2024年 SUPER GT 第6SUGOFUJI <決勝>
2024年9月21日(日) final 決勝
KeePer CERUMO GR SUPRA#38 石浦宏明/大湯 都史樹
決勝結果 2位
< 決勝 > 天候:雨/晴|コース状況:ウェット/ドライ
荒天のなか公式予選がキャンセルされ、午前の公式練習でトップタイムをマークしていたことから、ひさびさのポールポジションを獲得することになったTGR TEAM KeePer CERUMO。その好位置を優勝という結果に結びつけるべく、チームは万端の準備を整え9月22日(日)の決勝日を迎えた。ただ、この日もスポーツランドSUGOは朝から強い雨が降り続いており、午前のピットウォークも土砂降りのなか行われた。
レースは当初、午後0時からウォームアップ走行が、午後1時30分から決勝レースが行われる予定だったが、昼ごろは雨脚がまだまだ強い状況。レースコントロールはリスケジュールを行ったが、その甲斐あって雨は小康状態に。午後1時からのウォームアップ走行時には少しずつコース上の水量が減ってきた。迎えた午後2時22分からの決勝レースはウエットコンディションで迎えたものの、GT300クラスの中にはスリックタイヤを履く車両がいるほど、コースコンディションは好転していった。
そんな決勝に向けて、ポールポジションスタートとなったKeePer CERUMO GR Supraのスタートドライバーを務めたのは石浦宏明。セーフティカースタートを経て4周目にレースの火ぶたが切って落とされたが、石浦は抜群のスタートを決め、リードを広げていった。
一時は3秒ほどのマージンを築くなど、序盤は好調な走りをみせていた石浦だったが、コース上が少しずつ乾きはじめてくると、異なるタイヤを履いたライバルたちがペースを上げてきた。逆に、KeePer CERUMO GR Supraが履くタイヤは少しずつコンディションから外れていき、KeePer CERUMO GR Supraはなかなか石浦が思うように曲がらない状況に陥ってしまう。
14周目、石浦の後方からは2番手だった#36 GR Supraが接近してくる。石浦はなんとかポジションを守ろうとするも、明らかにペースが異なる。ハイポイントコーナーで石浦は#36 GR Supraの先行を許してしまうと、さらに#14 GR Supra、#12 Z NISMO GT500などに相次いでかわされてしまい4番手にポジションダウン。その後も防戦一方な展開となってしまっていた。
そんななか、路面コンディションの好転にともない、GT300クラスの中でもスリックタイヤに交換するチームが現れ始めた。ただスリックに換えたチームがアクシデントに見舞われてしまい、SPコーナー立ち上がりでコースサイドにストップしてしまう。ここでレースは一度目のセーフティカーランとなった。
これが苦しい展開だったKeePer CERUMO GR Supraに味方する。タイヤの状況がわずかに好転。さらに上位と大きく離されない展開で石浦はレース中盤を迎えることになった。32周目のリスタート後も石浦の苦境は続いていたものの、それでも挽回のチャンスは残されていた。
チームはそんな展開を見ながら、慎重にピットインのタイミングと交換するタイヤの種類を検討していったが、いざ石浦を呼び戻そうかというタイミングで、GT300車両がレインボーコーナー立ち上がりでクラッシュしてしまった。
この処理のためにセーフティカーが導入されることが予想されたことから、ライバルたちと同様この機を逃さず、チームは石浦を呼び戻した。続々とGT500車両がピットインするなか、TGR TEAM KeePer CERUMOは迅速な作業でスリックタイヤへ交換。大湯都史樹にKeePer CERUMO GR Supraのステアリングを託し、セーフティカーランの隊列に戻した。
セーフティカーラン前にピット作業を終えたチームの中で、KeePer CERUMO GR Supraの順位は8番手。しかし大湯は、50周目のリスタートに全神経を集中させていた。柔らかめのタイヤを履いていたこともあり、レースが再開されると一台、また一台とオーバーテイクを繰り返していく大湯はついに表彰台圏内まで順位を戻すと、前を行く#12 Z NISMO GT500に狙いを定めた。
大湯は58周目、まだまだスリッピーなコンディションのなか最終コーナーで#12 Z NISMO GT500を豪快にオーバーテイク。トップに立っていた#37 GR Supraとのギャップを縮めるべくプッシュを続けた。
ただ、大湯が履いていたのが柔らかめのタイヤだったことから、レース終盤少しずつ大湯のペースは鈍ってしまう。それでもタイヤマネージメントを行いながら、時に#37 GR Supraとの差を縮めていく。
しかしトップを走る#37 GR Supraは快調なペースでレースのチェッカーまで走り切ることになり、大湯は2位でチェッカーを受けることになった。KeePer CERUMO GR Supraの第6戦SUGOは、ポールポジションスタートからの2位という結果だった。
ポール・トゥ・ウインとはならなかったものの、多くのライバルが苦しむなかでしっかりと結果を残すことができたTGR TEAM KeePer CERUMO。第4戦富士に続く今シーズン2回目の表彰台獲得だ。
これで石浦と大湯は、ドライバーランキングでも4位に浮上した。シーズンも残りは3戦。TGR TEAM KeePer CERUMOはさらなる高みを目指していく。
ドライバー/石浦 宏明
「スタートから、ドライコンディションにチェンジオーバーするだろうという読みで、グリッドでタイヤ交換ができるギリギリのタイミングで、いちばん硬めのレインタイヤに交換して決勝に臨みましたが、ウォームアップが心配だったのでそれを意識しすぎたところがあります。序盤こそ良かったものの、途中からなかなか曲がらずに苦戦してしまいました。同様に苦しんでいたライバルも、逆に元気になっていたライバルもいたので順位の入れ替わりが激しい展開となりましたが、僕にとってラッキーだったのは、セーフティカーランでタイヤの状況が少し戻ったこと、また差が縮まった状態で走ることができたことでした。その後の大湯選手の追い上げに繋げることができたと思います。展開としては恵まれましたね。実はもっと上にいける可能性もあった攻めのレースをしていたのですが、チームの戦略もしっかりと決まったと思いますね。今日のようにいろんなことがあったレースで2位という結果が残り、ひとまずは良かったと思いますが、まだ優勝できていないので、それを目指して次戦も頑張ります」
ドライバー/大湯 都史樹
「石浦選手の前半スティントはかなり苦しい様子で、想定外の展開になってしまいましたが、そこからチームがピットインのタイミングやタイヤ交換も含めて、すごく良い仕事をしてくれたと思います。そこから追い上げを目指し、僕に交代してからはタイヤを必死に温め、セーフティカーラン明けのダッシュをかなり狙っていたので、それがうまくいって良かったと思います。その時に少し柔らかめのタイヤを選んでいたので、それが追い上げられた要因だったと思いますが、その後ペースをもう少し上げたかったものの、終盤は少し苦しくなってしまいました。なんとかマネージメントして踏ん張れたのは良かったですね。もちろん優勝できていてもおかしくないレースだったので、悔しさはありますが、これでランキングも上位になりましたし、次戦オートポリスで優勝することができれば、チャンピオン争いにも食い込めると思います。今回の反省を活かし課題を解決したいですね。チームとしても相性が比較的良いコースだと聞いているので、次戦勝ちたいです」
監督/立川 祐路
「まずはたくさんのご声援ありがとうございました。残念ながら優勝には届きませんでしたが、今日は37号車が速かったですね。スタート直後はトップに立ち、うまくレースを進めることができていましたが、途中から苦しい展開になってしまいました。しかしドライアップしていくなかで、スリックタイヤでウォームアップが苦しいなか、大湯選手が挽回してくれたので、2位まで“戻る”ことができたレースだったと思います。ここ数戦安定して良いレースができているので、その点は評価したいと思いますが、2位ではまだまだ喜んではいられません。一方で、チーム全体が2位では喜んでいられない雰囲気になっているので、次こそは優勝という思いで頑張りたいと思います。」