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SUPER GT RACE REPORT

2019年 SUPER GT 第5戦 FUJI <決勝>

2019年8月4日(日) Final決勝レース
ZENT CERUMO LC500 #38 立川祐路/石浦 宏明
決勝結果 リタイア
<決勝> 天候:晴れ|コース状況:ドライ

2019年 SUPER GT 第5戦 FUJI <決勝> 8月3日の公式予選では、大きなウエイトハンデのなかでもチームの頑張りが功を奏し予選4番手につけることができたLEXUS TEAM ZENT CERUMO。しかし立川祐路、石浦宏明のドライバーふたりはもちろん、チームの全員が口を揃えていたのが、決勝レースでいい結果を残さなければこの結果は無駄になってしまうということだ。チームはしっかりと長丁場のレースに向けた準備を整え、決勝日を迎えた。

  迎えた8月5日は、朝から青空が広がり、気温も上昇。風があるため涼しさは感じるものの、8月らしい気温のなかでのレースとなった。直前のウォームアップ走行では赤旗中断もあったが、ZENT CERUMO LC500は1分32秒079というベストタイムをマークし、6番手で終えた。レースもしっかりと戦える手ごたえはありそうだ。

  今回は長丁場ということもあり、4ピット5スティントのレースを戦うことになるが、スタートドライバーを務めたのは立川。まずはオープニングラップに順位をひとつ上げ3番手につける走りをみせるが、今回ZENT CERUMO LC500は燃料流量リストリクターが絞られていることでストレートスピードでは他車が有利だったことや、立川のスタート時に装着していたタイヤが厳しかったこともあり、3周目、後方についた#19 LC500、#64 NSX-GTの接近を許してしまうと、4周目のメインストレートでは5番手に順位を落としてしまう。

 とはいえ、そこからの立川は粘りの走りをみせ、順位を落とすことなく5番手をキープ。25周を終えて前がピットインしたこともありひとつポジションを上げ、31周を終えてピットへ。立川から石浦に交代すると4番手でコースに復帰した。立川のタイヤとは異なる種類のものを履いていた石浦はフィーリングも良く、42周目には前を走っていた#16 NSX-GTをオーバーテイク。ただその2周後には、ハンデが軽い#3 GT-Rにかわされてしまうなど、表彰台圏内を争う戦いを展開していった。

2019年 SUPER GT 第5戦 FUJI <決勝> その後も石浦のスティントでは後半さらに好調なフィーリングを得て2番手の#23 GT-Rに迫ると、69周を終えてピットインし、ふたたび立川に交代する。ここまでタイヤ選択も良く、ピットインのタイミングをもってしても、表彰台を獲得することは十分に可能だ。それどころか、優勝争いも見えはじめていた。いざ後半戦へ向け、ふたたび立川はZENT CERUMO LC500にムチをいれた。

 しかしそのアウトラップ。目を疑うようなシーンがモニターに映し出された。なんとトヨペット100Rコーナーの立ち上がりで、ZENT CERUMO LC500がタイヤバリアにクラッシュしていたのだ。立川ではあり得ないクラッシュだったが、リプレイ映像には、右フロントタイヤからナットが飛んでいるシーンが映し出された。

 ZENT CERUMO LC500はフロントを大きく破損しており、レース続行は不可能だったのは一目瞭然だった。不幸中の幸いは立川に怪我がなかったことだろうか。現段階ではナットが外れたことの原因は不明だが、シーズンの趨勢を左右する大事な一戦で、ドライバーの頑張りが報われぬ最悪の結果となってしまった。「悔しい」では済まされないレースに、LEXUS TEAM ZENT CERUMOのメンバーは沈痛な表情となったが、悔やんでばかりもいられない。チームは「これから3連勝するしかない」と終盤戦でのリベンジを誓った。

2019年 SUPER GT 第5戦 FUJI <決勝>ドライバー/石浦 宏明
「スタートは立川選手が担当しましたが、ライバルのペースをみて、僕のスティントからタイヤの種類を変えたところペースも良く、ピット戦略もいいものだったので、後方にリードを築き自分のスティントを終えることができました。作戦も順調で、優勝争いもできる手ごたえがあったのですが、その矢先にああいうアクシデントが起きてしまいました。500マイルレースなので、すべてミスなくいかなければ結果はついてこないと思っていたので、ショックでした。今回はハンデが苦しいなかでトップ争いに加わることができたのは、今季のLEXUS TEAM ZENT CERUMOの体制の強さを出せていたので、悔しい気持ちも大きいです。アクシデントの原因はまだはっきり分かりませんが、今年新体制になり、ピット作業の練習を頑張ってくれていたのも知っているので、誰かの責任ではなく、頑張っていたなかでのことなので、これもレースだと思っています。とはいえ、結果を残せなかったのはチーム全体の問題だと思います。昨年アクシデントに見舞われてしまったこのレースで、同様にアクシデントがあったのは最大の反省点です。まだランキングでは4位なので、得点差は大きいですが、あとは全部勝つつもりで気持ちを切り替えています。実力はもっていると思うので、結果に出していきたいですね」

監督/村田淳一
「クルマ、そしてレース途中までのタイヤ選択が功を奏し、トップ2に接近するところまではいいレースコントロールができていました。ペースも良くレースを折り返そうとしていたところで、あんなアクシデントが起きてしまいました。まだ原因は特定できていませんが、今後しっかり検証、対策をやっていかなければなりません。チームとしてはドライバー、そしてスポンサーの皆さんに申し訳ないことをしてしまいました。今後に向けてしっかりとチェックしていきたいと思います」