2014年 SUPER GT 第7戦 THAILAND <決勝>
2014年10月5日(日) Final決勝レース
ZENT CERUMO RC F#1 立川祐路/平手晃平
決勝総合結果 11位
<決勝> 天候:晴れ|コース状況:ドライ
シリーズ初開催となったタイ・Changインターナショナルサーキットでの、初の公式予選でセットアップに苦しみ予選14位に沈んだ#1 ZENT CERUMO RC F。一夜明けた日曜、前日より雲が多く薄曇りとなった午前9時50分からのフリー走行に向け、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは決勝での巻き返しを図るべくセットアップを修正して臨むこととなった。
気温30℃、路面温度44℃となる中、午前9時50分にスタートしたフリー走行は30分間。立川がステアリングを握った#1 ZENT CERUMO RC Fは、開始と同時にピットアウト、まずは1分37秒209、1分29秒321と徐々にタイムアップしながら、周回毎にモニターのトップにつけると午前9時58分には1分28秒508、さらに午前10時02分には1分27秒374にまでタイムを伸ばし、7番手につけてピットインする。
続いてステアリングを引き継いだ平手は、午前10時04分にピットアウト。この時点で#1 ZENT CERUMO RC Fは10番手まで後退していたものの、平手もすぐに1分27秒971を刻むなど、燃料を搭載し決勝を想定した状態ながらもまずまずのフォーリングを見せる。
路面状況が好転し、クリアラップに恵まれたこともあり午前10時15分には平手が1分26秒454へと一気にタイムアップ。この時点で#1 ZENT CERUMO RC Fは一気に2番手に浮上。いったんポジションを下げた平手だったが、チェッカー間際に再び1分26秒241をたたき出した#1 ZENT CERUMO RC Fは、結局このセッションを4番手で終了。LEXUS TEAM ZENT CERUMOは見事に体勢を立て直し、午後の66周の決勝レースでの逆襲の狼煙を上げることとなった。
午後1時50分からのウォームアップ走行を終え、#1 ZENT CERUMO RC Fはスタートドライバーの平手が乗り込み、午後2時すぎにイン側14番のダミーグリッドにつく。
そしていよいよ迎えた決勝は、気温34℃、路面温度52℃となった午後3時にフォーメイションラップがスタート。1周ののち、午後3時03分に戦いの火蓋が切って落とされた。
GT500の後方からの追い上げを狙う平手は、1周目にアクシデントで後退した#12 カルソニック IMPUL GT-Rをかわし、13番手でオープニングラップを終えると、2周目には#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTをパスして12番手に。さらに平手は4周目にNo.36 PETRONAS TOM’S RC Fが後退したことで、11番手に浮上すると、続く5周目には接触しスピンを喫した複数のマシンが出たことで、一気に8番手にジャンプアップし#19 WedsSport ADVAN RC Fを追って行く。
ところが好事魔多し。8周目に#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTと#12 カルソニック IMPUL GT-Rの先行を許して10番手に後退した#1 ZENT CERUMO RC Fは、13周目に密集の中で前にいたGT300車両に接触してしまい、フロントの空力パーツにダメージを負ってしまうとともに、このアクシデントで13番手にまで後退してしまう。
マシンバランスの悪化に苦しみ平手は、15周目には#32 Epson NSX CONCEPT-GTにも先行を許して14番手に。しかし、16周目に13番手に返り咲くと、19周目にはトラブルに見舞われた#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTの後退で12番手になるなど、ポイント圏外ながらも粘り強く周回を重ねて行く。その後空力パーツが取れてしまったことで、逆にバランスが落ち着いた#1 ZENT CERUMO RC Fは、平手の手によって25周目に1分26秒945を刻むなどペースアップ。ライバル勢のピットインが始まる中、スティントを引っ張った平手は、36周目に1分26秒711のベストタイムを刻むと、さらに39周目まで周回しピットインする。
ここで4輪を交換、給油を終えて立川がピットアウト。#1 ZENT CERUMO RC Fは再び11番手からの追い上げを目指すこととなったが、 1分27秒台を連発しながら前を追う立川は#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTを追いつめると、48周目にこれをパスして10位、ポイント圏内に浮上。さらに上位を走っていた#46 S Road MOLA GT-Rの脱落により、50周目には9番手に浮上を果たす。
少しでも上のポジションを狙うべく、完調ではない#1 ZENT CERUMO RC Fをプッシュする立川は、59周目に1分27秒050の自己ベストをたたきだしながら、前を行く#23 MOTUL AUTECH GT-Rに迫る。残り周回の少ない中、立川はついに65周目の最終コーナーで前に詰まった#23 MOTUL AUTECH GT-Rに食らいつき、立ち上がり加速でいったん前に出たものの、1コーナーで再び仕掛けられた際に接触。2台はそろってスピンを喫してしまう。
なんとかマシンを立て直し、レースに戻った立川だったが、このアクシデントでのポジションダウンにより、#1 ZENT CERUMO RC Fは11位でチェッカーを受けることに。序盤のアクシデントの結果、#1 ZENT CERUMO RC Fは競技結果に40秒加算のペナルティーを受けることとなったものの、ポジションは11番手と変わらず。残念ながらポイント獲得はならなかったが、#1 ZENT CERUMO RC Fは最終戦もてぎにつながる戦いを見せてこのタイを離れることとなった。
※補足:最終ラップの23号車との接触は23号車のみに白黒訓戒の裁定が下り、1号車にはなにも出されておりません。レース終了後のペナルティ40秒加算は前半スティントの300クラスへの単独追突行為へのペナルティとなります。後日GTAより出されるペナルティ一覧でもご確認できます。
初のタイ戦ということで各ポストからの吸い上げが完璧ではなかったのでレース後に加算したとGTAより説明がありました。
ドライバー/立川 祐路
「結局僕のスティントではタイヤを交換して行ったのですが、今週末はあまりうまく流れに乗れませんでしたね。クルマ自体は予選から決勝に向けてかなり改善したのですが、予選順位も後方でしたし、混戦の中で接触になったのも仕方なかったと思いますし、僕自身最後にはGT-Rとの接触もありましたから……。ちょっと残念な週末でしたが、失敗した部分もあれば、良い発見もありました。クルマをどうすれば速く走るか、というセッティングの部分で掴んだ部分はあるので、そのあたりは次に活かせるはずですから、ノーハンデでのもてぎの最終戦に勝てるよう、とにかく頑張りたいと思います」
ドライバー/平手 晃平
「決勝のスタート直後の混戦はうまくかわして順位も徐々に上げて行くことが出来ていたのですが、周回遅れのGT300の集団が出て来たところで引っ掛かってしまい、接触しフロントのカナードがダメージを負ってしまいました。その影響が落ち着くまでに、ハイスピードコーナーで不安定になり、ポジションを奪われる結果となりました。悔しい結果になってしまいましたが、最終戦に向けてクルマが良い方向へ向かって来ているので、結果がどうなるにせよ来年に向けての良いセットアップを見つけつつ、良い形で走りたいですね」
監督/高木虎之介
「スタートから平手がかなり頑張ってポジションを挽回してくれたのですが、GT300も入り乱れたかなりの混戦の中で接触があったようで空力パーツを壊してしまって。そのためにマシンバランスがうまく取れなくなり、ポジションを下げることになりました。我々も最終的に上位に行ったチーム同様、タイヤ無交換作戦を採るという選択肢もあったのですが、結果としてそれを選択出来なかったということで、判断ミスがあったとも言えるでしょう。残る最終戦のもてぎはノーハンデとなりますし、もう頑張るしか無いですね。今回ポイントを取りのがしましたし、他のチーム同様に僕たちも最後を良い結果で締めくくりたいと思います」