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SUPER GT RACE REPORT

2021年 SUPER GT 第3戦 SUZUKA <決勝>

2021年8月22日(日) final 決勝
ZENT GR SUPRA#38 立川祐路/石浦宏明
決勝結果 8位
< 決勝 > 天候:曇|コース状況:ドライ

 

2021年 SUPER GT 第3戦 suzuka ZENT CERUMO GR Supraに好フィーリングは感じていながらも、季節はずれの低い路気温のなかで行われた公式予選では、思わぬ伸び悩みで10番手というグリッドからレースを戦うことになったTGR TEAM ZENT CERUMO。8月22日(日)の決勝日は、好感触を結果に繋げるべく、どんな天候になってもしっかりと対応できるよう、準備を整え午後1時10分からのウォームアップに臨んだ。

 立川祐路がステアリングを握ったZENT CERUMO GR Supraは、ウォームアップで7周をこなし改めて感触を確認。石浦宏明も1周だけ乗り込み、後半スティントに備えることになった。このウォームアップの終了間際に起きたクラッシュにより、決勝レースは10分間ディレイされ、午後2時48分に決勝レースの火ぶたが切られた。

 スターティンググリッドでは夏の日射しが戻っており、急速に路気温が上がった決勝レース。ZENT CERUMO GR Supraを駆る立川は、まずはオープニングラップでひとつポジションを上げると、2周目には#17 NSX-GTをオーバーテイク。好フィーリングのZENT CERUMO GR Supraを駆り、ひさびさに立川らしいアグレッシブなレースを展開していった。

2021年 SUPER GT 第3戦 suzuka しかし5周目、上位陣の混戦が落ち着き始めたころ、トップを走っていた#64 NSX-GTが日立Astemoシケインでクラッシュしてしまう。衝撃自体は大きなものではなかったにしろ、スポンジバリアに車両の熱が引火。もうもうと煙が立ちこめてしまった。そのため、すぐさまレースコントロールはフルコースイエロー(FCY)を導入。直後にセーフティカーに切り替えられた。

 消火、さらにスポンジバリアの交換もあり、セーフティカーランは11周まで続くことになる。しかし12周目にリスタートを迎えると、ふたたび立川のドライビングが冴え渡った。15周目、立川はまず日立Astemoシケインで#12 GT-Rをかわし6番手に浮上。さらに18周目、#8 NSX-GTをオーバーテイク。いよいよ5番手まで浮上した。素晴らしいペースでバトルをしかけるZENT CERUMO GR Supraは、コース上でも最も目立つ存在となっていた。

 19周目、GT500クラスの上位陣がGT300クラスの集団に追いつき始めると、少しずつGT500のライバルたちもピットインし始めた。好調な走りをみせていた立川をピットにいつ戻すか、TGR TEAM ZENT CERUMOにとっても悩ましいタイミングだ。立川はGT300をうまく使いながら首位争いに近づき、ライバルたちのピットインにともない3番手まで浮上する。

 最終的に、チームは21周を終えたところで立川をピットに呼び戻し、石浦宏明にZENT CERUMO GR Supraのステアリングを委ねた。ピット作業はパーフェクトで、石浦はZENT CERUMO GR Supraをコースに戻していく。ただ、必死にタイヤをウォームアップさせていた石浦の横を、GT500のライバルたちが通過していった。

 

2021年 SUPER GT 第3戦 suzuka ライバルたちは、GT300の集団がコース上に現れる前にピットインを行い、ロスタイムを削るアンダーカットを行っていた。そのため、わずかなタイムの差でZENT CERUMO GR Supraを先行していたのだ。全車がピット作業を終えると、石浦の順位は8番手。またバトルを勝ち抜かなければならなくなった。とはいえ、フィーリングは悪くない。石浦は上位進出を目指し、ZENT CERUMO GR Supraのアクセルを踏んだ。

 

 ただ石浦は、#16 NSX-GTを先頭とした4番手争いに巻き込まれていく。ZENT CERUMO GR Supraを含め7台ほどがパックとなった集団で、トップドライバーたちはサーキットを沸かせるバトルを展開していく。だんだんと集団の間隔が広がり始め、石浦は#17 NSX-GT、#36 GR Supraらとのバトルを繰り広げる。見ごたえがあるものだったが、逆に言えば戦いのなかでなかなか自分のベストのペースで走ることができずにいた。

 

 終盤、石浦のライバルは#17 NSX-GT、そしてひとつ順位を落としてきた#12 GT-Rという顔ぶれになっていく。48周目、日立Astemoシケインで#17 NSX-GTが#12 GT-Rに仕掛けたスキをつき、石浦は#17 NSX-GTをオーバーテイク。7番手に順位を上げる。

 

 2021年 SUPER GT 第3戦 suzuka石浦はさらに#12 GT-Rを攻めるが、なかなか相手もスキをみせない。そんななか、50周目の日立Astemoシケインで鋭い加速をみせた石浦は、続く1コーナーで#12 GT-Rのインへ。これが成功し、ついに6番手に浮上した。

 

 ただその直後、オーバースピード気味に飛び込んだZENT CERUMO GR Supraは、2コーナーでわずかにコースを外れてしまった。すぐにレコードラインに戻ることはできたものの、ふたたび2台が先行。最後までバトルは続いたが、ZENT CERUMO GR Supraは8位でフィニッシュすることになった。

 

 TGR TEAM ZENT CERUMOが望んだ結果とは言いがたいが、とはいえチームメンバーの表情は前向きだった。ライバルと戦い、勝ち抜く糸口が見えたからだ。この気運を今度こそ結果に繋げたい。TGR TEAM ZENT CERUMOは第5戦スポーツランドSUGOでの活躍を誓い、鈴鹿サーキットを後にした。

 

2021年 SUPER GT 第3戦 suzukaドライバー/立川 祐路
「クルマの状態は前日同様良かったです。予選では周囲の状況、条件もあり、GR Supra勢が前にいけない状態になってしまいましたが、決勝では違った展開になり、クルマもタイヤのフィーリングも良く、今年初めてレースで戦える印象がありました。昨日語ったように『攻めのレースをしよう』ととにかく前に出るつもりで走りましたし、それができる手ごたえもありました。結果的にはピットのタイミングや集団に埋もれてしまったりと、思っていたほどのリザルトにはなりませんでした。悔しい気持ちはありますが、次に繋がるレースになったと思います。次戦のスポーツランドSUGOできっちりトップ争いができるようにしていきたいと思います」


2021年 SUPER GT 第3戦 suzukaドライバー/石浦 宏明
「レース序盤、立川選手が頑張ってくれて順位を上げてくれましたが、ピットイン前にトラフィックに引っかかっていると無線が入り、チームもピットインを判断したものの、それでロスがあり、自分がコースインするときにはライバルが次々に先行するような状況でした。自分としてもバトルのなかでなかなか抜け出せなかったのは反省点で、うまく展開を作れませんでした。悪循環になってしまいましたね。最後は2台のライバルとの争いで一度は抜きながらも、オーバースピード気味でわずかにコースアウトし、順位を落としてしまったので、そこは反省点です。トライした結果なのですが、順位に繋げられなかった悔しさが残っています。チームとしても自分としても反省するところがあるので、次戦にしっかりと活かしていきたいと思います」

監督/村田 淳一
「もてぎ以降、TCDさんの協力もあり、やってきたセットアップの見直しが功を奏し、ドライバーが納得いくセットアップに仕上げられたと思います。レース序盤を見ても分かるとおり、立川選手らしいレースを展開してくれたと思います。ただ戦略ミスというか、ピットのタイミングがうまくいかず、アンダーカットしたライバルに先行されるかたちになってしまいました。ピット作業自体はうまくいき、メカニックには感謝もしていますが、戦略面は課題ですね。石浦選手は最終的に順位を落としてしまいましたが、ペースは良かったのに塞がれるレースになってしまいました。せっかく良いレースをしても戦略がやはり改善点だと思います。次戦までにしっかりと解決し、スポーツランドSUGOで優勝できるよう、引き続き取り組んでいきたいと思います」