2013年 SUPER GT 第4戦 SUGO <予選>
2013年7月27日(土) Qualify 予選
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/平手晃平
公式予選総合結果5位(1分15秒125)
< 公式予選 > 天候:曇|コース状況:ウェット〜ドライ
第3戦セパンでは予選でフロントロウを獲得も、決勝では序盤のアクシデントで後退、惜しくもノーポイントに終わったLEXUS TEAM ZENT CERUMOだったが、第4戦の舞台はみちのく菅生が舞台。折しも東北地方に低温予報が伝えられるなど、灼熱のマレーシアから心機一転、高木虎之介監督以下、立川祐路、平手晃平のドライバーコンビとチームスタッフも異なるコンディションで迎える中盤戦に、高いモチベーションを持って仙台入りした。
搬入日となった金曜にも時折激しい雨に見舞われるなど、予報通り不安定な天候となった菅生。土曜も終日気温は22℃前後と、非常に涼しい中での予選日を戦うこととなった。
午前8時45分からの公式練習は、気温22℃、路面温度24℃でスタート。早朝には濃い霧が立ちこめたものの、セッション前には少し日が差すなど、心配されたディレイなどなくオンタイムでのコースインとなったが、このセッションに先駆けてはエンジニアとしてチームとともに苦楽を共にするも、5月に急逝された加藤佑二氏を忍んで黙祷が捧げられた。高木監督、平手、村田エンジニアらが#38 ZENT CERUMO SC430#38 ZENT CERUMO SC430の周囲に整列、立川はコクピットに座り、全スタッフが深く故人を偲ぶこととなった。
セッションがスタートすると、前夜の雨でウエット路面となっている中立川がコースイン。いきなりの連続周回で、コンディションを確かめながら徐々にタイムを上げて行く立川は、午前8時54分に1分28秒521をマークしてトップに立つと、さらに1分27秒987へとタイムアップしていく。
いったんピットに入った立川は、セットアップやタイヤ評価をこなすべく再びピットアウト。午前9時05分には1分27秒272へとタイムを上げ、いったん下がっていた#38 ZENT CERUMO SC430のポジションを4番手に押し上げる。
徐々にラインが乾き始め、コンディションが良化する中、さらに1分27秒034とした立川は、ピットイン&アウトをしつつ作業を進めると、午前9時27分には1分24秒346で3番手に。ここでピットインした立川は、平手にステアリングを委ねることとなった。
しかし、この頃にはほぼラインがドライに転じ始め、上位陣のタイムも1分20秒台に突入。そろそろチームもスリックタイヤに履き替えようかというところだったが、午前9時44分に再び霧が濃くなったことから、視界不良のためセッションは赤旗に。
午前10時02分の再開直後、平手はスリックタイヤの皮むき作業を行うと、その後セットアップと連続周回に入り、午前10時19分には1分21秒511をマーク。この段階ではポジション的には14番手ながら、平手は#.38 ZENT CERUMO SC430のバランスに手応えを感じていた。混走時間の終了間際には、それを裏付けるように、ニュータイヤでタイムアタックのシミュレーションを行った平手は、1分17秒200という好タイムをたたき出す。
GT300ボードが提示された直後、最終ラップに#17 KEIHIN HSV-010が1分16秒535をマークしたため、2番手に後退したものの、#38 ZENT CERUMO SC430は混走時間帯を2番手と好位置で終えることとなった。
午前10時53分からスタートとなった残る10分間のGT500専有時間帯では、ドライコンディションで走っていない立川がフィーリングを確認するべくコースイン。しかし、GT300の専有時間帯にも視界不良で2度目の赤旗中断を引き起こしていた霧が、再びその濃さを増してしまい、午前10時57分にまたも視界不良により赤旗が提示される。タイヤのウォームアップを終え、立川にとっては「さぁ、これから」というところでセッションはそのまま終了となってしまう。
結果的に2番手という良いポジションで公式練習を終えたLEXUS TEAM ZENT CERUMO。コンディションはそのまま大きな変動は見せぬまま、午後2時15分からのGT500公式予選はドライでのアタックとなった。
ノックアウト方式の公式予選、そのQ1を担当するのは平手。GT300のQ1に続き、GT500ボードが提示されると、平手のドライブで#38 ZENT CERUMO SC430が先陣を切ってコースインしていく。
いち早く計測ラップに入った平手は、1周目を1分27秒330とすると、2周目は1分20秒114。タイムを計測するたびに#38 ZENT CERUMO SC430はモニターのトップに躍り出るが、その後のアタックでライバル達にタイムを更新されるなど、一進一退の状況が続く。
3周目に1分15秒906を刻んだ平手は、続く4周目に渾身のアタックを見せると、僅かなミスはあったものの1分15秒229をマークし、再び#38 ZENT CERUMO SC430をトップに押し上げる。このまま暫定ポール獲得かと思われたが、惜しくも直後に僅差で2台にタイムを上回られ、#38 ZENT CERUMO SC430は3番手に。結局そのまま3番手でQ1を終えた#38 ZENT CERUMO SC430だが、難なくQ1を突破し8台によるQ2へと進出することとなった。
午後3時からのQ2は12分間の戦い。LEXUS TEAM ZENT CERUMOはこのQ2を立川の手に委ねる。
気温23℃、路面温度24℃というコンディションでQ2セッションが始まると、立川もライバル達とともにコースイン。ゆっくりとタイヤを温め、計測1周目を1分21秒256とし、序盤ながら2番手に。上位陣が1分16秒台に突入した計測2周目、立川は1分17秒826で3番手につけるも、トップは1分14秒台とさらにタイムを上げて行くなど、雨が降り始める中、戦況は今ひとつ。
翌周に照準を定め、渾身のアタックを見せた立川だったが、タイムは1分15秒125の4番手。なんとかタイムアップを狙って翌周もアタックを続けたものの、既に雨が強まっており、SPコーナーで立川駆る#38 ZENT CERUMO SC430はリヤをスライドさせてしまう。
結局この周回は1分15秒480とタイムアップはならず、#38 ZENT CERUMO SC430は5番手でQ2を終了。明日の81周の決勝を#38 ZENT CERUMO SC430は5番グリッドからスタートすることとなった。
ドライバー/立川 祐路
「Q2のアタックとしては、ちょっとうまく行かなかったかな、という感じですね。ドライコンディションで朝走っていなかったので、もう少し行けたかな、というところでした。コースインしてすぐに雨がポツポツ来はじめてはいましたが、まだ問題ないレベルでしたから、雨の影響というよりはもうちょっと行き切れなかった、という状況でしたね。ドライでの走行がぶっつけ本番だったのが……。ベストの周は最終ラップのギャップで少し姿勢を乱してロスしたので、もう1周と思ってアタックしたのですが、その周はもう雨が強まっていたのでタイム更新出来ませんでした。状況的に仕方がなかったと思いますが、明日に向けてはコンディションが読めないところはありますが、充分盛り返せる可能性はあると思います」
ドライバー/平手 晃平
「今日は朝から難しいコンディションでしたが、その中でもバランスは悪くなかったですし、路面が乾いて来てからも混走時間の最後にニュータイヤで一発のタイムも出て、フィーリングはまずまずでした。そういう意味でクルマの仕上がり的にも良いところにいるのかな、という手応えもありましたね。それで僕が担当したQ1のアタックでは、ベストの周にレインボーコーナーの立ち上がりで縁石に乗りすぎてコンマ2秒ほどロスするミスがあったので、うまくまとめていれば暫定ポールに届いていたんじゃないかと。それでもまずまずのタイムが出せてQ1をクリア出来たので、今日の自分の仕事としては良かったのかなと思います。明日は前にウエイトの軽い1号車や18号車がいますが、なんとか頑張って表彰台に乗りたいところです。シリーズ争いを考えると、この菅生と鈴鹿1000kmは踏ん張りどころですからね」
監督/高木虎之介
「それほど悪いという状況ではないと思います。Q2では立川が午前にドライでほとんど走れていない状況だったことが少なからず影響してタイムが出なかった印象ですが、午前の公式練習でもウエット、ドライの双方のコンディション下でクルマの面でも外している訳ではなかったと思いますね。ですから明日は81周の長丁場ですし、前回のようなミスをせず、GT300の処理などに気をつけて、取りこぼさないようにしっかり戦えば大丈夫だと思います。菅生はいつも終盤に波乱があるというか、ぶっちぎりのレースが少なくもつれる印象があるのですが、菅生の次は鈴鹿1000kmという難しいレースですし、なんとかこの菅生で出来るだけ多くのポイントを持ち帰りたいですね」