2019年 SUPER GT 第3戦 SUZUKA <決勝>
2019年5月26日(日) Final決勝レース
ZENT CERUMO LC500 #38 立川祐路/石浦 宏明
決勝結果 6位
<決勝> 天候:晴れ|コース状況:ドライ
前日の公式予選ではメインストレートが伸びない症状に見舞われ、フィーリングは良好だったものの悔しい予選Q1敗退を喫したZENT CERUMO LC500。明けた5月26日(日)の決勝日は全国的な暑さのなかでのレースとなったが、午後0時55分にスタートしたウォームアップ走行で、LEXUS TEAM ZENT CERUMOはフィーリングを確認する作業に臨んだ。
立川祐路がステアリングを握ってコースインしたZENT CERUMO LC500は、ウォームアップ走行を経て、午後2時30分に始まったパレードラップ、そしてフォーメーションラップを経ていよいよスタートのときを迎えた。
序盤から立川は14番手をキープしながら、前を行く#24 GT-Rを追う。3周目、これをかわした立川だったが、GT300クラスのラップダウンが出はじめるとそのトラフィックのなか、日立オートモティブシステムズシケインで行き場をなくしコースオフ。一度ポジションを落としてしまった。ただ、#24 GT-Rはその後ドライブスルーペナルティを受け後退したため、これで立川の前には#3 GT-Rが迫った。
ZENT CERUMO LC500は本調子ではないものの、なんとかポイント圏内までポジションを上げていきたい立川は、10周を過ぎる頃には8番手を争っていた#16 NSX-GTのペースが落ち始めたため、それを先頭に6台がパックになった集団に追いついた。これを一気にかわせば、目標とするポイント圏内が近づいてくる。
そんななか15周目、立川の目前を走っていた#23 GT-Rが130Rでコースアウト。クラッシュを喫した。このバトルの直前に立川は#3 GT-Rもかわし、ふたつポジションアップ。11番手に浮上した。ただ#23 GT-Rのクラッシュにより、レースはセーフティカーランに。戦いは一時小康状態となった。
レースは23周目にリスタートが切られるが、立川がドライブしていたZENT CERUMO LC500はややフィーリングが良くなかったこと、そしてこのタイミングでピットインすればトラフィックを避けられることから、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは立川をピットへ呼び戻した。チームは迅速な作業でタイヤ交換と給油、そして後半の石浦宏明のスティントに向け、バランスのアジャストを早急に施し送り出した。
このタイミングが奏功しZENT CERUMO LC500はSCまで前にいた#19 LC500、#39 LC500の前に出ることに成功する。バランス変更も奏功し、まだトップとは差があるもののペースも上がっていた。順位もポイント圏内に浮上しており、#17 NSX-GTがアクシデントでストップし、SC前に順位を争っていた#3 GT-Rがペナルティにより後退すると順位は7番手まで浮上した。
勢いに乗る石浦は、目前でポジションを争う#1 NSX-GTと#12 GT-Rの争いに接近していく。ストレートスピードは相変わらずいまひとつ伸びを欠くが、得意のブレーキングでギャップを詰めていくと、44周目のデグナーカーブで#1 NSX-GTをやや接触しながらもオーバーテイク。これでさらにひとつポジションを上げた。
接触によりZENT CERUMO LC500はややダメージを受け、終盤石浦にとっては守りのレースとなってしまい、ペースが速い#39 LC500に先行されたものの、51周目、前を行く#12 GT-Rがスローダウン。これで石浦は6番手までポジションを上げ、そのままチェッカー! 14番手スタートから6位まで順位を上げ、5ポイントを獲得。これでポイントランキングは首位に浮上した。
予選から苦しい展開に見舞われながらも、混戦のなかでしっかりとポイント獲得をできたことは非常に大きい。これもチームとドライバーが全力を出し切ったからこそだ。今後のシーズンを考えても大きな一戦となった鈴鹿ラウンドを終え、チームはZENT CERUMO LC500を第4戦の舞台、タイに向けて送り出す。
ドライバー/立川 祐路
「ストレートスピードが伸びない状況は前日から続いており、序盤からオーバーテイクがしづらい難しい序盤戦になってしまいましたが、それでも上位を目指してあきらめない戦いを続け、石浦選手に繋ぐことができたと思います。ピットインのタイミングも良かったですし、展開にも恵まれてポイント獲得に繋げられたのは良かったですね。次のタイでのレースもこういったレースが見せられるように頑張っていきたいと思います」
ドライバー/石浦 宏明
「ウォームアップ走行もほぼ最下位で、苦しいレースになると思っていたのですが、チームとして全力を尽くそうとレースに挑みました。前半スティントの立川選手からも『フィーリングが良くない』という無線が入ったので、ミニマムのタイミングでピットインする作戦を採りました。クリアなアウトラップが勝負どころがチャンスとピットアウトし、ポジションを上げることができたと思います。終盤、他車との接触でアライメントが狂いペースが上がらなくなってしまいましたが、終わってみれば自分たちができる最高の結果を残せたのではないでしょうか。ポイントリーダーに立てたということは、第3戦まで戦っていちばんの結果を残せたことだと自信をもち中盤戦に臨めますし、今回の課題をTRDさんとともに解決すれば、次戦もポイントが獲れると思います」
総監督/立川祐路
「今週末は厳しい展開でしたが、そんななかでもきっちりと6位でフィニッシュし、ポイント獲得に繋げられたのはチームのみんながしっかりやるべきことをやった結果だと思っています。これでランキングでも首位に立つことができましたが、次戦のタイ戦以降も苦しいレースが続くと思います。でも、タイトル争いを考えればその苦しい中盤戦でどれだけ頑張れるかが勝負どころだと考えています。次もいいレースを続けたいですね」
監督/村田淳一
「予選順位を考えれば、素晴らしい結果に繋がったのではないでしょうか。ドライバーのコメントでは、やはりクルマのスピードは足りない部分があったようですが、レース展開に助けられた部分もありますし、ピットインのタイミングもいいところで入れられたと思っています。これでポジションを上げられましたし、きっちりレースを戦えたと思います。また、ドライバーふたりがあきらめない戦いぶりをみせてくれたことも結果に繋がったのではないでしょうか。次戦以降、獲得ポイントにより燃料流量リストリクターが絞られることになってしまいますが、それもカバーして、チームが一丸となってしっかり戦えるように、準備を進めていきたいと思います」