2014年 SUPER GT 第1戦 OKAYAMA <決勝>
2014年4月6日(日) Final決勝レース
ZENT CERUMO RC F#1 立川祐路/平手晃平
決勝総合結果 14位
<決勝> 天候:曇り〜時々雨|コース状況:ドライ
予期せぬトラブルに見舞われ、満足にセットアップを進められぬまま公式予選に臨んだため、前日の予選ではQ2進出を果たせず、11番手に甘んじた#1 ZENT CERUMO RC F。2014年の初戦、いきなり厳しい試練に見舞われたわけだが、LEXUS TEAM ZENT CERUMOのスタッフは意気消沈することもなく、予選終了後には土曜午前に発生したトラブルの本格的な修復作業に取り組んだ。作業は非常に長時間に及んだが、無事日曜朝のフリー走行には完璧なマシンを準備。決勝での挽回を目指し、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは午前9時からのフリー走行に臨んだ。
ところが、セッション開始を前にピットロードでピット作業シミュレーションにいそしむチームスタッフの頭上から、予想外の雨が降り始める。この雨はセッション開始直前には雹となり、結局フリー走行はウエット宣言が出され、#1 ZENT CERUMO RC Fはウエットタイヤでのコースインとなった。
平手のドライブでコースインした#1 ZENT CERUMO RC Fだが、序盤LEXUS TEAM ZENT CERUMOは決勝に備えるため、ウエットタイヤのスクラブ等に時間を費やす。このため、平手はアウト&インでピットに戻り、ここで立川に交代しつつ、スタッフはまた新たなウエットタイヤに交換し、再び#1 ZENT CERUMO RC Fをコースに送り出す。しかし、ここで立川も平手同様にアウト&インでピットに戻り、ここで再びステアリングを平手に託す。
こうしてセッション序盤をウエットタイヤのスクラブに専念したLEXUS TEAM ZENT CERUMOだが、この後ようやく連続周回に入り、平手は1分35秒261までタイムを上げ8番手につけると、午前9時19分にピットイン。ここで再びタイヤを換えてピットアウトした平手は、雨が止み徐々にコンディションが良くなる中、1分31秒221で一時は2番手に浮上。そのままチェッカーまで平手が走行し、最終的には5番手とまずまずのポジションでフリー走行を終えた。
決勝に向けて本来ならばロングラン等を行いたいLEXUS TEAM ZENT CERUMOだったが、天候には抗えない。それでも、決勝に向けて大きな問題のないことを確認し、チームは午後の決勝に備えることとなった。
その後も時折雨が降るなど、不安定な天候ながらも午後2時からの決勝はドライコンディションでのスタートとなった。LEXUS TEAM ZENT CERUMOのスタートドライバーは平手。今季はフォーメイションラップの前に1周ウォームアップラップが追加され、#1 ZENT CERUMO RC Fはイン側の11番グリッドからまずはウォームアップにスタート。次いでセーフティーカー先導によるフォーメイションに加わったが、隊列が整わなかったか、さらにフォーメイションが1周追加されたため、決勝は1周減算されて81周での攻防となった。
2周のフォーメイションの後、迎えた正式なレーススタート。平手はポジションキープで1コーナーをクリアするが、オープニングラップに2台のマシンが接触〜スピンをして後退したこともあり、1周目に早くも8番手でホームストレートに戻ってくる。
早々にポイント圏内に進出した#1 ZENT CERUMO RC Fだが、ここから前を行く#39 DENSO KOBELCO SARD RC Fを追うも、なかなかチャンスは訪れない。さらに、背後の#8 ARTA NSX CONCEPT-GTもペースが良く、平手は接近戦を強いられる。
すると、なんと17周目あたりから雨が降り始めてしまう。ライバル勢同様、そのままドライタイヤで走行を続けた#1 ZENT CERUMO RC Fだが、22周目に#46 S Road MOLA GT-Rがタイヤを交換するべくピットインしたことで、7番手に浮上。ところが、最終コーナーでGT300に引っかかったところで加速に勝る#8 ARTA NSX CONCEPT-GTにスリップを奪われ、23周目の1コーナーで再び8番手にポジションダウンを強いられる。
なんとかポジションを挽回しようと#8 ARTA NSX CONCEPT-GTに詰め寄る平手だったが、33周目の最終コーナーで、今度は#8 ARTA NSX CONCEPT-GTがスローカーに引っかかったため、平手は1コーナーで逆転を試みたが、アウト側から#8 ARTA NSX CONCEPT-GTに並びかけたものの、両者は接触。たまらず平手はグラベルにスピンアウトしてしまう。
自力では脱出出来ず、オフィシャルの助けを借りる形でコースに復帰した平手だったが、このアクシデントにより#1 ZENT CERUMO RC Fは一気に3周ほどの周回遅れとなってしまう。
無念の思いで周回を続けた平手は、自身の36周終了時にピットイン、立川にステアリングを託すこととなったが、既に大きく周回遅れとなってしまった状況の中、立川はペース的には勝っていてもあまり積極的には前車をかわして行くことも出来ず、難しいスティントを消化するのみとなってしまう。
結局立川はチェッカーまで周回を続けたものの、あまりにも大きな後れは挽回できるものではなく、#1 ZENT CERUMO RC Fは14位でのフィニッシュに。予想だにしない結果となってしまったLEXUS TEAM ZENT CERUMOのスタッフたちは、次戦富士での雪辱を胸に、岡山を後にすることとなった。
ドライバー/立川 祐路
「なんとなく、あまりレースを戦ったような気がしないような2日間でしたね。僕が引き継いだ段階で大きく周回遅れになってしまっていたので、もっと良いペースで走ることは出来たんですが、ずっと前にマシンがいましたし、あまり無理して抜くことも出来ませんから……。正直残念な結果には終わりましたが、2日間ともに良くない流れで、クルマの方も今ひとつ思ったように走らない部分がありました。その辺りは富士までには必ず修正をして臨まなければなりません。今回は試練として捉え、富士でその分を必ず取り返せるよう頑張ります」
ドライバー/平手 晃平
「このRC Fというマシンでの初めての決勝スタートだったので、ブレーキなども気遣いつつ安全を見てスタートしました。新しいマシンになって初めて他のマシンと戦ってみたのですが、意外とホンダ勢の加速が良くて苦戦しました。ストレートエンドでは追いつくのですが、やはりモーターを積んでいることが加速に活きているのか、立ち上がり加速が凄かったですね。それで8号車に抜かれてしまったんですが、なんとか抜き返そうとしたところで接触してしまって。もっといろいろ気をつける部分もあったと思いますし、チームに申し訳なく思います。次の富士ではテストでも好調でしたし、オートポリスのタイヤテストもありますので、そこで立て直して次は良い結果を手にしたいですね」
監督/高木虎之介
「残念なレースになってしまいました。長いシーズンでは今回のように予選でうまく行かないこともあるわけで、そういうときこそしっかりと戦わなければならないのですが、ちょっと自分たちが荒れたレースをしてしまった、という印象です。しかし、もう終わってしまった結果は取り戻せないので、次の富士ではテストでも速かったですし、絶対に予選でも前に並んで、そこからしっかりと戦って勝ちに行きたいと思います」