2020年 SUPER GT 第2戦 FUJI <決勝>
2020年8月9日(日) Final 決勝
ZENT GR SUPRA#38 立川祐路/石浦宏明
決勝結果7位
< 決勝 > 天候:曇|コース状況:ドライ
予選ではライバルとの位置取りでアタックを決めることができず、まさかのQ1敗退という結果となってしまったZENT GR Supra。一夜明けた8月9日(日)、TGR TEAM ZENT CERUMOは追い上げを期し、午後1時からの決勝レースを迎えた。前日の公式練習、そして予選を通じ、ZENT GR Supraの速さは磨かれているはずで、それを武器に上位入賞を目指していた。
今回も無観客開催ということもあり、やや寂しさを感じるグランドスタンドを横目に、ZENT GR Supraのスタートドライバーを務めた立川祐路は、フォーメーションラップを終えるとZENT GR Supraに鞭を入れる。ふだんのレースであれば、たとえ予選順位がやや下でも、立川が大きくポジションを上げてきてくれるのがパターン。チームもそれを期待した。
ただ序盤、前をいく#16 NSX-GTに対して立川はなかなか仕掛けるに至らない。後方からは#19 GR Supraも続いており、これに順位を譲ることこそないが、なかなかペースを上げることができない。ZENT GR Supraのペースがライバルに対して不足していたのは明らかだった。
苦しい走りのまま、いたずらに周回数をこなすことは避けなければならない。現状を打破するために、チームはあらゆる作戦を検討し、最低周回数である22周を終え、立川をピットに呼び戻すことにした。うまく作戦を決めれば、ポジションアップを図ることができるはずだ。
立川はこの指示に従い、22周を終えZENT GR Supraをピットレーンに戻すと、迅速な作業で石浦宏明に交代。たしかにこれで前を走っていた#23 GT-Rなど、何台かをかわすことができたが、逆に#19 GR Supraには先行を許し、石浦は後半スティントを9番手で戦うことになった。
作戦面では成果は出たものの、今回のZENT GR Supraにはやはりいまひとつ速さが足りない。後方から迫る#3 GT-Rや#23 GT-Rにつけいるスキはみせない石浦だったが、逆に前をいく#19 GR Supraには届かず。その後#19 GR Supraはトラブルのため後退し、最終的にZENT GR Supraは7位でフィニッシュ。4ポイントを獲得した。
第1戦に次ぐポイント獲得で、ZENT GR Supraのランキングは2戦を終え5位。端から見れば悲観するような順位ではないのだが、今回のZENT GR Supraは完全に速さの面で表彰台を争うような実力がなかったのは事実だ。TGR TEAM ZENT CERUMOが目指すべきは優勝であり、チャンピオンだ。チームはこの事実を深く受け止め、レース後緊急ミーティングを行った。
勝利を義務づけられていながら、開幕2戦を苦しい結果で終えてしまったTGR TEAM ZENT CERUMO。第3戦となる鈴鹿までは、2週間しかない。チームは急ぎ対策を施し、第3戦からのリベンジを期する。
ドライバー/立川 祐路
「予選順位も良くなかったので、追い上げようとレースに挑んでいきましたが、思ったよりも苦しい状況で、前にライバルが走っていながら、なかなかポジションを上げることができないレースが続いてしまいました。本来もっと順位を上げて石浦選手に繋ぎたかったですが、それも叶いませんでした。次戦の鈴鹿に向けて、なんとかクルマを改良していきたいと思います」
ドライバー/石浦 宏明
「前半スティントの立川選手の戦いをみて、苦しいレースになることは分かりました。エンジニアとも戦略で攻めて、ミニマムで入るトライをしようという話をし、作戦で前に出られるように転換しました。戦略としてはトライは成功したと言えますが、後方から来るライバルに対してはなんとか抜かれない走りをすることができましたが、やはり速さの面で課題が残ってしまい、チーム全体としてどうやっていくのかを見直さなければならないと思っています。このままではいけないので、しっかり挽回できるようにしたいと思います」
監督/村田 淳一
「本当に悔しいレースになってしまいました。TGR TEAM ZENT CERUMOとしては、今までにないほど悪い状況になってしまっています。周囲を見ても仕方がありませんが、まわりも速いですし、我々に何が足りないのかをしっかりと探らないと、厳しい状況になっています。次戦の舞台は鈴鹿ですし、コースが変わることで現状を打破していきたいと思っています。またチーム一丸となって最初からやり直し、挑んでいきますので、引き続き応援よろしくお願い致します」