすに苦しめられた際、36号車のペースが残念ながら僕らを上回っていたということで、結果としては悔しいレースになりました。最終戦のもてぎに向けては、先日のテストでも好調でしたし、レクサス勢同士の一騎打ちになるかもしれませんが、もてぎで勝って気持ちよくシリーズを終わりたいなと思います」

2013年 SUPER GT 第7戦 AUTOPOLIS監督/高木虎之介
「混戦が予想される中、スタートからうまく平手が抜け出してくれたのですが、GT300の周回遅れが絡んで来たり、タイヤかすを拾ったりしたことで、最後の立川は凄く苦しい状況になってしまったと思います。かなりバイブレーションもあったようですし。なんとか抑え切って欲しかったというのが正直なところですが、現実的にはそういう状況ではなかったのでしょう。最後はGT300の周回遅れとの接触もあったようですが、なんとか2位を守ってくれたので良かったです。本当に勝ちたいレースでしたが、ランキングトップで最終戦に臨むという状況は近年なかったですからね。もてぎでは頑張りたいと思います」