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SUPER GT RACE REPORT

2014年 SUPER GT 第5戦 FUJI <予選>

2014年8月9日(土) Final 決勝
ZENT CERUMO RC F#1 立川祐路/平手晃平
公式予選結果12位(1分30秒673)
<予選> 天候:曇り|コース状況:ドライ

2014年 SUPER GT 第5戦 FUJI <予選> 前回の菅生では、雨が時折路面を濡らすというトリッキーなコンディションの中、他を圧倒する速さを見せて今季初優勝を飾った#1 ZENT CERUMO RC F。20ポイントを獲得したことにより、シリーズポイントを35に延ばしてランキング3位へと急浮上を果たしたLEXUS TEAM ZENT CERUMOだけに、この得意の富士でのさらなる好成績に期待が高まるところだが、今季の新レギュレーションによりGT500では50kg以上のウエイト搭載車両は、50kg分を燃料流量リストリクターを装着することで相殺されるため、搭載ウエイトは20kgながらも燃料を絞られることで、高木虎之介監督以下、チームスタッフは厳しい戦いを想定してレースウィークを迎えることとなった。

 またしても台風11号が西日本に接近する中、迎えた土曜日。降雨が心配されたものの、なんとか持ちこたえてドライコンディションのまま、午前9時からの公式練習がスタートした。

 いつものように序盤をピットで待機した#1 ZENT CERUMO RC Fが、立川のドライブでピットを離れたのは午前9時12分。既にコース上では上位陣が1分31秒台前半で周回する状況でピットアウトした立川は、1分42秒112とゆっくりとしたペースで1周目を終えると、2周目には1分33秒816、3周目には1分31秒988と、順調にタイムアップしていったんピットへ。この時点で7番手につけた#1 ZENT CERUMO RC Fに対し、チームは立川のフィードバックを元に、セットアップ修正を施していく。

 作業を終え、再びピットアウトした立川は1分31秒190にまでタイムアップし4番手につけると、ここから細かくピットイン&アウトを続けつつ、徐々に#1 ZENT CERUMO RC Fのセットアップを進めていくLEXUS TEAM ZENT CERUMO。セットアップとタイヤ評価などをこなしつつ、なかなかタイム更新とはいかなかったものの、ライバル陣営も同様にタイムアップのあまりない時間帯が続き#1 ZENT CERUMO RC Fは5番手付近につけたままセッションは進むことに。

 午前10時17分には立川に代わって平手が乗り込み、#1 ZENT CERUMO RC Fはコースに出て行ったものの、午前10時21分、プリウスコーナーの立ち上がりで運悪く他車と交錯したスローカーに遭遇してしまい、追突を避けるためにスピン。接触は避けられたものの、#1 ZENT CERUMO RC Fはその場で立ち往生してしまい、セッションは赤旗中断に。なんとか平手はこの間に自力でピットに帰還することとなった。

 セッション再開後、無事走行を続けた平手はメニューを消化しつつ1分32秒282にまでタイムを上げると、GT300の専有時間帯となったため小休止。午前10時50分のGT500専有時間帯に仕切り直し、再びピットを離れることとなったが、ラストラップに1分31秒231にまでタイムを刻むも#1 ZENT CERUMO RC Fのベストラップは1分31秒190にとどまり、結局このセッションを11番手で終えることとなった。

 公式練習の走行データから、燃料リストリクターを装着していることでストレートが延びずに苦戦を強いられていることが明らかとなった#1 ZENT CERUMO RC Fだが、午後の公式予選ではひとつでも前のグリッドを獲得すべく、まずは午後2時15分からのQ1に平手が挑むこととなった。

2014年 SUPER GT 第5戦 FUJI <予選> GT300のQ1セッションが終了した午後2時15分。タワーからGT500ボードが提示されたものの、コース外にストップしたGT300の車両回収などもあり、序盤は他のライバル陣営同様にピットで待機していた#1 ZENT CERUMO RC F。しかし、セッションが残り8分となったところでピットを離れる。

 しかし、平手が計測ラップに入る直前、先ほどのGT300車両が今度はピットロードへの導入路部分にストップしてしまい、セッションは赤旗中断となってしまう。

 午後2時29分、残り10分間で仕切り直しとなったQ1。平手は残り8分のところでピットアウトしアタックに向かうと、午後2時32分、いよいよ計測ラップに入る。

 その計測1周目は1分35秒417で7番手。さらに翌周、1分30秒968で6番手とポジションを上げる#1 ZENT CERUMO RC Fだが、ライバル勢も間断なくタイムアップを続けるため、ポジションは瞬く間に後退。平手はさらに1分30秒673にまでタイムを刻むが、ポジションは12番手。結局そのままセッションは終了となってしまい、惜しくも#1 ZENT CERUMO RC Fは12番手でQ1突破はならなかった。

 高速サーキットの富士スピードウェイではストレートスピードが重要視されるが、その舞台での燃料リストリクター装着によるパワー不足は如何ともしがたく、明日の決勝を12番手からスタートとすることとなった#1 ZENT CERUMO RC F。しかしながら、明日の決勝では台風の影響による激しい降雨が予想されているだけに、菅生大会の再現とばかりに再び混乱を味方にしての逆転劇が待たれる。

ドライバー/立川 祐路
「前回の菅生で優勝したがゆえに、今回は燃料リストリクターによってかなりエンジンパワーが絞られているのですが、それによってストレートスピードが遅いですから……。その状況で富士で戦わなければならないというのは、正直かなり厳しいと思っていましたので、この予選結果は仕方ない部分もありますね。ただ、これまでアンダー傾向で苦しむことが多かったのですが、クルマのセットアップ自体は今回非常に良い感じで走れていますし、そのお陰で同じように燃料リストリクターを絞られているライバル勢よりは予選上位につけられているのだと思います。明日は雨のレースになりそうですが、逆にチャンスになるかもしれませんし、これもチャンピオンシップに向けた試練だと捉えて、明日も頑張ります」

ドライバー/平手 晃平
「前回の富士ではかなりウイングをつけていたのですが、その後ダウンフォースがかなり出るようになって来て、今回はウイングも寝かせて走れていますし、クルマのバランスとしてはかなり良い状態でした。しかし、やはりストレートがとにかく遅いので……。僅かに詰められた部分はあったかもしれませんが、それでもコンマ1秒上がったかどうかでしょうから、残念ですが今回の状況ではQ2進出は難しかったと思います。自分としては目一杯タイヤも使い切ってのアタックだったので、あれが限界だったのでしょう。これからはどれだけトップとのポイント差を詰めて最終戦を迎えられるかという勝負だと思うので、明日のレースを含めてしっかり戦って行きたいと思います」

監督/高木虎之介
「朝の公式練習では一時上位につけるなど、予想より良いタイムが出たりしたのでなんとかQ2に進めればと思ったのですが、残念ながらそう簡単には行きませんでしたね。平手もミスはしていませんし、きっとあれが限界だったのだと思います。上位のマシンと比べると、セクター1だけでコンマ5秒くらい引き離されていましたから、ちょっと厳しかったですね。ただ、前回優勝したことで今回厳しくなるだろうことは分かっていましたし、明日は雨でしょうから、菅生のように荒れた展開を期待したいところです。恐らく雨になった方が、クルマ的な差も少なくなるでしょう。もう一回、運を味方にしたいですね」