2014年 SUPER GT 第6戦 SUZUKA <予選>
2014年8月30日(土) Qualify 予選
ZENT CERUMO RC F#1 立川祐路/平手晃平
公式予選結果9位(1分49秒719)
<予選> 天候:曇り|コース状況:ドライ
菅生大会での優勝という結果に対する代償ともいうべき、燃料リストリクターの装着により苦戦を強いられた富士でのLEXUS TEAM ZENT CERUMO。今季3度目のノーポイントとなってしまったものの、ランキングでは4番手と引き続き好位置につけている#1 ZENT CERUMO RC Fだけに、ウエイトが半減となるタイ大会を前に、燃料リストリクターを科せられて戦う最後の一戦となるこの鈴鹿1000kmでは、粘り強い戦いが期待されるところ。
搬入日となった金曜には、午後から夜にかけて雨が降るなどしたものの、土曜の鈴鹿は早朝から青空が広がることとなり、午前9時40分からの公式練習はドライコンディションでの走行となった。
気温26℃、路面温度30℃、湿度63%というコンディションでスタートした公式練習。#1 ZENT CERUMO RC Fは、いつものように少しピットで待機後、午前9時50分に立川がステアリングを握ってコースイン。しかし、タイム計測に入ったところで、スプーン立ち上がりで#32 Epson NSX CONCEPT-GTが車両火災に見舞われたためにセッションは赤旗中断になってしまう。
約15分の中断後、再開されたセッションでは再び立川がコースイン。いきなり連続周回に入り、1分52秒876までタイムを上げるとピットイン。セッティングを微調整すると、再びコースへと戻って行く。この時点でポジションは12番手と、やはりハンデの影響か下位に留まる#1 ZENT CERUMO RC Fだが、この後立川はピットイン&アウトを続けつつ、タイヤ評価とセットアップなど多くのメニューを消化して行くものの、気温の上昇と些細なトラブルもあって大きくタイムアップをすることはならず、午前11時08分には平手に交代することに。
代わってコクピットに座った平手もゆっくりとしたペースでの僅かな周回に留まった#1 ZENT CERUMO RC Fは、そのまま混走時間帯を終了。午前11時30分からのGT500専有時間帯には、再び立川がドライブしコースインすることとなったが、ここで立川はラストラップに1分51秒753にタイムアップも、最終的にこのセッションでの#1 ZENT CERUMO RC Fは13番手という苦しい立ち上がりとなった。
その後も強い日差しが照りつけ、午後2時の公式予選のスタート時には気温は30℃、路面温度も40℃にまで上昇。GT300のQ1で赤旗中断があったため、7分遅れの午後2時22分にGT500のQ1が始まった。
公式練習の状況が決して良くなかったこともあり、さらにセットアップ修正を行って迎えたQ1を担当するのは立川。他のライバル勢とともに、セッションが残り8分ほどとなった午後2時29分にピットアウトした#1 ZENT CERUMO RC Fは、まずは計測1周目を1分57秒938としてタイヤを温める。このラップでまずまずの手応えを感じた立川は、翌周渾身のアタックを敢行。ここで1分49秒719という好タイムをたたき出した立川は、その時点で#1 ZENT CERUMO RC Fをモニターの5番手に押し上げる。
午前から大きくタイムアップした#1 ZENT CERUMO RC F。チェッカー提示時点で8番手と、Q2進出圏内につけてアタックを終えた立川だったが、なんとファイナルラップに#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTがタイムアップしたために、惜しくも9番手にポジションダウン。トップ8台に与えられるQ2進出に後一歩と迫りながら、#1 ZENT CERUMO RC FはQ1敗退となってしまった。
しかしながら、公式練習からの大幅なレベルアップにより、マシンを降りた立川の表情は決して暗いものではなく、高木監督以下、LEXUS TEAM ZENT CERUMOのスタッフも、ポジティブにこの結果を捉え明日の決勝への充分な手応えを得ることに。依然として上位陣とのタイム差は大きく、1000kmという長丁場での戦いは決して楽観視出来るものではないものの、明日の決勝での好レースへの可能性を感じさせるに充分な予選セッションとなったことは間違いない。
ドライバー/立川 祐路
「公式練習では正直クルマの状態もあまり良くなくて。トラブルもあったのでセットアップの作業があまり進まず、かなり厳しい予選になるかもしれないと思っていました。しかし、予選に向けてセットアップを大きく変えてアタックしたところ、思った以上にバランスが改善されていて……。もう少しのところでQ2には進めませんでしたが、燃料リストリクターのことなどを考えれば、与えられた環境の中では精一杯の仕事が出来たのではないかと思います。アタック自体はうまく決められたと思いますし、朝よりもクルマが本当に良くなっていましたね。ただ、同様に燃料リストリクターで絞られているライバルメーカーのマシンの速さを見ると、我々もまだまだ開発をしなければならないと危機感もあります。1000kmという長いレースでの9番グリッドですから、まずまずのポジションからスタート出来ると捉え、アクシデントや波乱をうまく避けてレースをきっちりと最後まで走り切ってベストな結果を残したいですね」
ドライバー/平手 晃平
「今日は結果的にほとんどドライブしていません。立川さんが乗っているときに電気周りのトラブルがあって、クルマが本調子ではなかったのですが、午前の公式練習で最低1ラップは計測しなければならないという規則があるので、それをクリアするために応急処置だけをしてゆっくりアウト&インを含めて3周くらいしただけですので。そういう状況でしたので、予選でも苦しいポジションになるかもしれないと思っていただけに、Q2に進めなかったとはいえ9番手ですから決して悪い結果ではないと思います。昨年は燃費の問題で止むなくペナルティー覚悟でピットに入ることになるなど、これまであまり1000kmではいい結果が残せていませんが、明日はちゃんと結果を持ち帰れるよう手堅いレースをしたいと思います」
監督/高木虎之介
「朝の公式練習の状況からして、公式予選でもかなり苦しいポジションを覚悟していました。しかし、公式練習から2秒近くタイムアップすることが出来て、あと一歩でQ2進出という位置につけられるとは……。立川がスーパーアタックを決めたとしても、12番手あたりではと思っていたほどだったので、正直、これほどの改善が得られるとは予想していませんでした。苦しい中にあっても、結果的に良い形で予選日を終えることが出来ましたね。ただ、明日も簡単な戦いは出来ないと思いますし、とにかく普通に戦って、普通にチェッカーを受けることが出来れば。そうすれば、自ずとひと桁の順位でフィニッシュ出来ると思いますし、着実に戦いたいですね」