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SUPER GT RACE REPORT

2022年 SUPER GT 第8戦 MOTEGI <決勝>

2022年11月6日(日) final 決勝
ZENT GR SUPRA#38 立川祐路/石浦宏明
決勝結果 10位
< 決勝 > 天候:晴|コース状況:ドライ

 

2022年 SUPER GT 第8戦 motegi ブリヂストンを履くGR Supra勢全体が思わぬ不調に見舞われ、悔しい公式予選となった11月5日(土)から一夜明け、SUPER GT第8戦は決勝日を迎えた。今シーズンを締めくくる300kmレースだけに、なんとか状況を打開したい。TGR TEAM ZENT CERUMOは決勝レースを前にZENT CERUMO GR Supraに大きなセットアップ変更を施し臨んだ。

 2万6000人という多くのファンがスタンドを埋め、爽やかな秋空が広がるなか、通常のレースより早い午後1時から迎えた決勝レース。1周のパレードラップ、さらに1周のフォーメーションラップに続きスタートした決勝で、ZENT CERUMO GR Supraのスタートドライバーを務めたのは立川だ。前日の思わぬ不調から少しでもポジションを上げるべく、63周の決勝に臨んだ。

 ただ、大幅なセットアップ変更が、ZENT CERUMO GR Supraのフィーリングを前日までと異なるものにしていた。スタート直後、「ブレーキングが苦しかった」という立川は13番手からふたつポジションを下げる。ただ直後、1周目の5コーナーで上位争いのなかで接触があり、#8 NSX-GTが後退。立川は14番手につける。序盤から立川は上位集団を追っていくが、そんななか9周目、3コーナーで多重アクシデントが起きた。

2022年 SUPER GT 第8戦 motegi 立川の3ポジション前を走っていた#36 GR SupraがGT300車両と接触。スピン状態に陥ったGT300車両に、10番手だった#24 Z GT500、12番手だった#39 GR Supraがヒットし、さらにもう1台のGT300車両も巻き込み、4台がクラッシュしてしまったのだ。すぐ後方にいた立川の目の前で起きたアクシデントだった。

 「本当にあれは危なかった」という立川は、外側に#8 NSX-GTがいるなか、避けるルートを瞬時に探し出す。なんとか外側に#8 NSX-GTが避けてくれたおかげで、グラベルに出るギリギリまで外に寄りながらもクラッシュ車両を避けることに成功した。「かわすのがいっぱいいっぱいで、あれで遅れてしまった」と#8 NSX-GTに先行を許したものの、このアクシデント、さらにメインストレート上で起きたアクシデントのため21周までコース上に留まったセーフティカーランの後、ふたたび前を追っていった。

 ほぼ同じタイミングでチャンピオンを争っていた#3 Z GT500がペナルティで後退したこともあり、立川は11番手につける。ただセットアップ変更によるペースの苦しさが目立ち、なかなか順位を上げる可能性が見えづらかった。後半スティントでの打開を目指すべく、チームはミニマムでのピットインを選択。22周を終えZENT CERUMO GR Supraのステアリングを石浦宏明に託した。

前半の立川とは異なる硬めのタイヤを履いた石浦は、コースイン後ウォームアップに苦しみ、同時にピットインした#8 NSX-GTにやや離されたものの、その後ペースが上がり始める。39周目には#16 NSX-GTを先頭にする#37 GR Supra、#8 NSX-GTの8番手争いの集団に追いつくことに成功。39周目、#8 NSX-GTをかわすことに成功し、さらに#37 GR Supraに先行された#16 NSX-GTとテール・トゥ・ノーズのバトルを仕掛けていった。

 

2022年 SUPER GT 第7戦 autopolis ただ「ブレーキであまり勝負ができなかった」と#16 NSX-GTをかわすのに時間がかかってしまった石浦には、ふたたび#8 NSX-GTが迫ってくる。レースは終盤を迎え、気温が下がるこの時期に発生しやすいピックアップの症状も発生。53周目、#8 NSX-GTに先行を許してしまった。

 

 しかし、石浦は最後までしっかりとレースを戦い抜き、最後は10位でフィニッシュすることになった。今季3回目のポイント獲得で、この1点でランキングがひとつ上がり、13位でシーズンを終えることになった。

 

 とはいえ、TGR TEAM ZENT CERUMOがシーズン開幕前に想定したランキングではない。今季、チームは田中耕太郎監督が言う「弱さ」をみせるシーズンとなってしまった。来季、目指すはもちろん捲土重来の一年だ。今オフ、TGR TEAM ZENT CERUMOは来季を見据え準備を進めていく。

 

2022年 SUPER GT 第8戦 motegiドライバー/立川 祐路
「前日から大きくセットアップを変更し臨みましたが、正直序盤はそれが裏目に出てしまいました。ブレーキングが良くなく、順位を落とすことになってしまいました。ペースとしても厳しく、僕のスティントは悔しいものになってしまいましたね。3コーナーでのアクシデントはなんとか避けることができましたが、後半の石浦選手になんとか繋ごうと思いました。今日はみんながミスなく戦ってくれましたが、速さという面ではまったく足りませんでした。今後しっかりと見直し、しっかりと力をつけていきたいと思います。今回も難しいレースとなりましたが、来年は期待に応えられる38号車として戻ってきたいと思います。一年間ご声援ありがとうございました」

ドライバー/石浦 宏明
「序盤の立川選手のスティントを見ていても、大がかりなセットアップ変更への合わせ込みが難しく、辛いスティントになっていると分かりました。自分に交代する際に硬めのタイヤを履くことになっていたので、そこで状況の打開を目指しましたが、途中ペースが良い時間があり、そこで#8 NSX-GTをかわすことができました。ただその後はブレーキであまり勝負ができず、抜くのに時間がかかったことで、前とのギャップが広がってしまいました。スティント後半はピックアップ等もありペースが上げられず、難しいレースとなりました。ただ今回のセットアップ変更のチャレンジも、来季以降に繋がると思います。今季期待に応えられず悔しい思いですが、結果を出せるよう、来季に向けて頑張っていきたいと思います」

監督/田中 耕太郎
「最低限完走を果たすことができました。やっと完走したことで見えたこともたくさんありますし、今まではその見えるところまでも到達していなかった。私としてもすごくいろいろなことが見えましたし、チーム全体がさまざまなことを見出し、検証し、今後より良くしていかないといけないと思います。今季、初めて監督を務めさせていただきましたが、チームの弱さが見えたシーズンとなってしまいました。来季に向けてもっとこうすべき、ということをチーム全体で積み上げていかなければいけないと思っています」