2013年 SUPER GT 第2戦 FUJI <決勝>
2013年4月29日(月) Final決勝レース
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/平手晃平
決勝総合結果 2位
<決勝> 天候:晴れ|コース状況:ドライ
前日の予選ではQ2に進出もポールポジション獲得はならず、5番グリッドからの決勝スタートとなった#38 ZENT CERUMO SC430。しかしながらタイヤ選択、セットアップを含めて500kmという長丁場の決勝をにらんでの備えは充分であり、LEXUS TEAM ZENT CERUMOのスタッフとしても、得意の富士で開幕戦の4位を上回るリザルトを、との高いモチベーションは一致していた。
予選日から一夜明けて、昭和の日の祝日となった富士スピードウェイは、前日同様に早朝から好天に恵まれ、午前8時30分からは決勝に向けた最後の調整セッションとなるフリー走行が30分間で行われた。
このセッション、序盤#38 ZENT CERUMO SC430のステアリングを握ったのは立川。気温15℃、路面温度23℃というコンディション下で、立川は序盤から連続周回に入る。1分40秒828、1分35秒150とタイムを上げていった立川は、午前8時38分には1分34秒235で3番手と好位置につけると、さらに午前8時41分には1分33秒672へとタイムアップ。決勝での状況を想定しつつ、立川はタイヤやマシンの状況を確認していく。
午前8時48分、立川はピットインし、ここで平手がコクピットに。残りのセッションは平手が周回を続けることとなったが、平手のドライブでコースに復帰した#38 ZENT CERUMO SC430は、1分37秒111、1分35秒485、1分34秒456と順調にペースアップ。チェッカーが提示された午後8時30分、ファイナルラップに1分34秒356と、このセッションでの自己ベストをマークした平手はピットへ。結局このセッションでの#38 ZENT CERUMO SC430は4番手で終了。立川、平手ともに決勝に向けて確かな手応えを得ることとなった。
気温18℃、路面温度29℃となった午後2時。いよいよ110周の決勝がスタートのときを迎える。5番グリッドからフォーメイションラップに出て行く#38 ZENT CERUMO SC430のステアリングを握るのは立川。500kmの長丁場のため、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは3つのスティントを立川、平手、立川のオーダーで戦う作戦だ。
1周のローリングの後、いよいよ決勝がスタート。立川はイン側から1コーナーへアプローチするが、さらにイン側から#1 REITO MOLA GT-Rが突っ込んで来たため、やむなくポジションをいったん下げたが、すぐさまオープニングラップにはポジションを回復、5番手のポジションキープで1周目を終える。
ここから1分34秒台のラップを連発しつつ、前の#6 ENEOS SUSTINA SC430を追う立川だったが、#6 ENEOS SUSTINA SC430の前にはペースの上がらない#23 MOTUL AUTECH GT-Rがおり、11周目には#6 ENEOS SUSTINA SC430が#23 MOTUL AUTECH GT-Rをパス。このため、立川の直近のライバルは#23 MOTUL AUTECH GT-Rとなった。
コンマ数秒差で#23 MOTUL AUTECH GT-Rを攻め続ける立川だったが、相手も巧みなブロックでオーバーテイクを許さない。時には接触しながらも前に出られないじりじりとした展開が続くが、なんと19周目の1コーナー立ち上がりで#23 MOTUL AUTECH GT-Rはマシントラブルから失速しリタイア。#38 ZENT CERUMO SC430はようやく4番手浮上を果たす。
4番手となった立川は、前を行く#6 ENEOS SUSTINA SC430を追ったが、その6号車が23周目に#39 DENSO KOBELCO SC430をかわし、今度は39号車が立川のターゲットに。25周目の1コーナーでこれをしとめ3番手となった立川は、今度は6号車を追いつめていくが、37周目にその6号車が先にピットイン。翌周にはLEXUS TEAM ZENT CERUMOも立川をピットに呼び寄せ、平手を第2スティントに送り出す。
このピットインの影響で一時5番手に後退した#38 ZENT CERUMO SC430だったが、すぐさま4番手に浮上。タイヤが温まった平手は1分33秒台を連発するなどハイペースでの追い上げをはかり、前を行く#6 ENEOS SUSTINA SC430に肉薄していくと、ついに67周目の1コーナーで平手のプレッシャーに屈したか、#6 ENEOS SUSTINA SC430はブレーキングでミスを犯し、オーバーラン。難なく3番手を手中に納めた平手は、早めのピットインでトップを周回していた#39 DENSO KOBELCO SC430のピットインにより、68周目には2番手に浮上、今度はトップの#36 PETRONAS TOM’S SC430を追っていく。
しかしトップ浮上は叶わぬまま、78周目にルーティンピットのタイミングを迎えた平手に、LEXUS TEAM ZENT CERUMOはピットインを指示。ところが、同じラップで前の#36 PETRONAS TOM’S SC430もピットインし、一気にピット作業での逆転の可能性が浮上したが、ここでの逆転は果たせず。LEXUS TEAM ZENT CERUMOは立川を再びコースに送り出すが、ピットアウトしたばかりでタイヤの冷えていた立川は、先にピットを終えていた#6 ENEOS SUSTINA SC430に、コカコーラコーナーで先行を許してしまう。
ここで3番手に後退した#38 ZENT CERUMO SC430だったが、タイヤが温まると立川は#6 ENEOS SUSTINA SC430とのギャップを詰め、84周目の最終コーナーでインに飛び込み、2番手奪還に成功する。
残るターゲットはトップの#36 PETRONAS TOM’S SC430のみとなった立川。前を行く#36 PETRONAS TOM’S SC430の中嶋一貴もペースを上げ、1分33秒台の拮抗したハイレベルな戦いが続く。一時は5秒近くあったトップとのタイム差を、105周目にはコンマ9秒差にまで縮めた立川だったが、残り周回も少なかったこともあり、逃げる#36 PETRONAS TOM’S SC430を捕らえるには惜しくも至らず2位でチェッカーとなった。
500kmというシリーズ2番目の長い攻防を終え、優勝こそならなかったものの2位表彰台を得たLEXUS TEAM ZENT CERUMO。岡山4位、富士2位と好結果を重ねた結果、#38 ZENT CERUMO SC430は1ポイント差のランキング2位に浮上、次戦セパンでは酷暑が予想される中で46kgというハンディウエイトを負うこととなったが、昨年同様の好調なシーズン序盤とするべく次戦でも好レースを期待したいところだ。
ドライバー/立川 祐路
「決勝でのクルマの仕上がりという点では、決して僕たちの38号車も悪くはなかったのですが、今日は36号車の方が少し上手だったということだと思います。最初の僕のスティントでは、序盤に23号車を攻略するのに手こずってしまって。それで上位のレクサス勢と間隔が開いてしまったのが痛かったです。もちろん優勝はしたかったのですが、最後のスティントも実際にはあまりチャンスらしいものはありませんでした。今週は相手の方が良かった、ということでしょう。次のセパンまでには少し時間がありますから、その間にじっくりと対策を考えたいと思います」
ドライバー/平手 晃平
「僕のスティントは、まずまずだったと思います。最後に36号車を追いつめるところまでは行けたので良かったとは思いますが、立川さんに代わるところでピットで意外と時間が掛かったので……。作業自体にはミスはなかったと思いますが、あそこでもう少し前との差を詰められていたら、ひょっとしたら最後に立川さんが36号車に迫った流れで、もっとバトルになって抜けていたかもしれないとも思います。しかし、それでもちゃんと長いレースを走り切って立川さんにつなぐことが出来ましたし、スタート順位を考えれば36号車に追いつかなかったのは悔しいけれど、良いレースだったと思います。セパンについてはテストにも行って、データもありますから、ウエイトが重くなりますがしっかりと結果を残したいですね」
監督/高木虎之介
「3つすべてのスティントでトップの#36 PETRONAS TOM’S SC430を追いつめて行って、もう少しというところまでは行けたんですが……。ドライバーもチームも、大きなミスもなかったですしやり尽くした感じはありますが、本当にあとちょっとが詰められなかった、ということです。少し燃費を考えて、給油時間が長かったかもしれませんが、あれもミスではないですし、その分最後は燃料を気にせず追い上げられたのですから。今回2位で岡山が4位でしたから、去年のように良い流れで来れていると思います。その点で、次のセパンは46kgを積まなければなりませんし、きっとひとつの正念場になるはず。そこでどれだけ落とさず行けるか、出来るだけ上位に食い込んで少しでも多くのポイントを稼げるように頑張りたいと思います」