1. HOME > 
  2. SUPER GT > 
  3. 2014年第3戦

SUPER GT RACE REPORT

2014年 SUPER GT 第3戦 AUTOPOLIS <決勝>

2014年6月1日(日) Final決勝レース
ZENT CERUMO RC F#1 立川祐路/平手晃平
決勝総合結果 12位
<決勝> 天候:晴れ|コース状況:ドライ

2014年 SUPER GT 第3戦 AUTOPOLIS <決勝> 走り出しの公式練習では予想外にマシンバランスに苦しんだものの、午後の予選までに見事に体勢を立て直し、予選3番手をゲットした#1 ZENT CERUMO RC F。しかしながら、フロントロウにならぶ2台のGT-R勢にはタイム差を開けられており、なんとか決勝ではこのギャップを詰め、ひとつでも上のポジションを狙いたいところ。そのためにも大きな意味を持つ日曜朝のフリー走行は、前日同様のドライコンディションで行われた。

 気温25℃、路面温度31℃となる中、午前9時にフリー走行がスタートすると、まずは平手が#1 ZENT CERUMO RC Fのステアリングを握ってコースイン。まずは計測1周目を1分43秒803とした平手は、翌周を1分38秒895とするなど、ペースを上げて行く。

 3周目に1分38秒490をマークした平手は、その時点で4番手に#1 ZENT CERUMO RC Fを押し上げると、そのあたりからクリアラップにはなかなか恵まれなくなり、タイム更新は難しい状況に。それでもさらに周回を続けロングランでのフィーリングを確認した平手は、11周をこなしてピットインし立川にステアリングを委ねる。

 午前9時20分、#1 ZENT CERUMO RC Fを引き継いだ立川はピットアウト。1分40秒324、1分39秒125、1分38秒912と、こちらも好ペースで周回を続けて行く。決勝に向けての確かな手応えを得た立川は、そのまま午前9時30分のチェッカー提示まで走行し、最終ラップに1分38秒908にまでタイムを上げてピットへと帰還することに。

 このフリー走行を6番手で終えたLEXUS TEAM ZENT CERUMOは、決勝に向けての準備を終え、いよいよ午後2時の決勝スタートに臨むこととなった。

 気温28℃、路面温度43℃で迎えた午後2時の決勝は65周の戦い。3番グリッドからフォーメイションラップに加わった平手は、1周の後決勝をスタート。まずはポジションキープで1コーナーをクリアしていく。

 3周目に1分38秒315の自己ベストを刻むなど、前を行く2台のGT-Rを追う平手だったが、6周目には早くも登場し始めた周回遅れに手を焼き、なかなか思うように前との間合いを詰めることが出来ない。さらには背後に#12 カルソニック IMPUL GT-Rが肉薄してくるという、厳しい展開を強いられるが、なんとか周回遅れを間に挟むなど、3番手を死守する平手。ところが、チームの予想以上にタイヤの消耗が早く、平手は徐々に苦しい走行を強いられることに。

 それでも3番手を守って奮闘を続けた平手だったが、17周目についに第1ヘアピンの立ち上がりで#12 カルソニック IMPUL GT-Rの先行を許すと、同じ周の第2ヘアピンでは#37 KeePer TOM’S RC F、#36 PETRONAS TOM’S RC Fにポジションを奪われ、一気に6番手に後退してしまう。

 ラップタイムも1分44秒台に落ち込むなど、残念ながら平手にポジションを奪い返す余力は無く、さらに19周目には8番手、さらに20周目には10番手、21周目には11番手とコース上に踏みとどまるのも厳しい状況に追い込まれる。

 このため、止むなくLEXUS TEAM ZENT CERUMOは戦略を変更し、ドライバーひとりのミニマムラップである22周終了時点で平手をピットに呼び寄せることに。ここでドライバーは立川に交代し、よりハードなタイヤに履き替えた#1 ZENT CERUMO RC Fは、失地を挽回すべくコースに復帰して行く。

 これで最後尾の15番手となった#1 ZENT CERUMO RC Fだが、残り周回も多くタイヤを労る必要があり、立川も簡単にはプッシュすることは出来ずに着実なラップを刻むことに集中。それでも上位陣のピットインやリタイアなどの間に、#1 ZENT CERUMO RC Fは少しずつポジションを挽回し、40周を過ぎる頃には7番手にまで復活を果たしていた。

 ところが、立川も徐々にタイヤの消耗によりペースが厳しくなり始めた矢先、46周目に1コーナーでコースアウトしたGT300マシンがガードレールを突き破るという大きなアクシデントが発生。さらに#24 D’station ADVAN GT-Rが車両火災に見舞われるなどしたため、セーフティーカーが導入されることに。

2014年 SUPER GT 第3戦 AUTOPOLIS <決勝> この機にタイヤを交換すべく、チームはピットオープンとなった51周目に立川をピットに呼び寄せ、タイヤを交換。これでポジションは11番手に後退、GT500の10番手との間にはGT300の集団が挟まることとなってしまうが、レースは56周終了時にリスタート。ここからの追い上げに期待が懸かった。

 ところが、GT300の集団のペースにつきあわされることとなった立川は、61周目に1分37秒736のベストタイムをマークしながら猛追を見せるも、予想外に広がってしまったギャップを詰め切ることが出来ぬまま、結局11番手でチェッカー。さらにレース後、リスタート時にスタートラインまでにGT300マシンをオーバーテイクしてしまったことから30秒加算のペナルティーを受けることとなり、最終的に#1 ZENT CERUMO RC Fは、この第3戦は無念の12位フィニッシュという結果となってしまった。


ドライバー/立川 祐路
「急遽早めに平手がピットに入ることとなり、長い周回をこなさなければならないということでハードなタイヤを選んで行ったのですが、平手が15〜6周で厳しい状況になっていたので、42周をもたせるというのは難しかったですね。なんとかしようとタイヤを労って走ってはいましたが、20周ちょっとしたあたりで、既に最後までこのまま行ける感じは無く、セーフティーカーの間にやむを得ずタイヤを交換しました。ただ、GT300の後ろになってしまったので、もう追い上げるチャンスはなくなってしまいました。残念ですが、今回チームがマシン各部を見直してくれたことで、良い部分も見つかっているので、次の菅生ではまた勝ちを狙えるように頑張ります」

ドライバー/平手 晃平
「朝のフリー走行の時点で、フロントタイヤが結構厳しいというのは分かっていたので、それをかばう方向のセットアップをしてウォームアップでは良いフィーリングもあったのですが、決勝をスタートしてみると予想以上に厳しかったです。もう10周あたりで、チームには無線で厳しいという状況を伝えていましたので、ミニマムラップに入ることになってしまったのも仕方なかったと思います。空力のルールが急に変更になり、ハイダウンフォース仕様でテストしたタイヤをローダウンフォースで使うこととなったことが原因のひとつだと思いますが、次の菅生で取り戻したいと思います」

監督/高木虎之介
「これほど厳しい展開を強いられるとは、まったく予想していませんでした。状況的に厳しいのは分かっていましたが、セットアップなどで対処をして1スティントは走り切る作戦でいたのですが、15周ほどで状況が悪化してしまって。チームとして原因は分かっていますし、次までにエンジニアがなんとかすると言ってくれているので、次は挽回しないといけませんね。これほど厳しいレースは監督を務めるようになって初めてのように思いますが、本当に予想外に苦しいレースになってしまいました。必ず改善して、次の菅生のレースウィークに臨みたいと思います」