2023年 SUPER GT 第7戦 AUTOPOLIS <予選>
2023年10月14日(土) Qualify 予選
ZENT GR SUPRA#38 立川祐路/石浦宏明
公式予選総合結果7位
< 公式予選 > 天候:曇|コース状況:ドライ
2023年のSUPER GTもいよいよ残すところ2戦。TGR TEAM ZENT CERUMOを支え続けてきた立川祐路のラストレースまで2戦となった。迎えた第7戦の舞台は、大分県日田市のオートポリス。阿蘇の山間に位置するアップダウンの激しいコースで、タイヤにとっても非常に厳しいサーキットのひとつ。しかも今シーズンは長丁場の450kmレースで、全チームにとっても未知なる戦いでもある。
そんな一戦に向け、TGR TEAM ZENT CERUMOは10月13日(金)にしっかりと準備を整え、10月14日(土)の予選日を迎えた。オートポリスは前夜から細かい雨が降っていたものの、早朝のうちに雨が上がり、午前9時25分から行われた予選日午前の公式練習はほぼドライコンディションに転じていた。
今回のレースに向けて、第6戦までとはやや異なる方向性のセットアップを作り上げてきたZENT CERUMO GR Supraは、この公式練習開始後やや時間をおき、立川がステアリングを握りコースイン。午後の予選に向けピットアウト〜インを繰り返しながら調整を続け、走り出しこそややバランスが悪いところがあったものの、少しずつセットアップを進め手ごたえを得ていった。
立川は16周を走りピットインすると、石浦宏明に交代。石浦もラップを重ねながらセットアップを進めていくと、GT500クラスの専有走行でアタックラップのシミュレーションを行っていった。
石浦はタイヤをウォームアップさせアタックに入っていったが、先行してアタックに入っていた#8 NSX-GTがさよりんブリッジ下で姿勢を乱し、激しくクラッシュを喫してしまった。そのため公式練習は赤旗中断となってしまい、そのままセッション終了に。石浦はアタックを行うことができず、公式練習のZENT CERUMO GR Supraのベストタイムは立川が記録した1分34秒335というものに。順位は13番手となったが、ZENT CERUMO GR Supraの感触は悪いものではなく、チームは午後の公式予選に向け、フルコースイエロー訓練やサーキットサファリを使って調整を進めていった。
午後3時から行われた公式予選は曇り空のもと、気温18度/路面温度25度というコンディションでスタートした。GT300クラスのQ1を経て、午後3時33分から始まったGT500クラスのQ1のアタッカーを務めたのは石浦だ。
午前の公式練習の感触からタイヤ選択を悩ませることになったが、柔らかめのタイヤを履いた石浦はしっかりとタイヤをウォームアップさせ、3周目にアタックを展開。1分32秒437というタイムを記録し、2番手に浮上。チェッカー間際に他車のタイムアップにより順位を落としたものの、7番手でQ1突破を果たし、立川に繋いでみせた。
GT300クラスのQ2をはさみ、午後4時11分にスタートしたGT500クラスのQ2。ここでは硬めのタイヤを履いた立川は、やや早めのタイミングでコースインすると、時間をかけてタイヤをウォームアップさせ、5周目にアタックラップを展開していく。ここで立川は1分32秒357というタイムを記録したが、1コーナーで前走車がブレーキをロックさせた影響もあり、7番手という結果となった。
タイムとしては苦しいようにも見えるが、立川が履いたタイヤは決勝レースを見据えてのもので、予選後これがスタートタイヤに決定した。タイヤの状況を考えると、このグリッドは上位を射程圏内に入れる手ごたえがあるものだ。TGR TEAM ZENT CERUMOは決勝レースに向けて、着実な好感触を得て予選日を締めくくることになった。
ドライバー/立川 祐路
「今回、事前にシミュレーションしたセットアップでクルマを持ち込んでいますが、イメージどおりで悪い印象ではありません。走り出しはバランスがあまり良くなく、アンダーステア傾向ではありましたが、それをアジャストして予選に臨みました。クルマのフィーリングとしてはまずまずだったと思います。ただ、今回はライバルたちと比べてもタイヤ選択がみんな異なっているので、それが決勝レースに向けてどうなるかですね。僕たちは決勝に向けた選択をしていますし、公式練習でのロングランでも良い雰囲気がありました。オートポリスはタイヤに厳しいコースですし、難しいシチュエーションが多いレースですが、いずれにしろ決勝でのペースが重要になると思いますので、なんとか表彰台圏内で終われるように頑張りたいと思います」
ドライバー/石浦 宏明
「今回は決勝レースを見据えて、持ち込みのセットアップをこれまでとは異なる状態で持ち込んでいます。比較的アグレッシブなもので、公式練習の間に仕上げられるかが重要なポイントとなっていましたが、立川選手から僕に交代してからもセットアップを調整していき、バランスは良くなりました。タイヤが厳しくなってからの感触が期待できると思いますね。予選についても、自分と立川選手では違うタイヤを履いていましたし、その中では良い位置につけられたのではないでしょうか。Q1を突破できたこともホッとしていますし、立川選手も良いタイムを記録してくれました。決勝のペースには自信がありますし、オートポリスでの立川選手の最後のレースでオーバーテイクをたくさんみせてくれると思います」
監督/村田 淳一
「今回、持ち込みタイヤの想定と少し天候が異なり、イレギュラーな使い方になりましたが、ドライバーとエンジニアにその点は任せていますし、判断が功を奏してQ1を突破し、Q2でも好位置につけてくれました。決勝レースに向けてもトラックポジションを守り、作戦で前にいくことができればと思っています。このところエンジニアリング面で予選までにしっかり合わせ込むことができていますし、ドライバーからも的確なコメントをもらっているので、この点は強みになっていると思います。決勝レースではピット作業も重要になりますが、このオートポリスはイレギュラーな反対側のピットになります。しかしそれに向けて十分に練習を積んできましたし、逆に楽しみにしています。決勝レースはタイヤの摩耗が厳しいコースですが、我々の選んだタイヤがマッチすれば、上位にも進出できると思います。優勝、そして表彰台を狙っていきたいと思います。応援よろしくお願い致します」