2023年 SUPER GT 第2戦 FUJI <予選>
2023年5月3日(水) Qualify 予選
ZENT GR SUPRA#38 立川祐路/石浦宏明
公式予選総合結果13位
< 公式予選 > 天候:晴|コース状況:ドライ
2023年のSUPER GT開幕戦となった4月15〜16日の第1戦岡山では、目まぐるしく変わる天候のなかでピットストップをしっかりとこなし、5位まで追い上げを果たしたTGR TEAM ZENT CERUMO。ただ、第1戦で足りなかったのはスピード。これが噛み合えば上位進出も見えてくる。チームの地元で勝手知ったる第2戦富士で、さらなるセットアップ向上を目指して臨んだ。
今回の第2戦富士は、例年恒例のゴールデンウイークの一戦。今季はコロナ禍の規制もなくなり、5月3日(水・祝)の前日からすでに多くのファンが各コーナーでキャンプを開始するなど、予選日から多くのファンが訪れた。そんななか、午前9時05分から始まった公式練習で、ZENT CERUMO GR Supraは午後の予選に向けコースインしていった。
まずZENT CERUMO GR Supraのステアリングを握ったのは石浦宏明。今季は3月の富士公式テストもウエットコンディションで、ドライのテストが思うように行えていなかったことから、チームは昨シーズンの実績をもとにしたセットアップを施し持ち込んでいた。途中赤旗中断をはさみながら、石浦はZENT CERUMO GR Supraの感触を確かめながら、6周目に1分28秒220を記録。12周を走り、持ち込みのセットアップが良好であることを確認しピットに戻ると、その後のメニューを託すべく立川祐路に交代した。
立川にとってもZENT CERUMO GR Supraの感触は良好。ピットアウト〜インを繰り返しながら、26周という多くのラップをこなしていくと、終了間際の25周目には1分28秒107をマーク。7番手で公式練習を締めくくった。今回は公式練習後もフルコースイエローの訓練、さらにひさびさに行われたサーキットサファリなど多くの走行機会があったが、ここではふたたび石浦がステアリングを握り、ロングランなどの確認を行っていった。
午前の時点で、ZENT CERUMO GR Supraにはしっかりとしたスピードがあることが確認できた。これを上位グリッド獲得へ活かすべく、TGR TEAM ZENT CERUMOはしっかりと準備を整え、午後の公式予選に臨んだ。開始時のコンディションは気温20度、路面温度32度。午前よりはやや下がっていた。
GT300クラスの予選Q1に続き、午後3時48分にスタートしたGT500クラスの予選Q1。アタッカーを務めた石浦宏明は、3周を費やしタイヤをウォームアップさせていくと、計測4周目にアタックラップに入っていった。ただ今回、コースインしたZENT CERUMO GR Supraの前に何台もの車両がおり、石浦はセクター3で間隔を作ってからアタックを行った。
しかし、アタック周のTGRコーナーへのブレーキングで、ZENT CERUMO GR Supraのフロントから白煙が上がる。まさかのオーバーシュートを喫してしまったのだ。なんとかグラベルに入ってしまうことは避けたが、ここでフロントタイヤにダメージを負ってしまう。前車との間隔を作るために、タイヤに十分に熱が入っていなかったのでは……というのが石浦の分析だ。
コースには戻ったものの、タイヤからは大きなバイブレーションが出たこともあり、石浦はピットに戻ろうかとも考えたが、なんとかチェッカーが出されるまでに安全マージンを見ながら、6周目のアタックチャンスに賭けた。
ここで石浦は1分27秒704を記録するが、結果は13番手というものに。バイブレーションがあったなかでこの位置につけたことから、ZENT CERUMO GR Supraのポテンシャルが高いことは間違いなかった。ただ予選後、痛めたタイヤをチェックした結果、決勝レーススタートでの使用は厳しいことが判明してしまう。
予選結果は13番手だが、ZENT CERUMO GR Supraは5月4日(木・祝)の決勝レースはタイヤ交換を行ってのピットスタートが濃厚だ。とはいえ長丁場の450kmであり、この富士はオーバーテイクもしやすいコース。TGR TEAM ZENT CERUMOは第1戦と同じく、12番手からの上位進出を目指していく。
ドライバー/立川 祐路
「走り出しから石浦選手から良いフィードバックを得ていましたし、僕に交代してからもフィーリングは良いものでした。公式練習は順調で、予選に向けても持ち込みのセットアップからほとんど変更しておらず臨むことができました。昨シーズン後半の感触に戻ってきているので、手ごたえがありました。ただ今季、タイヤの持ち込み本数が減ったことでタイヤの種類の比較ができないので、どのタイヤを選ぶのかが難しいですね。今回選んだタイヤはコンディションにも合っていたと思いますし、その点でも手ごたえはありますね。残念ながら予選は予想外の結果になってしまいましたが、石浦選手も全力を尽くした結果です。明日どうやって取り返すかに今は全力を尽くしていきたいです。長いレースなので、チャンスはあると思っています」
ドライバー/石浦 宏明
「今回のレースに向けては、富士でドライのテストが行えていないなかで、実績があるセットアップで持ち込みましたが、走り出しから比較的フィーリングが良く、予選に向けても持ち込みの状態で臨むことにしました。ただ予選Q1では硬めのタイヤで臨みましたが、コースイン後にまわりに何台かいた状態でした。そこでアタックに向けた場所取りを行っていたのですが、セクター3でプッシュしていなかったせいか、タイヤの温まりが足りないようでした。そこでTGRコーナーでフロントをロックさせてしまって。バイブレーションがひどかったのでピットに戻ろうかとも思いましたが、その状態でアタックした結果、13番手となりました。パフォーマンスとしてはQ1を突破できるものがありましたし、アタック周もかなり落とした状態で13番手だったので、チームに申し訳ないと思っています。また決勝の戦略に影響してしまうので、なんとか最小限のロスにできるようにしたいですし、挽回したいと思っています。そのペースはあると思いますし、長いレースなのでなんとか追い上げたいですね。」
監督/村田 淳一
「スピードが不足していた第1戦岡山大会後にエンジニア、メカニックが頑張ってくれて、クルマをすべて見直してくれました。その甲斐もあってクルマは大きく改善していますし、オフの状態から一歩ずつ前進しています。それが公式練習の結果に表れたのではないでしょうか。ただ予選は、残念な結果になってしまいましたね。いろんな兼ね合いでああいったミスが出てしまったと思うので、チームとして何か出来なかったかを考えていきたいですね。決勝ではタイヤ2本交換になってしまうのでピットスタートとなりそうですが、長丁場のレースはセーフティカーやFCYが出る可能性も増えますし、その状況にしっかり対応しつつ、うまく戦ってポイント獲得が出来る位置まで挽回したいですね。」