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SUPER GT RACE REPORT

2021年 SUPER GT 第1戦 OKAYAMA <予選>

2021年4月10日(土) Qualify 予選
ZENT GR SUPRA#38 立川祐路/石浦宏明
公式予選総合結果5位
< 公式予選 > 天候:晴|コース状況:ドライ

 

2021年 SUPER GT 第1戦 okayama 新型コロナウイルス禍に揺れた2020年を終え、短いオフシーズンを経ていよいよSUPER GTは2021年シーズンの開幕を迎えた。2020年、いまひとつ波に乗りきることができなかったTGR TEAM ZENT CERUMOにとっては、今季は捲土重来のシーズンとしたい。このオフ、立川祐路と石浦宏明という絶対的なコンビネーションは変わらないものの、新たに多くのチャンピオンカーを手がけてきた田中耕太郎エンジニアを招聘し、体制強化を図ってきた。

 今オフは海外でのテストができなかったこともあり、2月のメーカーテストや3月の岡山国際サーキット、そして富士スピードウェイで行われた公式テストを経て、TGR TEAM ZENT CERUMOは開幕への準備を整えてきたが、少しずつZENT CERUMO GR Supraの熟成も進み、新たなメンバーも加えたチーム内部の雰囲気も良さが出はじめていた。こうして迎えた4月10日(土)、晴天に恵まれた岡山国際サーキットで、いよいよ午前9時45分からの公式練習に臨んだ。

 まずZENT CERUMO GR Supraのステアリングを握ったのは立川だ。まずはアウトラップからすぐにピットに戻り確認を行うと、これまでの公式テストで得られたデータから施したセットアップを確認しながら少しずつタイムを上げていく。立川はその後2回のピットインを経て、18周をこなしZENT CERUMO GR Supraをピットへ。1分19秒921というベストタイムを残し石浦に交代した。

 少しずつセットアップが改良されていったZENT CERUMO GR Supraだが、石浦は引き続き確認を行いながら、同様にアウトラップで確認を行い、その後1回ピットインを行いつつ、GT500クラスの専有走行の時間でニュータイヤを履き、予選シミュレーションに臨んでいった。この時点では、やや繊細さは残っていたものの、石浦は1分19秒016というベストタイムをマーク。この公式練習を9番手で締めくくった。

2021年 SUPER GT 第1戦 OKAYAMA とはいえ、午後の公式予選に向けてより上のグリッドを狙っていきたい。午後2時からスタートしたQ1までに、TGR TEAM ZENT CERUMOはさらなる改良を施し、Q1アタッカーの石浦にZENT CERUMO GR Supraを委ねた。Q1はまずはGT300クラスの予選が行われたが、その走行後ということもあってかコンディションは好転。石浦は着実にタイヤをウォームアップさせると、4周目に午前から大きくタイムを縮める1分18秒177というベストタイムを記録。3番手につけ、Q2の立川に繋いでみせた。

 上位でのQ2進出ということもあり、立川にも期待がかかる。GT300クラスのQ2をはさみスタートしたGT500クラスのQ2で、立川は1分25秒530、1分22秒081とタイムを上げ、石浦同様4周目にアタックラップへ入っていった。

 ただ、ここで立川はリヤに不安定さを感じてしまう。1分18秒814というタイムをマークするが、トップは1分17秒台に突入していた。どうやらコンディションの変化にともない、タイヤがより早くウォームアップし、ピークのグリップを出し切れなかったようなのだ。非常に繊細な現代のSUPER GTを象徴するかのような出来事で、終わってみればZENT CERUMO GR Supraの順位は5番手という結果となった。

 

 3列目といえば悪くない予選順位ではあるが、とはいえGR Supra勢が上位を占めるなか、悔しさも残った。ただZENT CERUMO GR Supraのフィーリングは決して悪いわけではない。決勝レースでのさらなる上位進出を目指し、TGR TEAM ZENT CERUMOは一丸となって開幕戦に挑んでいく。

2021年 SUPER GT 第1戦 OKAYAMAドライバー/立川 祐路
「正直に言うと、いまひとつうまくいかない予選日でしたね。公式予選Q1では、石浦選手が比較的良いタイムを出してくれていたので、自分もQ2では良いタイムを出そうと意気込んでいたのですが、なぜかグリップが思うように出ず、良いタイムが出ませんでした。タイヤのウォームアップが良すぎて、リヤがタレてしまったような感じもあったので、難しい予選になってしまったと思います。明日挽回できるよう、なんとか頑張っていきたいと思います」



2021年 SUPER GT 第1戦 OKAYAMAドライバー/石浦 宏明
「公式テストからはクルマは違う状態で持ち込んでいて、午前の公式練習のときにニュータイヤを履いたときから、ややピーキーさを感じていたのですが、データを見てもらったり、アジャストしてもらった結果、GT300が走った後のコンディションの変化もあり、フィーリングは好転していました。ただアタックラップの翌周の落ちもあったので、なんとかピンポイントでまとめられたと思います。とはいえ、レースに向けてはもう少しいろいろなことを考えないといけませんね。予選ではGR Supra勢が上位に固まっており、以前のLC500のデビューレースのようですね。レースがしにくいところはありますが、GR Supra勢のなかで前にいかなければ表彰台も優勝もないので、いちばん前にいけるようにしたいです」

監督/村田 淳一
「2021年に向けてチームの核であるドライバーとエンジニアのうち、エンジニアが交代し、オフの間イチからクルマを見直し、準備してくれました。結果は5番手ですが、昨年に比べて大きな進歩もありましたし、Q1では石浦選手が3番手タイムをマークしてくれました。Q2では、立川選手がタイヤのウォームアップに関してタイミングがずれてしまったこともありましたが、これはチームの作戦ミスだと思います。そこは大きな課題ですね。しっかり情報収集しなければならないと思います。とはいえ5番手ですし、タイヤの保ちなどは天候次第ですが、しっかり準備をしてきたのでレースの展開をエンジニアと見極めていきたいと思います。ピット作業も練習してきたのでこれも着実に決めて表彰台を目指していきたいと思います」