2020年 SUPER GT 第4戦 MOTEGI <決勝>
2020年9月13日(日) Final 決勝
WAKO'S 4CR GR SUPRA#14 大嶋和也/坪井翔
決勝結果4位
< 決勝 > 天候:曇|コース状況:ドライ
ドライコンディションでの速さに伸び悩み、9番手グリッドと予選で思わぬ苦戦を強いられたTGR TEAM WAKO'S ROOKIE。しかし、決勝レースで追い上げることこそが大事。チームは9月13日(日)、気持ちを切り替え決勝日の朝を迎えることになった。
早朝こそ晴天だったものの、午後は雨の予報も出ていたツインリンクもてぎ。前日のウエットコンディションではWAKO'S 4CR GR Supraのフィーリングも良かったことから、ウエットレースも期待したいところではあったが、それでもドライコンディションでの速さを磨くことが先決。TGR TEAM WAKO'S ROOKIEは午前11時40分からのウォームアップで、決勝セットアップの確認を行った。前日、大嶋和也と坪井翔のふたりが感じた違和感は消えてはいなかったものの、それでも戦える手ごたえを得た。
迎えた午後1時からの決勝レース。スタートドライバーを務めたのは大嶋だ。序盤から中団グループは混戦のなかレースが展開されていくことになるが、大嶋は11番手を守ったまま前を走る#100 NSX-GTを追っていく。戦える感触は充分ありそうだが、エンジンのラグが起きており、オーバーテイクを連発するまでには至らない。
そんななか、10周目のV字コーナーで4番手を争っていた#19 GR Supraが不運なアクシデントでクラッシュを喫し、レースはセーフティカーが導入される。これでWAKO'S 4CR GR Supraはひとつポジションを上げ10番手。15周目にレースがリスタートを迎えると、ふたたび前を追っていくことになった。
心配された雨もなさそうな状況で、TGR TEAM WAKO'S ROOKIEはタイミングを見計らい、24周を終え大嶋をピットに呼んだ。前戦の富士ではピットで遅れてしまったが、今回TGR TEAM WAKO'S ROOKIEは迅速な作業をみせ、坪井翔を送り出した。
ピットアウトした坪井の後方には、#36 GR Supraが迫る。チャンピオン争いをする上でも、負けられない相手だ。坪井はタイヤが温まりきらないなか奮闘をみせ、#36 GR Supraと接触しながらも、しっかりポジションを守ってみせた。ここから集団のなか、坪井がバトルを勝ち抜いていく。
坪井は29周目、混戦のなかで#23 GT-Rをかわすと、34周目の90度コーナーで#64 NSX-GTをオーバーテイク。5番手に浮上する。さらに38周目、今度はV字コーナーで#12 GT-Rをパス。これで4番手に浮上した。ただ、このバトルのなかでアウト側にいたGT300クラスの#30 PRIUS PHVと接触してしまう。
一瞬ペナルティか……!? と危惧するアクシデントではあったが、WAKO'S 4CR GR Supraにダメージはなく、このアクシデントに対しても黒白旗の警告で済むことに。これで坪井は4番手を確固たるものにすることができた。
坪井はさらに、3番手を走る#16 NSX-GTを追っていく。46周目にはGT500クラスのバトルの中でコース上にパーツが落下し、ふたたびセーフティカーが導入されると、前とのギャップがなくなり、坪井は表彰台を目指し終盤のレースを戦っていくことになった。
51周目にレースがリスタートとなると、坪井は#16 NSX-GTを追っていく。ただ、中盤のバトルを勝ち抜いてきた坪井はさすがに余力が少なく、後方から迫る#100 NSX-GTをうまく抑えつつ、WAKO'S 4CR GR Supraは4位でチェッカーを受けることになった。
惜しくも表彰台には届かなかったが、それでも予選順位とチャンピオンシップを考えれば、TGR TEAM WAKO'S ROOKIEにとっては最善のレースだったと言えるだろう。次戦は2戦連続表彰台の富士スピードウェイがふたたび舞台だ。
ドライバー/大嶋 和也
「スタートからエンジンのラグが大きく、加速しない状況がありましたが、坪井選手に交代してからは症状も治っていたようで、良いペースで走ってくれました。ピットストップも速かったですし、タイミングも良かったですね。チャンピオンシップを考えても最低限のポイントは獲れましたし、まだまだ狙える位置につけていると思います。今回、速さの面で負けていた部分もあったので、次戦までにしっかり原因を追及していきたいですね」
ドライバー/坪井 翔
「今週末は走り出しからフィーリングがいまひとつでしたが、レースではピット作業も速く、僕に交代した後はウォームアップが厳しかったですが、なんとか#36 GR Supraを抑えることがターニングポイントになると頑張りました。結果的に接触してしまったのは申し訳なかったのですが、譲れない状況でした。その甲斐あって、何台もオーバーテイクをすることができましたし、展開にも恵まれ4位でフィニッシュすることができたので、今週末ではこれ以上ない順位だったのではないでしょうか。辛いなかでは良いレースだったと思います。次戦の富士は2連続表彰台を獲得しているので相性はいいと思います。今回のような粘り強いレースができればと思っています」
監督/高木 虎之助
「今回はピットストップでもロスはありませんでしたし、そのタイミングで順位を上げることができました。クルマの面では決まっていない部分もありましたが、ドライバーふたりが頑張ってくれたこともあり、4位でフィニッシュできたのは予選順位を考えれば良い結果ではないでしょうか。今回ミスなく終えられ、生き残ることができたことを評価したいと思います。次戦は燃料リストリクターダウンが入りますが、なんとか今回のように上位に食い込めるよう、踏ん張っていきたいですね」