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SUPER GT RACE REPORT

2013年 SUPER GT 第3戦 SEPANG <決勝>

2013年6月16日(日) Final決勝レース
ZENT CERUMO SC430 #38 立川祐路/平手晃平
決勝総合結果 14位
<決勝> 天候:晴れ|コース状況:ドライ

2013年 SUPER GT 第3戦 SEPANG <決勝> 惜しくもポールポジションにこそ届かなかったものの、土曜の予選で2番手時計をマークしフロントロウを獲得した#38 ZENT CERUMO SC430。46kgというハンディウエイトを搭載しつつも、ポールシッターの#12 カルソニック IMPUL GT-Rにコンマ1秒差に迫っただけに、ポールポジションを獲り逃した悔しさはあるが、昨年も2位に終わっているセパンだけに、今年こそ頂点を極める戦いを展開すべく、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは日曜午前11時からのフリー走行に臨んだ。

 やや前日よりは日差しの強くなったピットロードに、レッドメタリックのボディーを光らせた#38 ZENT CERUMO SC430が飛び出して行く。ステアリングを握るのは平手。ライバル陣営同様、さっそくの連続周回に入った平手は、2分前後の堅実なラップを刻みながら、決勝に向け#38 ZENT CERUMO SC430のフィーリングを確かめて行く。早々に1分58秒台に入れてくる上位陣を後目に、平手はセッション前半をじっくりと周回。そしてセッション半ばの午前11時16分、一気に1分59秒548へとタイムアップ、#38 ZENT CERUMO SC430をモニターの3番手に押し上げる。

 平手は翌周1分59秒035にまでタイムアップしピットイン。決勝さながらのタイヤ交換とドライバー交代作業を終えたLEXUS TEAM ZENT CERUMOのスタッフは、今度は立川をコースに送り出す。ピットアウトした立川もマシンのフィーリングをチェックしながら2分00秒あたりで周回を重ねると、そのまま午前11時30分のチェッカーまで走行を続けることに。結局、このフリー走行での#38 ZENT CERUMO SC430は5番手。予選日からコンディションが変化し、やや暑さがましたためかミシュラン勢の復調という不安材料はあったが、LEXUS TEAM ZENT CERUMOはまずまずの手応えを得て決勝を迎えることとなった。

 今年の決勝は暑い日中を避け、午後4時のスタート。午後2時50分からのウォームアップランを終えた平手が、#38 ZENT CERUMO SC430を駆って午後3時過ぎにはアウト側2番グリッドに着く。気温33度、路面温度42度と、例年より涼しいグリッドで、スタート進行が進んで行く。高木虎之介監督、立川らも整列し、国歌斉唱する姿がモニターに映し出される。

 いよいよ午後4時、フォーメイションラップがスタート。1周の後、54周の決勝レースが始まった。やや#12 カルソニック IMPUL GT-Rのアクセルオンが早かったか、#38 ZENT CERUMO SC430は1コーナーで勝負出来ず2番手キープ。しかし、オープニングラップから平手は果敢にトップの#12 カルソニック IMPUL GT-Rに肉薄。隙あらば、とばかりに各所で#12 カルソニック IMPUL GT-Rのインにノーズをねじ込む勢いを見せる。

 しかし、なかなか#12 カルソニック IMPUL GT-Rも巧みなライン取りで#38 ZENT CERUMO SC430の先行を許さず、一進一退の攻防が続く。すると、5周目に平手の背後、3番手に浮上した#1 REITO MOLA GT-Rが6周目のコース後半で平手に急接近。勢いに乗る#1 REITO MOLA GT-Rは、バックストレッチにつながる第14コーナー進入で僅かに開いた平手のインを付いて並びかけてくる。このため、コーナー半ばで2台は接触し、平手はスピン。#38 ZENT CERUMO SC430はなんと2番手から12番手へと一気に後退してしまう。

 なんとかレースに復帰した平手だが、このアクシデントの影響で右リヤタイヤのスローパンクチャーに見舞われた#38 ZENT CERUMO SC430は、8周目のストレートエンドでバースト。ペースを落としながらピットに向かった平手だったが、チームがタイヤ交換と給油、さらにはダメージ箇所のチェックを終えてピットアウトした時点では、背後にトップを走る#12 カルソニック IMPUL GT-Rが迫り、ほぼ周回遅れという苦境に。

2013年 SUPER GT 第3戦 SEPANG <決勝> なんとかポジションを挽回すべく1分59秒台のハイペースで周回を続け、トップの#12 カルソニック IMPUL GT-Rを引き離して行く#38 ZENT CERUMO SC430だったが、あまりに遅れは大きくポジションは15番手のまま変化は訪れない。結局この後、31周目に平手はピットイン。立川にステアリングを委ねることとなった。

 ピットアウトした立川もまた、トップの#12 カルソニック IMPUL GT-Rの目前にピットアウトすることとなったが、諦めることなく1分59秒099のベストラップを37周目にマークしながら14番手の#19 WedsSport ADVAN SC430との数十秒差を少しずつ削り取って行った立川は、ついに54周目に前を行く#19 WedsSport ADVAN SC430を捕らえ14番手に浮上してみせる。

 しかし、アクシデントで失った後れはあまりにも大きく、ポイント圏内まで#38 ZENT CERUMO SC430を押し上げることは叶わず、結局優勝出来るパフォーマンスを見せながらも、LEXUS TEAM ZENT CERUMOはこのセパンをノーポイントという悔しい結果で去ることとなってしまった。

ドライバー/立川 祐路
「かなり厳しいレースになってしまいましたね……。とにかく残念でした。勝てるチャンスがあったと思いますし、序盤の展開を見ても充分可能性のあるレースが出来そうだったんですが。ああいう形でレーシングアクシデントということになりましたが、もったいなかったなという気持ちです。ウエイトも僕たちは今回と変わりませんし、周りがそれなりに積んで行くことになったので、今回以上に次の菅生は可能性があると思います。絶対勝ちに行きますよ」

ドライバー/平手 晃平
「12号車のスタートでの加速開始がグリーン点灯より早かったようにも思いますが、それで1コーナーで仕掛けることが出来ませんでした。ただ、相手が僕たちよりも硬めのタイヤだと言うことは分かっていましたので、なんとか1周目、2周目に前に出たかったのですが、なかなかチャンスがなくて。そうするうちに、背後に1号車が来て。ミラーでは右から来ているのは確認していたんですが……。あれで相手にペナルティーが出ないということには少し納得が行きませんが、アクシデント自体は自分でもっとちゃんとかぶせていれば避けられたという反省点もあります。その点をしっかり反省して、次の菅生では勝ちたいと思います」

監督/高木虎之介
「今日は悪い部分が出てしまいましたね。出来るだけミスをしないようにシーズンを戦って行こう、いかに年間のミスを減らせるかだといつも話しているのですが、それをまた今日やってしまったと思います。これをなかなか修正しきれないことが、いくら優勝出来てもチャンピオンに一歩手が届かない理由かもしれないですね。しかし、今日起きてしまったことは仕方がないので、これを糧に今季残りのレースでのミスをゼロにしていかないと。混戦の中での攻防は難しいものですが、なんとかあそこは耐えしのいで欲しかったです。ここでレースを落としてしまったので、次の菅生は勝つしかないですね」