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SUPER GT RACE REPORT

2014年 SUPER GT 第5戦 FUJI <決勝>

2014年8月10日(日) Final決勝レース
ZENT CERUMO RC F#1 立川祐路/平手晃平
決勝総合結果 14位
<決勝> 天候:雨|コース状況:ウェット

2014年 SUPER GT 第5戦 FUJI <決勝> 菅生で優勝したことでウエイトハンデが増え、燃料リストリクターによってエンジンパワーを絞られて今大会に臨んだ#1 ZENT CERUMO RC F。高速サーキットである富士スピードウェイでは、その「足かせ」が予想以上にLEXUS TEAM ZENT CERUMOに重くのしかかり、土曜の公式予選では平手が奮闘を見せるも、残念ながら12位とQ2進出はならなかった。

 しかしながら、決勝日の日曜は台風11号が西日本に上陸するなど天候は荒れもよう。富士スピードウェイのある小山町にも早朝から大雨・洪水警報が出され、かなりの雨量が想定されるとあって、難コンディション下で優勝した菅生の再現を狙い、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは激しい雨の中、午前9時からのフリー走行に臨んだ。

 このフリー走行で#1 ZENT CERUMO RC Fのステアリングを握ったのは平手。平手はセッション開始と同時にピットを離れたものの、その直後に雨脚が強まったために、セッションは午前9時02分にいきなりの赤旗となってしまう。しかし、その後すぐ雨が小康状態となったため、セッションは午前9時09分に再開。平手も仕切り直しのセッションに飛び出して行く。

 ライバル陣営のマシンがあちこちでコースアウトを喫するような難コンディションの中、いきなり1分49秒966のタイムで2番手につけるなど平手は精力的に周回。1分47秒160、1分46秒716、1分44秒476と周回毎にタイムを上げるといったんピットインし、タイヤを履き替えて再びコースへ。そのまま午前9時半のチェッカーまで走行を続けることとなった#1 ZENT CERUMO RC Fは、結局13番手ながら、決勝に向けたセットアップとタイヤ確認を行って走行を終了。その後のサーキットサファリでは、立川がステアリングを握ってタイヤの皮むきとフィーリングのチェックを行い、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは午後の決勝への準備を整えることとなった。その後も断続的に雨が降る中、迎えた66周の決勝。やや雨は小康状態となったものの、セーフティーカー先導となった決勝は、午後3時にスタートとなった。

 #1 ZENT CERUMO RC Fのスタートドライバーは平手。セーフティーカー先導のためまずは12番手のままオープニングラップを終えるが、雨はほとんど降っておらず、早くも2周終了時にはセーフティーカーがコースを離れる。

 ここではポジションキープの12番手につけた平手は、前を行く#12 カルソニック IMPUL GT-Rを追うものの、後ろからハイペースで追い上げる#46 S Road MOLA GT-Rに6周目に先行を許し、13番手に後退。燃料リストリクターの影響もあり、ペースに苦しんだ平手はさらに、翌7周目には#37 KeePer TOM’S RC F、#6 ENEOS SUSTINA RC Fにも相次いでかわされてしまう。

 最後尾にまで後退した#1 ZENT CERUMO RC Fだが、ここから追い上げを期するというところで、8周目あたりから雨脚が強まり始める。さらに雨量が増えたため、10周目には再びセーフティーカーが導入されることに。

 セーフティーカーが長らく先導をしたものの、天候は回復しなかったことから、17周目の午後3時44分にレースは一旦赤旗中断となってしまうが、中段後の間に雨が徐々に上がり、レースは午後4時15分に再開される。

 再びセーフティーカー先導で始まったレース。平手はセーフティーカーがコースを離れた20周目の1コーナーで#6 ENEOS SUSTINA RC Fを、さらにその周に#19 WedsSport ADVAN RC Fを抜き返すと、13番手で20周目を終える。ここからさらなるポジションアップの期待が掛かったが、LEXUS TEAM ZENT CERUMOとしては周囲とは異なる作戦に打って出て、さらなる上位進出の機会を狙うべく、ミニマム周回数となる22周で平手をピットインさせることに。さらに、ここでは立川へのドライバー交代のみを行い、タイヤ無交換のまま#1 ZENT CERUMO RC Fを送り出す。

 こうしてピットアウトした立川だったが、選択していたタイヤが予想に反して路面状況とマッチングせず、思うようにペースを上げることが出来ない。立川の奮闘をもってしても1分44秒前後での周回を続ける#1 ZENT CERUMO RC Fは、最後尾のままラップダウンとなってしまう。

 こうした状況を打破すべく、ライン上の水が少なくなって来た44周目、チームは再び#1 ZENT CERUMO RC Fをピットインさせ、いち早くスリックタイヤへ履き替え、後半の逆転を狙う。しばらくは水の残る路面に手を焼き、立川のラップタイムはなかなか上がってこなかったが、50周を過ぎたあたりで状況は一変。52周目に立川は1分40秒330のファステストラップを刻むと、さらに54周目には1分39秒125にまでタイムを上げ、追撃態勢に入る。

2014年 SUPER GT 第5戦 FUJI <決勝> この状況に高木監督以下、LEXUS TEAM ZENT CERUMOのスタッフもチャンス到来とばかりに勇気づけられたが、なんとここで無情にも再び雨が強まってしまい万事休す。59周目に再びセーフティーカーが導入されると、そのままチェッカーまで先導することとなり、#1 ZENT CERUMO RC Fは怒濤の追い上げを果たすことなく14位でのフィニッシュを余儀なくされることとなってしまった。

 無念の表情で富士を後にしたLEXUS TEAM ZENT CERUMOだが、次戦の鈴鹿1000kmでの逆襲を期待したい。


ドライバー/立川 祐路
「結果的に作戦が裏目に出てしまったわけですが、仕方なかったと思います。それよりも前の時点で最後尾を走っていましたし、タイヤの選択が悪くペースも良くなかったので、ポイントを獲りに行くにはああいう作戦に出るしか無かったので。最初のタイヤ選択のミスがなく、ペースが良ければ、スリックにトライすることもなかったわけですから。予選から厳しい状況の中で、なんとか1ポイントでも持ち帰りたかったのですが、それが出来なかったことが残念です。その分、次の鈴鹿1000kmではガンガン行こうかなと思います」

ドライバー/平手 晃平
「序盤は燃料リストリクターの絞られていない他車に前を押さえられてしまって。コーナーでは並びかけられるのですが、ストレートで抜き返される展開で思うようにポジションを上げられませんでしたね。赤旗中断後に少し順位を上げて、ようやくこれから仕事ができるというところでピットに呼ばれる格好でしたが、タイミングはチームの判断ですし、ポジションも良くなかったので、何か周囲と違うことをしてチャレンジしようと言う作戦ですから仕方ないですね。次の鈴鹿ではしっかりポイントを獲って残るレースにつなげて行きたいです」

監督/高木虎之介
「燃料リストリクターの影響もあって、やはりウエットになってもそれほど驚くようなスピードは、今日のマシンにはありませんでしたね。レース展開は荒れると思ったので、最初に平手をミニマムで入れて勝負を懸けたのですが、履いていたタイヤが今ひとつコンディションに合わず、思うようには行きませんでしたね。スリックで立川が踏ん張って、やっとファステストをマークして“来たな!”と思ったところでまた雨が降って来てしまって……。あのペースのまま最後まで走れていれば、またシングルポジションあたりまで行けたと思うのですが、残念ながら菅生のようにはうまく行きませんでした。今日は天候に勝てなかったという感じですが、鈴鹿ではしぶとく生き残ってポイントを獲りたいですね」